火曜日

ゴールイメージってFWだけじゃなくて

ちょっと昔の話ですが、全事業所内で、僕の管轄する事業所は、前年比3倍の売上、季節ごとの短期売上目標1位到達を実現したことがありました。

そのまま事業所売上に関しては、基本的には上昇で推移。特に季節目標1位達成については、一部ではゴトウマジックなんて呼ばれ、退職するまでその事業所のお家芸とまですることが出来ましたが、そんな成果を出せていた時、ボスとして僕がしていたことを、何回かに分けて少しお話してみようと思います。

働き方改革全盛の現代、如何にして制約あるメンバーで成果を出すのか。そんな事に悩む特にボス世代の皆さんのヒントにでもなれば幸いです。

主にお話しようと思っている内容

1:部下を巻き込むための土台工事
2:ゴールイメージの共有←今日はコレ!

※初めに言っておきます。今から書くのは「全く当たり前」の話です

2:チーム体制で目標を達成するために

〇チームで目標を達成するために必要な事

先週は、チームで成果を出すために「まず部下を巻き込むための土台工事が重要ですよ~」と書いてみました。

部下の思いや悩みを理解し、そしてその上で部下の能力と組織のニーズを照合し、ベストな選択を対面ですること。書いてしまえば、本当に「当たり前の対人コミュニケーション」なのですが、この当たり前のことを当たり前に出来ているかどうかこそが「部下の心理的安全性」に訴えかけ、「部下を巻き込んだチーム作り」を進めるためのファーストステップとなります。

部下とさりげないプライベートの雑談であったり、能動的な行動(「あ、それやります」という言葉で表すもののほか、例えば口に出さなくとも勝手に観葉植物に水やってるとか、本棚整理しているとか)と、その報告がある程度散見できるようになってきたり、「明日〇〇で何時までに帰宅しなければいけないのですが、いいでしょうか?」「これもっとこうしたらいいと思うんですけどどうでしょう?」なんていう相談がフランクに飛び出したりするようになれば、いい具合ですね。

そうなると、次に仕掛ける「ゴールイメージの共有」が、より容易になります。

ゴールは2種類ある

〇ちゃんと部下とゴールを共有出来ていますか?

「何でお前は出来ないんだ!」そんなセリフを言ってしまいたくなる時(あるいは言っちゃった時)、ボスが頭に浮かべていることは何でしょう。

その多くは「想定した進捗をしていない」からどうしよう、やばいぞ…ということです。思った通りに進んでいないことで新たな問題も起こり得ますし、場合によっては責任問題、自身の進退の問題へと派生することもあるでしょう。そうしたリスクを避けたいというのは自然ですよね。

そうならないよう、常に「仕事の中長期のゴール」をボス、部下共に共有する必要があります。

「何でお前は出来ないんだ!」なんていうのは「到達すべきゴールを皆さんと共有せず、仕事を進めさせた私の甘さが罪です」と言ってるようなものだと思っていいでしょう。

ただし、そこで目指すゴールは「予算必達」みたいなショボい次元の話ではありません。売上幾ら叩けなんていうのは、いわば会社の都合によるゴールです。顧客のニーズには一切関係ありません。

それに、入社したから、所属しているからと言って、全ての社員が「会社が好き」「ビジョンに共感した」わけではありません。当たり前です。会社って集合体ですから。中には「給料まずまずいいから」「自宅から近い」「入るところがなかったから仕方なく(氷河期世代に多いかもしれませんね)」というメンバーもいるでしょう。

そんなメンバーも巻き込んでチームで戦うには、共有するゴールは「メンバーみんなが自分事として考える」ことができるものとなる必要があります。

では、どうやってそれを設定するのか。とっても単純です。とことん突き詰めて話せばいいんです。

・今取り組んでいることが本質的にどうなるのか
・そしてそれが顧客に対しどういったプラスをもたらすか
・そしてそれは部下や部下の家族や地域にどういったプラスをもたらすか
・その上で課題は何か

自身が抱える顧客の将来、その顧客を取り囲む人間模様、そして何より自身の家族や暮らし、これから暮らしていく未来…そうしたところまで突き詰めて共有した上で「じゃ、”みんなハッピーになるために”どうしよっか」と方向性を探り、「じゃ、こうした未来を見たいからそのためにまずは〇〇をやろうぜ」とコンセンサスを得ます。この未来が僕が部下と共有したい「長期的ゴール」であり、そのために今やる事が中期的なゴールです

ここがお互いに共有出来れば、仕事は驚くほどスムーズに進みますし、ブレません。マイクロマネージなんてこれっぽちもいらないです。だって、目指すゴールが同じなんだから。

おまけに成果もついてきます。

実際に事業所の成果を3倍増した際も、部下と共有出来ていたのは「○○さん(顧客)に明るい未来をプレゼントしたいから(そんな言い回しはしてなかったけど)、今これとこれやろうな」という2種のゴール像(明るい未来と、いまやること)でした。

そこが共有出来ているから、手の打ち方も早くなるし決断も早くなる。おかげで僕も定時に帰れる日が増えました。

〇緊急事態でもぶれないチームへ

あろうことか僕が椎間板ヘルニアで1か月休職した時も、一切「ごとうさん!これどーすればいいですか?」という電話が来ませんでしたし、事業所の数値が減少するような事もありませんでした。「○○さんの件、こうなったので、次こうしますね」というメールが何通か来たくらい。それに対しても僕から「それはだめだ!こうしろ」みたいなメールは一切なし。だって、その顧客に関する2種のゴールを部下と共有出来ているから。さすがにオウンゴールしそうになったら「ちょ待てよ」と制止するかもしれませんが、そこまでの事案はなかったなぁ。しいて言えば、「新しいラーメン屋出来たから、治ったら行こうぜ」というメールを何人かに送ったくらい(笑)。

この時悟ったんですよね。僕がいなくても、全然チームは機能している。チームみんなで同じゴールを見据えて、みんなで作った成果はこれなんだって。ボスがたった一人の力で「部下を育てた俺の成果だ」なんて口にすることがどれほどダサいか、身に沁みました。

退職してからも、ある程度大きな成果を残せた仕事が出来た時は、ほぼ100%、その時々のビジネスパートナーと「この2種のゴール」を共有出来ていました。僕が些細な研修や講演(ちょっと先のものも含む)でも、なるべく直接の打ち合わせ機会を持とうとするのは、これが理由です。
※どうしても難しい時は、メールでも何でもいいです。ともかく一方的に「これ話して」「じゃ当日」みたいなことはなるべくしないようにしています

ですが、その突き詰めた共有をするためには、双方の信頼が必要。だからこそ、前回書いたように、パワーバランスで絶対的に強いボスが、部下の思いや悩みを理解し、そしてその上で部下の能力と組織のニーズを照合し、”自分から降りて”行くことが必要です。

・部下が思ったように動かない
・部下が何考えているのかわからない

そもそもそう思った時点で、「俺は上にいる」「何でここまで上がってこれない」という視点に立ってしまっています。

獅子が子どもを崖に落とす時代じゃありません。ボスの役目には「そうか。出来ないのか。じゃあ知らねえよ!あとでFBで愚痴ってやる(こんなの職務放棄ですよね)」なんて、スパルタンで身勝手なものじゃなく、「そうか。出来ないのか。じゃちょっと待て。俺も行くから、一緒に考えっか」と、自分から部下のフィールドに降りていく柔軟さやフラットさが必要なんじゃないかな…と思います。

そうして初めて、双方の信頼、そしてゴールの共有が強固になります。こうなれば、強いチームに近づいたと思っていいでしょう。

でも、当時はそんな事、深く考えてなかったんですよね。ただ「寝る間も惜しんで数字出せゴルァ!」みたいなやり方を許せなかったから、違うやり方で成果を出したいなと思ってただけだったりするんですが。

だからパワハラ対策の支援とか仕事にするようになったんだろうなぁ。

★そんなわけで、次回は「評価」についてお話してみますね

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