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220 中学受験 理科


はじめに

受験シーズン到来ということで、体調管理と総仕上げにと焦る気持ちを抑えながら取り組んでいる小学6年生も多いことと思います。
算数は、問題演習を繰り返しながら、解き方をパターンでしっかり習得していく方法が基本です。国語も読む、書くを基本に置きながら品詞分類や四字熟語などを確認していきます。社会についても、覚えることは多いですが今まで勉強してきた範囲を復習していくことで着実に得点に結びつけていけます。さて、理科はどうでしょうか。覚えることと知識を活用して考える問題が半分、計算して求めるような問題が半分といった感じで、最後の仕上げをどんな感じで進めていくか迷うのではないでしょうか。
今日は、そんな少し仕上げにも手間取る理科について少しお話してみたいと思います。

中学受験の理科の出題範囲

理科の出題範囲は、生物、化学、物理、地学の4つの分野から構成されます。この範囲の中から出題されると言っても一つ一つが様々な内容を含んでいるわけです。中には、クセの強い問題も出題されます。
クセとは、高い読解力を必要とする問題などをここでは指しています。実験の結果や物質の溶解度や質量などをまとめた表など、縦と横の比較を必要とするような問題が出題されます。
理科だけではありませんが、この4分野からまんべんなく出題されることをまずは意識して広く復習を進めることをお勧めします。

中学受験理科 分野別の出題範囲

出題傾向

ここ数年、特にここ1・2年の理科の出題傾向として見えてくることがあります。それは、「思考力」「応用力」を問う問題が多く出題されているということです。
単純な知識を問う「一問一答」のような問題は、あまり出題されないのです。出たとしても全体の5分の1程度かもしれません。もちろん基礎的な内容が理解できていないと応用問題が解けないわけですが、問題に慣れるという意味では、基礎的な内容を答えるような問題ばかりを解いていても試験には対応できないというわけです。
このことは、理科のさまざまな現象を本質的に理解できているかどうかを見極める問題が大切にされていることを意味しています。本質的な問題とは、実験結果から考察したり、写真や図、グラフから情報やデータを読み取ったりした上で考察したりする問題ということです。
また、地震や気象、天体などは、特別で時事問題に関連させて出題されることも多くあります。大地震、風水害、大雪などなど日々変化する気象の中でも甚大な被害をもたらしたものについて関心をもつことは、理科的な意識の高さを物語る一面だと考えていいでしょう。
世紀を超えた天体ショーに出会える経験をした年代の受験生には、そうした出来事への関心の高さを示してほしいと出題者は願うのかもしれません。
つまり、知識を習得することは必要ですが、習得した知識をいかに応用・活用できるかが重要だということです。

各分野別の学習について

①生物:知識がメイン
他の分野よりも覚える用語が多いのが生物の特徴です。
植物や動物、人体の名称など、図や絵を見ながら勉強を行うのがおすすめです。人体の中身についての問題がよく出題されます。正確に覚えるためには、絵図に名称を書き込んで覚えるといった名称と部分の一致を意識した学習が必要です。YouTubeなどでも解説動画が多いですから自分に合ったものを活用しながら学習を進めましょう。

化学:知識と計算がメイン
他の分野と比べて比を使った計算などが多いのが特徴です。正確に計算する力も必要になってきます。情報を整理して複雑な手順の計算の時には、分かりやすい式展開を心がけていきましょう。また、文章から重要なポイントや条件を見つけ出して、解答するタイプの問題も増えています。用語などの基礎知識を身につけながらも問題演習を通して出題傾向に慣れておく必要があります。

③物理:計算と原理がメイン
勝負は、正確に原理や公式を理解しているかにかかっています。単元でいえば、「てこ」、「振り子」などの力学の内容からは、実験とその考察が問題として出題されることが多いです。複雑ではなくとも、問題の解き方や見方考え方の慣れが必要な分野です。こちらもいくつもの問題のパターンに慣れておく必要があります。基礎的な問題というよりも比較的、標準から応用までの問題が出題されやすい分野です。

④地学の勉強のコツ:知識と原理がメイン
日食や月食などの大規模な天体イベントがあった年や、大地震から50年経った年などには、天体や地震に関する問題が出題されやすい傾向があります。ニュースや時事ネタと関連付けた問題の解決には、日ごろからこうした地学に関わる情報に触れておくことも大切です。

焦らず一問でも多く

受験までの月日も残りわずかです。今まで蓄えてきた知識や経験を、模擬試験や演習問題でアウトプットしていくことを繰り返すなかで、間違いに気づき、覚え直しをして、さらに正確で強い結びつきの備わった知識にしていきましょう。社会のようにある程度、基礎知識を暗記してグラフや表を手掛かりに自分の考えを述べたり、問題の趣旨に応じて論じたりすることで得点に結びつく科目と違い、用語・原理・公式の理解に加えて、考察力、説明する力、計算力までもが問われる理科は、苦手な人には気の重い教科かもしれまん。それでも、ぜひ前を向いて挑戦していきましょう。



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