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ミッション:インポッシブルな『トップガン マーヴェリック』"偉大なる続編"の仲間入り

公開されるや否や、称賛の声ばかりが飛び交う『トップガン マーヴェリック』。私も早速、鑑賞してまいりましたが、ぐうの音も出ねぇ…クソカッケェ…というボキャブラリーを失う程に面白かった…!観た直後にもう1回観たかったし、今も観たいし、記事を書いてたらさらに観たい。

映画館で上映前に、隣に座ってたおじさんが「私はすでに3回目です!開始1分から最高です!傑作だと保証します!」と話しかけてきて、悔しいかな(いや、別に悔しくはないか)本当にその通り。見知らぬおじさんと興奮を共有したちょっと怪しい鑑賞体験となりました。

(観に行ったの公開2日目の昼だったのに、その時点で3回目ておじさん凄いな…)

偉大なる続編

主観で選んだ”偉大なる続編”

そう呼ばれるのには、前作が傑作であるという事に加えて、続編がその前作に負けず劣らず傑作であるという事が条件になるので、かなりハードルが高いですよね。個人的には、

・『ゴッドファーザー2』
・『エイリアン2』
・『ターミネーター2』
・『ハスラー2』

あたりなんかをまさに”偉大なる続編”だと思っています。そして鑑賞の結果、『トップガン マーヴェリック』はこのラインナップに名を連ねるべき作品だと感じました。

1作目の『トップガン』が1986年に公開されて大ヒットし、続編の企画が上がったにも関わらず製作されなかったのは、続編ができることで『トップガン』の価値が落ちかねない事、そして自分が出演しない続編が作られる事を懸念したトム・クルーズが、自ら続編の製作権を買い取ってあたためていたからです。

その後36年もの時を経て、世に出た続編。

その間に、トム・クルーズ自身がミッション:インポッシブルシリーズのプロデューサーとして映画製作に携わったことも今作に大きい影響を与えているのではないでしょうか。

溢れんばかりのミッション:インポッシブル味

(C)2021 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

予告編の時点で、

このミッションで生還の可能性はーゼロだ

『トップガン マーヴェリック』予告編より

って言ってるんですよね。いや、もうそれ「ミッション:インポッシブル」やん!て感じですが、それはそうなんです、トムがプロデュースしているのですから。

ミッション:インポッシブルシリーズには共通している演出があります。それは「作戦会議」のシーンがある事です。これからどの道をどう通り、何分で侵入し、何を盗んで、どう脱出するのか、というこれからのミッションの詳細を、画面でCGを見せながらトム演じるイーサン・ハントが解説します。

この作戦会議は、いわば成功例を観客である我々に見せるためにあります。その後の作戦実行シーンでは、不測の事態が発生して解説された成功例通りに進むことはほぼありません。

我々は見せられた「成功イメージ」が頭の中にあるお陰で、間に合わなくね?といった焦燥感や、成功しなくね?といった緊迫感を追体験できるようになっています。

この「作戦会議」のシーンの構造は『トップガン マーヴェリック』にも取り入れられています。

もう1つ。

「ミッション:インポッシブル」シリーズでは、これまでの作品を観ていないご新規さんに対して、途中の作品からの参入ハードルを低くするため、タイトルにおける1,2,3のようなナンバリングをやめて「フォール・アウト」などのサブタイトルが4作目以降に導入されています。

今作もタイトルが『トップガン2』でないのは、そういった狙いもあるのではないかと思います。(てか『トップガン マーヴェリック』って…めちゃくちゃ良いタイトルっすよね…)

年を重ねたトム・クルーズ

(C)2021 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

常に若々しいというイメージが先行するトムももう59歳。今年(2022年)の7月3日の誕生日でなんと還暦を迎えます。

引き続きアクション全開のトムですが、今作ではあえてなのか、シワの刻まれた顔のカットがいくつか印象的に使われており、いつもの”若さ全開のカッコ良いトム”という見せ方から少し変化したように感じました。

それこそ、先ほど"偉大なる続編"の例で出た『ハスラー2』でのポール・ニューマンが真っ先に連想されます。『ハスラー2』も前作から25年経って作られた続編で、監督はマーティン・スコセッシ、そしてトム・クルーズも出演しています。

映画『ハスラー2』より
Touchtone Pictures/ The Walt Disney Company

前作である『ハスラー』で、伝説の賭けビリヤードプレイヤーとなったポール・ニューマン(右)は、とある酒場でビリヤードをプレイする若きトム・クルーズに才能を見出し、自ら師匠となって鍛え上げていくというのがあらすじ。このポール・ニューマンがまた超絶シブくてカッコ良い…(この役で悲願のオスカーも獲得したし。)

この時のポール・ニューマンは60歳くらい。今のトム・クルーズとほぼ同い年なんです。

なので、『トップガン マーヴェリック』と『ハスラー2』には
・前作から長期間経って製作された続編
・主人公が今度は教える立場になった
・主人公が年を重ねてシブくなった(そういう見せ方が増えた)
・トムとポールはほぼ同い年

のような共通点があるのです。

(C)2021 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

しかもジェニファー・コネリー演じるペニーの酒場にビリヤード台が置いてあるのを見て尚更、トムはハスラー2にも思い入れがあって、意識してるのかも…と感じました。(『ハスラー2』と『トップガン』は公開も同じ1986年なんですよね、これは偶然か…?)

低空飛行によって出たスピード感

(C)2021 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

前作の『トップガン』では比較的高いエリアでドッグファイトが展開されていたため、背景が空であったり、映り込んだ山々も割と遠くに見えている、といった画面になっていました。

今作は作戦が低空で展開され、背景に移る山や地面がずっと近く、それらがものすごいスピードで流れていくので、かなりの速さで飛行しているのだという事が画面から体感できます。

予告編を見てみてもほぼ低空飛行ですね…
この画面も非常に迫力がありました。うん、今日もう1回観に行くか。

おわりに

今回は脈略もなくただただトップガンとトム・クルーズへの愛を書き連ねてしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

『トップガン マーヴェリック』が公開され、世の中がトムトム連呼している折に発表されたのが、ミッション:インポッシブルの7つ目の作品にあたる「Dead Reckoning Part One(デッドレコニング PART ONE)」の特報。

世の中をおれ一色にしてやるぜ!と言わんばかりのタイミング。"プロデューサー"トム・クルーズの為せる業ですね…まったく良い仕事してくれるぜ!ではまた次回!


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