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未来が現実になるからこそ「最高の組織文化」をつくろう『カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方』【無料公開#29】

8月28日発売の『カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方』。マクドナルド・メルカリ・SHOWROOMで事業と組織の成長を加速させてきた著者が、カルチャーを言語化し共有化するための手法をご紹介いたします。組織運営に悩む経営者、人事担当者、マネージャー、すべてのはたらく人に向けて、「新しい組織論」を無料公開にて連載いたします。

未来が現実になるからこそ「最高の組織文化」をつくろう

まだ見ぬ未来を思い描くとき、悲観論者なのか楽観論者なのかによって、その未来は大きく異なるでしょう。

私自身は楽観論者です。

インターネットが20年で一般化し、スマートフォンは10年足らずで普及しました。

それなら、AIだってVR・ARだって、ブロックチェーンだって、もっと短いスパンで当たり前のように社会実装され、私たちの身近な存在となることは、そう夢物語ではないはずです。

そうすればきっと、会社や場所に縛られることなく、あくせく働かなくても暮らしていける未来がやってくるはず。

そんなとき、私たち人間はどんなことに時間を費やすことになるのでしょうか。

一日中ゲームをしていれば幸せだという人、田舎でのんびり暮らしたいという人もいれば、社会のために意味のある仕事がしたい、気の合う人と仕事がしたいという人もいるでしょう。

いずれにせよ、人生において働く時間は、その多くを占めるとても重要なものです。

一度しかない人生の大半を費やすもの。

その時間比率が仮に下がっていっても、心の部分では依然として多くを占めるでしょう。

だからこそ、企業は自らのカルチャーを語る必要があります。

その企業が何を目指し、何を大切にしているのかを発信することで、働く人はその企業で何を目指せるのか、どんな姿でいられるのか、どんなバリューを大切にし、何を生み出せるのかを判断することができる。

企業が働く人を選んでいたように、働く人が企業を選ぶ時代なのです。

私はこの本で、いくつかの選択肢を示しました。

中央集権型か、分散型か。安定志向か変化志向か。それを選ぶのは企業であり、経営者だ、と。

唯一の解を示したつもりはありません。

あくまで、その判断軸は、経営者であり、人事担当者であり、組織に所属する一人ひとりのなかにあるのです。

ここまで読んでいただいた経営者の方や、組織づくりに携わるマネジメント層や人事担当の方は、この本で提示したカルチャーをつくるためのプロセスを、ぜひご自身の組織で実践されてください。

また、一社員の立場から、組織変革が必要だと感じた方は、仲間を増やして何か一つでも行動を起こしてみてください。

そして、ご自身の個性や価値観と、今所属する組織のカルチャーが合わないかも…と感じる方は、何が自分にとっての幸せか、この機会に改めて考えてみることをおすすめします。

大きな潮流としては、あらゆる組織体も情報も分散型になり、変化は激しくなるでしょう。

その大きな波をギュッと身を固くして静まるのを待つのか、自らも動いて波に乗ろうとするのか、はたまたその波を自らつくりにいくのか、どれを選ぶのかも引っくるめて、それが企業のカルチャーであり、あなた自身の個性でもあるのです。

ただ、どれを選ぶにしろ「何を信じ、どうありたいのか。どう働き、どう生きたいのか」個人で物事を決めるとき、自分なりの指針や価値観、判断軸がきっとあるはずです。

それはつまり、企業においても指針や価値観、判断軸が重要だということです。

さまざまな人が集まり、同じ組織のなかで働く以上、それぞれの価値観や考え方に任せていれば、判断もバラバラになりますし、その精度もまちまちになります。

そうなれば、果たして同じ組織にいる意味はあるのでしょうか。

同じ組織にいる以上、何を目指し、どうありたいのか。

そこにはどんな価値観があるのか―。

「なんとなく」ではなく、何度も何度も繰り返しビジョン・ミッション・バリューを心に問いかけ、言い続け、共有して、会社にいるあらゆる人がその企業のカルチャーを体現できるような最高の組織文化がつくられたときこそ、企業のビジョン・ミッションが成し遂げられるのです。


著者プロフィール

唐澤俊輔(からさわ・しゅんすけ)

Almoha LLC, Co-Founder

大学卒業後、2005年に日本マクドナルド株式会社に入社し、28歳にして史上最年少で部長に抜擢。経営再建中には社長室長やマーケティング部長として、社内の組織変革や、マーケティングによる売上獲得に貢献、全社のV字回復を果たす。
2017年より株式会社メルカリに身を移し、執行役員VP of People & Culture 兼 社長室長。採用・育成・制度設計・労務といった人事全般からカルチャーの浸透といった、人事・組織の責任者を務め、組織の急成長やグローバル化を推進。
2019年には、SHOWROOM株式会社でCOO(最高執行責任者)として、事業成長を牽引すると共に、コーポレート基盤を確立するなど、事業と組織の成長を推進。
2020年より、Almoha LLCを共同創業し、人・組織を支援するサービス・ツールの開発を進めつつ、スタートアップ企業を中心に組織開発やカルチャー醸成の支援に取り組む。
グロービス経営大学院 客員准教授。


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