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もし部下が発達障害だったら、あなたはどうしますか?

 あなたの周りにこんな人はいますか?

「何度注意しても同じミスを繰り返す」

「期限通りに仕事を終わらせることがいつもできない」

「報告が全然ない」

もしかしたら、その人は発達障害(あるいはグレーゾーン)なのかもしれません。

もし、あなたがこのような部下をもつ上司だったら、どのように接しますか? 

理解不足によって上司も部下もダメージを受ける

部下への注意が叱責となり、さらにはパワハラともとれる言動にエスカレートしたり、「自分には指導力がないのだろうか?」と思って落ち込んでしまう上司がいます。毎日のように注意したりミスの後始末に追われたりして疲弊していくうちに、うつ状態になってしまう人もいるのです。

いっぽう、部下も上司から厳しい指導を繰り返されたり、取引先からクレームを受けたり、自らの能力に自信を失ったりして、精神的に大きなダメージを受けることもあります。

そしてついには、上司か部下のどちらか、あるいはどちらも長期の休職や退職に至ったり、別の部署に異動させられたりという悲しい結果になることも。

こうした状況は長い間、もっぱら部下の不注意や能力不足のせいにされてきたのですが、ここ数年は発達障害という言葉が知られてきて、組織全体として解決に取り組もうという動きも出ています。とはいえ、まだまだ多くの職場に、苦しい思いをしている上司と部下がいるはずです。


発達障害を理解することで楽になる

佐藤 恵美 (著)

職場において発達障害への理解・対応を取り扱った『もし部下が発達障害だったら』は、2018年3月の初版刊行以来4年間で7回増刷し、現在の発行部数は3万部を超えています。
発売当初から多くの反響があり、読者からの感想もたくさんいただいております。

それらは大きく次の5つに集約することができます。

  1. 能力や感情の問題ではなく、発達障害が原因であるとわかって気持ちが楽になり、ストレスが減った。

  2. さまざまな場面での具体例が多く、非常に役に立った。

  3. 排除するのではなく一緒に生産性を上げていく努力が必要だとわかった。

  4. 部下を変えるのではなく、こちらが変わる必要があると知った。

  5. 上司ではなく当事者がどうしたらいいかについても書かれていて有益だった。

上司と部下、それぞれの立場からたくさんの声が届き、本書が多くの方々のお役に立っていることが本当に嬉しいです。

しかし、社員個人の努力だけでは限界があるようにも思っています。


発達障害への理解・対応が「当たり前のマネジメント」へ

発達障害の有病率はASDで100人に1人、ADHDで30人に1人程度と言われ、その特徴がある人への対応はもはや特別な配慮ではありません。
適正な人事配置や上司が細やかなケアができるよう仕事量を軽減するなど、組織全体としての取り組みが必要です。

「障害や困難を持つ人にとって働きづらい職場は、そうではない人にとっても働きづらい点がどこかある」ということを聞いたことがあります。

さまざまな特徴を持った人が一緒に働くことによって新しい価値を創り出すことができるはずです。それはビジネスを発展させるためにも非常に有効なのではないでしょうか。

今後はそんな視点からも組織として発達障害について考え、取り組む必要がますます高まっていくと私は思います。

(編集担当:藤田)


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