見出し画像

358 闇バイトの犠牲になる未成年者たち


はじめに

闇バイトによる犯罪の広がりについては、社会的にも大変重大な問題です。今日の教育コラムでは、中高生をねらった闇バイトへの勧誘とその被害について少しお話してみたいと思います。また、警察庁の闇バイトの危険性や実態調査についてまとめられた資料や関連情報の提供先も転記しておきますので、参考にしてみてください。


闇バイトとは

TwitterやInstagramなどのSNSやインターネット掲示板などで、短時間で高収入が得られるなど甘い言葉で募集しているバイトを目にすることが多いかと思いますが、これらはまず間違いなく闇バイトです。
仕事とされている内容は、結果的には全て詐欺の受け子や出し子、強盗の実行犯など犯罪組織の手先となることなわけです。バイトと言われて参加したが犯罪だとは思わなかったという言い訳は通用しません。
なぜならば、法外なバイト代が発生している、嘘をつく、暴力をふるう、身分を偽るなど、犯罪行為を実行する以前に様々な犯罪行為につながる事象を求められるわけですから、その違法性に気づく機会はたくさんあるわけです。つまり、主犯格でなくとも十分にそのバイトが犯罪行為であることを認識していると判断されてしまうわけです。

楽して儲かる話は危険

高校生、大学生くらいになると短時間で少しでも高収入なバイトをしたいと思う人も増えてくるかと思います。また、将来の仕事につながるようなバイトがあれば、そうした経験を積むことも学びの一つとしてとらえている人も多いかと思います。
しかし、アルバイトを探すときに次のような言葉が並んでいたら闇バイトだと考え決して関わってはいけません。それが、「高額」「即日現金」「高額即金」「副業」「ハンドキャリー」「書類を受け取るだけ」「行動確認・現地調査」といった言葉です。こんなに楽なのに大金を稼げますよなどという通常のアルバイトはこの世に存在しないと考えていいでしょう。
さらに、闇バイトは申込時に匿名性の高いアプリのインストールを求められることが多いです。何度も何度も疑問に思う瞬間はありますが、大金に目がくらみ、人生を逆転させようと法に触れる可能性を予見しながらも危険を承知で近づいていくならば、それはもうすでに犯罪者の一員だと言われても仕方がないのです。
そうして、犯罪に加担すれば学業はおろか、就職、家族のつながりなどなど様々な関係性が崩壊していきます。

関連情報リンク先

闇バイト

生活が困窮して闇バイトに手を出してしまう人が急増していると思われがちですが、実は闇バイトに手を出している人の大きな理由としては、遊ぶお金欲しさという理由が最も多いのです。
若者が闇バイトの応募してしまう理由を警視庁は次のように示しています。10代の犯行で最も多いのが「遊興費欲しさ」によるものが約6割、「生活困窮」が約1割で実態とすれば、生活困窮を理由としているケースは10人に1人なのです。
まさに、遊ぶ金欲しさに犯罪に手を染めているというわけです。報酬金額を見ただけでも、どれだけのリスクがあるかが予想できる勧誘なわけですから、これはもはや、犯罪だと気づかずに手を染めていたという言い訳は到底、通用しない状況なわけです。

経験の重要性

コロナ禍でスマホやタブレットが生徒や学生にまで普及が進み、簡単にSNSにアクセスできる環境が整いました。
一方でデジタル化された社会の中やバーチャルの世界での経験や体験は加速しましたが、アナログで様々なことを経験することやその量、多様性は減ってきています。
走る、泳ぐ、登る、など様々な自然環境の中での体験は、多様な価値観に触れる機会を手にすることができます。社会に出て多くの年代、性別、価値観を持っている人と関わることは体験的な知を高めるだけではなく、想像力や他者への共感、相互理解を学ぶことができます。
実際に高校生は、バイトをする経験を通してお金の価値を噛みしめる経験をしてみるといいでしょう。もしかすると中学生でも大切な経験かもしれません。時給900円のバイトを3時間して手に入るお金は、2700円程度です。どんなに頑張っても特別な能力のない中学生や高校生には1日で100万円稼ぐなんてことは土台無理な話です。たとえそれが、5万円でも同じです。ましてや闇バイトのように時給3万円などといったうたい文句は、相当なスキルを有しているか、努力をしているまたは、特殊な能力必要だということに気づくはずです。
通常の社会においてありえない金額を提示するバイトは、ありえないような方法、つまり犯罪による収入を示唆していると考えることができるわけです。わからなかった、知らなかった、騙されたという次元ではないくらいあからさまに最初の勧誘から犯罪なのです。
経験は、常識を身に付ける上でも重要なものです。固定した集団で固定した生活スタイルの身を繰り返していると正しい物差しを用いるための思考力が育ちません。
昨年、特殊詐欺に関わったとして検挙された800人近い若者の内、約6割が10代から20代の若者だったことを考えると家庭も学校も社会も高校卒業後から大学生までの10代から20代に身に付けさせるべきものがなんであるかを考えていく必要があるように思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?