【メンタル術】「立場が人を作る」ためには、3つの条件がある。
うれしいことに、オリックスが息を吹き返してきました。
首位・ロッテとの直接対決で連勝。勝因はなんと言っても、怪我で戦列を離れていた吉田正尚選手の復帰。そして僕は、もうひとつあると思っています。
高卒2年目の19歳、紅林弘太郎選手の覚醒です。
まさに「立場が人を作る」という格言通り。
もともと打順は9番だったのですが、主砲の離脱中は3番へ昇格。すると、9試合でなんと4本塁打!
今までは打率2割そこそこ、将来性はあるけど粗さの目立つ打者だったのが、強打者の風格を漂わせるようになってきたんです。
頭に浮かんだのは『スラムダンク』の海南大付属戦です。
試合中、大黒柱の赤木が捻挫してコートから一時的にいなくなってしまった場面。桜木がこう言うんですよ。
「オレに今できることをやるよ!!」
「やってやる!!」
桜木は神奈川の王者を相手にリバウンドを次々とむしり取り、無尽蔵の体力でコートを駆けまわり、試合終盤には県内ナンバーワンを吹っ飛ばしてダンクまで決めてみせました。
赤木の穴を埋めようと成長したその姿が、紅林選手と重なったんです。
「立場が人を作る」
責任のある立場になると、人は成長を促される。しかし、誰もがそうなるわけでもありません。そこには、3つの条件があると思います。
①意欲
与えられた立場に対して「無理」と思うのではなく「やってやる!!」と思えるかどうか。ベストを尽くす気持ちがあるかどうか。
紅林選手が初めて3番を任された前日、こんな場面がありました。
9回2アウト、ランナーは一塁。7点も差をつけられて敗色濃厚でした。そんな中、打席が回ってきた紅林選手はなんとか食らいつこうと、粘りに粘って17球。
「塁に出て、モヤにまわせば何か起きるかもしれない」
首脳陣は、この意欲を買ったのです。
②伸びしろ
立場に見合う潜在能力があるかどうか。秘めているものが大きいほど、変化は劇的になります。
紅林選手は甲子園出場こそないものの、ドラフト2位指名。高卒2年目にして開幕スタメンを勝ち取った大型遊撃手です。伸びしろに関してはロマンだらけなんですよね。
桜木についても言うに及ばず。
③周囲の助け
立場を与えるだけでは勝手に成長しません。その立場にいた前任者が偉大であるほど、周囲の力が必要になります。
指揮官は「3番目だからな。気負うなよ。3番じゃないぞ。3番目だからな」とリラックスさせるような声かけ。先輩の宗選手は、紅林選手が打席に立つ際の登場曲を勝手に変えるサプライズ。ほかにも、見えないところで気遣いがあったかもしれません。
〝立場〟に、
①意欲
②伸びしろ
③周囲の助け
をかけ算すると、人は魔法にかかる。
紅林選手の成長が楽しくて仕方ありません。
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