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「7S」のフレームワークで「カルチャーモデル」を定義する『カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方』【無料公開#16】

8月28日発売の『カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方』。マクドナルド・メルカリ・SHOWROOMで事業と組織の成長を加速させてきた著者が、カルチャーを言語化し共有化するための手法をご紹介いたします。組織運営に悩む経営者、人事担当者、マネージャー、すべてのはたらく人に向けて、「新しい組織論」を無料公開にて連載いたします。

「7S」のフレームワークで「カルチャーモデル」を定義する

では、事業(ビジネスモデル)と組織(カルチャーモデル)の両輪を回すにはどうすればいいのでしょうか。

ここで参照しておきたいのが、マッキンゼー・アンド・カンパニーの「7S」です。

7Sとは、エクセレントカンパニーに共通する要素を7つ挙げ、それらが相互に補完し、高め合いながら企業活動を行っているという、組織運営に関するフレームワークです。

マッキンゼー出身のトム・ピーターズとロバート・ウォータマンがかの名著『エクセレント・カンパニー』(大前研一訳・英治出版)において提唱したことでも知られています。

その7要素とは以下の通りです。

ハードの3S
1 Strategy:ストラテジー(戦略)
2 Structure:ストラクチャー(組織構造)
3 System:システム(制度)
ソフトの4S
4 Shared Value:シェアドバリュー(共通の価値観・理念)
5 Staff:スタッフ(人材)
6 Skill:スキル(能力)
7 Style:スタイル(経営スタイル・社風)

コメント 2020-09-03 104156

この7要素において、ハードの3Sは比較的容易に変更ができますが、ソフトの4Sは変更が難しいとされています。

人の価値観や考え方、スキルといったソフトの4Sをコントロールすることは難しく、変化させるにも時間がかかるからです。

このフレームワークが発表された1980年代、経営効率や競争優位性を高めるために「ハードの3S」ばかりに目が向きがちだったのを、働く人の価値観や働き方といった「ソフトの4S」に光を当てたことで、広く知られるフレームワークとなりました。

このフレームワークは組織運営に関するものですが、この本ではこの7Sをベースに、今の時代における事業(ビジネスモデル)と組織(カルチャーモデル)の両輪を働かせるための仕組みを検討していきます。

まずはビジョン(実現したい社会)とミッション(会社が果たすべき役割・使命)を設定し、ここからはミッションを実現するための事業と組織のあり方について考えていきましょう。


著者プロフィール

唐澤俊輔(からさわ・しゅんすけ)

Almoha LLC, Co-Founder

大学卒業後、2005年に日本マクドナルド株式会社に入社し、28歳にして史上最年少で部長に抜擢。経営再建中には社長室長やマーケティング部長として、社内の組織変革や、マーケティングによる売上獲得に貢献、全社のV字回復を果たす。
2017年より株式会社メルカリに身を移し、執行役員VP of People & Culture 兼 社長室長。採用・育成・制度設計・労務といった人事全般からカルチャーの浸透といった、人事・組織の責任者を務め、組織の急成長やグローバル化を推進。
2019年には、SHOWROOM株式会社でCOO(最高執行責任者)として、事業成長を牽引すると共に、コーポレート基盤を確立するなど、事業と組織の成長を推進。
2020年より、Almoha LLCを共同創業し、人・組織を支援するサービス・ツールの開発を進めつつ、スタートアップ企業を中心に組織開発やカルチャー醸成の支援に取り組む。
グロービス経営大学院 客員准教授。


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