Discoballer

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最近の記事

赤瀬川原平写真展「日常に散らばった芸術の微粒子」_230303

きっかけはInstagramの広告だっただろうか。赤瀬川さんという写真家も、ピラミデという場所も知らないまま、そのキャッチーな写真に心惹かれた。 金曜の午後、仕事をさぼって(いや、リサーチの一環だろう!)六本木のピラミデビルにやってきた。よく調べずに来てしまったが、私でもその名を耳にしたことのある、ペロタン、TARO NASU 、オークションハウスのフィリップスなど含めた10ほどのギャラリーが1つに集結するビルだったので驚いた。(普段歩かない場所を散歩するとやはり発見がある

    • RE:FACTORY_230302

      「運ばれている」感がすさまじい、貨物用みたいな大きなエレベーターを、数名のインフルエンサーらしき美女とギラギラした男性たちともに上がる。ここは天王洲の寺田倉庫G1ビル。エイベックスが仕掛けるアートプロジェクト「MEET YOUR ART」のイベントにご縁をいただき、VIP DAYなるものに参加してみた。 MEET YOUR ART自体はおそらく2年くらい前からリリースされていて、リサーチもかねて初期の頃からその動向を追っていた。数年でここまでの規模にまで成長している点に感嘆

      • ヨルダン: 時間の王国-Jordan: Kingdom of Time-_230302

        帰国して早3ヵ月が経つがその情熱は冷めやらず、ヨルダンと聞けば東奔西走したい今日この頃である。ヨルダンでの美しい日々を想い返して、大使館にイベントの提案までメールしてしまったくらいだ(1か月返信はない) そんな折、在日大使館の公式インスタグラムから、なんとJICAでヨルダンマンスが開催されるとの情報をキャッチ!これはなんとしても行かなければ!とヨルダン仲間のMちゃんと即作戦会議が行われた。 Jordan: Kingdom of Timeと冠した本イベントでは、さすがJICA

        • 秋田市文化創造館_230224

          秋田を訪れて最もときめいたのは、この文化創造館に出会ってしまったことだと思う。 積読消化のための一人旅なので、県美のカフェで時間もはばからずたっぷりと読書をした後、橋を渡ったその向こう秋田文化創造館なる施設に足を運んでみる。 この類の施設って名前に反してどこか行政めいた公共施設が多いような~などと気楽に近づくと、併設された可愛らしいカフェの隣でペンキまみれの青年が一心不乱に何かを描いている。お、アーティストのためのオープンスタジオ? 入り口前に並ぶレオナール藤田と秋田美術大

        赤瀬川原平写真展「日常に散らばった芸術の微粒子」_230303

          藤田嗣治が愛したものたち_230224

          友達が貸してくれた益田ミリさんの漫画の中で、ミリさんがひたすら読書をするためだけにする一人旅に憧れてやって来てしまった2月の秋田。 小さなキャリーケースをほとんど積読本で埋め尽くし、移動やカフェ、温泉宿でただただそれらを消化する。自由きままに自分と向き合う贅沢な旅である。 観光するつもりは毛頭なかったものの、県立美術館というのは建物そのものから個性があってなかなか面白い。調べてみると秋田駅から10分ほど歩いたところに県美、近代美術館、文化センター、シアターホールなどが集結し

          藤田嗣治が愛したものたち_230224

          文化庁メディア芸術祭_230213

          天王洲アイルの深い地下から地上へ出るとき、だいたいは大雨で、ビル群の細い隙間からの突風に晒されることになる。今回も例によって傘を強く握りしめ、会期ぎりぎりの寺田倉庫B&C HALLへやってきた。 文化庁メディア芸術祭は文化庁主導のもと平成7年(1997年)から開催され、アート、エンタメ、アニメ、マンガの4部門においての優秀作品顕彰と一般向けの鑑賞の機会として25年にわたり綴られてきた。今回は25周年記念企画というタイトルをとりながら、昨年夏頃に話題にあがった通り、本芸術祭の

          文化庁メディア芸術祭_230213

          大竹伸朗展_230128

          東京国立近代美術館を訪れるときは、なぜだかいつもおなかが空いている。今回も例にもれずペコペコな私に、大竹伸朗展は容赦なかった。 まさに作品と情報の大濁流。経年での色々なスタイルの作品から、湧き出る創作意欲を閉じ込めたようなおびただしい量のスクラップブック。正直、こりゃ異常だな!と疑い呆れてしまう膨大な数なのです。 大竹伸朗に縁もゆかりもなかったので彼自身を知るところから始めたいのだけど、もしかしたらそんなことはどうでもよかったのかもしれない。今この瞬間に目に入るもので、あな

          大竹伸朗展_230128

          星野道夫 悠久の時を旅する_230115

          「大切なことは、出発することだった」 星野道夫への想いが再燃している。昨年末からのヨルダン旅を終えて私の中に込み上がっていた言葉にならない感覚たちを、道夫先輩はもうそれ知っているよと言わんばかりに自然体に表現してくれていた。 生命にとって厳しい環境でもある悠久のアラスカと、現代に生きた彼自身が溶け合っていくような感覚。それは私にふつふつとあった色々な想いをただ真っ直ぐに肯定してくれて、私は静かに心を震わせながらひたすら身を委ねていた。 古本屋で出会ったアラスカの景色に心

          星野道夫 悠久の時を旅する_230115

          今日の私を明日思い出せるように

          かなり私的な記録でありながら、社会との接点や可能性をほのかに期待するしたたかな発信を考えている。 自分の趣味と仕事の都合も相まって美術展に足を運ぶことが増えている近年なのだけど、流動する日々の中で、自分がそこで何を受け取ったのかを言語化しきらないのでせっかく行ったのに印象がぼんやりしたり、忘れたりすることに漠然としたもったいなさを覚えていたりする。 ここではそんな自分のインプットの記録や言葉にする訓練を執り行ってみたいと思う。できれば1年くらいは続けてみて、何か積み重ねを

          今日の私を明日思い出せるように