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星野道夫 悠久の時を旅する_230115

「大切なことは、出発することだった」

星野道夫への想いが再燃している。昨年末からのヨルダン旅を終えて私の中に込み上がっていた言葉にならない感覚たちを、道夫先輩はもうそれ知っているよと言わんばかりに自然体に表現してくれていた。

生命にとって厳しい環境でもある悠久のアラスカと、現代に生きた彼自身が溶け合っていくような感覚。それは私にふつふつとあった色々な想いをただ真っ直ぐに肯定してくれて、私は静かに心を震わせながらひたすら身を委ねていた。

古本屋で出会ったアラスカの景色に心奪われて、見知らぬ土地の村長へ会いたいと手紙を送ったこと。
長い長い地球の歴史の中にある、変わらない景色に心を躍らせること。
発達しすぎる文明の時代を受けてだろうか、生まれるのが遅すぎたと思っていること。
遥か遠くに生活している人がいるということに思いを馳せていること。
命が生きることの素朴さと逞しさに何よりも畏怖を抱いていること。

ある意味で浮世離れしていてロマンティックなこの関心を、大切に掬って行動し続けるピュアさがあまりに美しくて、まぶしくてつい胸が熱くなる。
星野道夫が見せてくれる世界の一片や言葉たちは、私の生きる根源にエネルギーを注いでくれるように思うのです。

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