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エンジニア・キャンプ YAMAGUCHI① 現地視察編

こんにちは。デジテックfor YAMAGUCHI運営事務局のもんじゃです。

皆さん見てますか?山口県萩市が舞台のドラマ「ファーストペンギン!」
「萩大島船団丸」は地方創生の走り出しのころから、地域商社の優良事例として注目されていました。アットホームな雰囲気と、主役の奈緒さんの表情豊かな演技がいいですね。

さて、以前予告記事も書いた「エンジニア・キャンプ YAMAGUCHI」!!
山口県宇部市小野地区において、10月29(土)、30日(日)の2日間、市民エンジニアや学生など20名が、中山間地域の課題について考え、デジタル技術を活用して課題解決につながる試作品の作成に挑戦しました。
1回では書ききれないので数回にわたってご紹介します。

なぜこのようなイベントを開催したのか、といったいきさつは、開催前に勢い余って書いた予告記事をご覧ください。

フィールドは宇部市小野地区


最寄りの新幹線駅から車で20分程度。国道にも近く、変な表現ですが「身近な中山間地域」といったところでしょうか。生活圏には田園が広がり、イメージ通りの山間の風景です。2日間とも最高に天気が良く、茶色く色づき始めた山々が美しい🍁

そして主会場となった「アクトビレッジおの」
キャンプ場や研修施設、ホールなど、かなり多目的に利用でき、新しくて施設も充実。イベント開催中はずっと来客で賑わっていました。
スタッフの皆さんがとても親切で、細々としたお願いにも快く対応していただいて本当に助かりました。

小野湖をはさんで

スケジュール

2日間のスケジュールは次のとおり。

(過密)スケジュール

オープニング

概要説明をざっと行った後は自己紹介タイム。
敏腕ファシリテーターの発案により、氏名と所属のほか「好きなおでんの具🍢」を紹介するという、まさにアイスがブレイクされていく内容で盛り上がりました。しかし、あれほど大根が人気とは。

自己紹介が終わったところで、地域に精通された宇部市職員の方から、小野地区と今回設定した4つの課題についてご説明いただきました。
小野地区は宇部市の中山間地域の中でも最も高齢化率が高く、小学校の児童数が19人と減少傾向が続き、今後様々な面で人手の不足が懸念されます。
こうした中、ご地元の方と選んだ4つの課題がこちらです。

①地域の草刈りをもっと楽にしたい
②獣害を軽減するためサル等を追い払いたい
③地域での高齢者見守りを強化したい
④小野地区出身で遠方在住の方が持つお墓・空き家の近況を届けたい

課題の内容について詳しくは、次の現地視察でご覧ください。

お話を伺うだけでも、こうした課題に向き合っていくのは大変そうだなと感じられ、地域の方の暮らしについてイメージを持ちながら現地に向かうことにしました。

現地視察

参加者はあらかじめ課題ごとに5名ずつのグループに分けられていますが、自身のグループの課題だけでなく、全員が4つの課題について現地を巡ります。
欲張って7か所もの現地を設定してしまいましたが、それぞれの現地では地元の方にスタンバイいただき、詳しくお話を聞くことができます。

課題ごとに様子をご紹介します。

①草刈り

地域の「草刈り」は作業の担い手が不足しており、年々負担が増加しています。
都市部の草刈りは景観整備が主ですが、中山間地域の草刈りは「生きるため」です。草があると家に入れなくなったり車が通れなくなります。
現地では、実際に草がかなり伸びた場所で、それらを刈ることのご苦労について話を伺いました。1年のうち定期的に草を刈っていれば、1回の作業は比較的やりやすいものの、1年放置した場所は、草が伸びきって機械も思うように動かずかなり大変とのこと。
草刈り機を数台持ち込んでいただき、参加者は機械の重さや音を体感。暑い時期にこれらを背負って1~2時間作業することの大変さを実感しました。

機械を使っても相当な時間と労力が必要

②獣害

地域ではサルやイノシシが頻出し、農作物に大きな被害が出ています。
特にサルは効果的な追い払いが難しく、地域ではロケット花火を使って追い払っていますが、火も使うので危険です。高齢の方が手で持って火をつける様子は見ていて本当ヒヤヒヤするとのこと。また、出没する場所等の情報も整理されておらず、通報があっては駆除に行くという状況のようです。
現地では、地元の猟友会の方に現状を詳しくご説明いただき、設置されたサルの罠も見ることができました。捕まったサルの処分について聞いたときは何とも言えない気持ちになりましたが、個体数が多く本当に困っているという生の声を聞くことができました。

サルの罠 2~3日前まで3頭入っていた
こんな家の近くにもサルが頻出
(手前はイノシシ避け)

③高齢者見守り

小野地区には独居高齢者も多く、現在は地域コミュニティ等によりカバーできているものの、今後見守りの体制づくりは必須とのこと。
現地では、地域でサロンの活動をしている公民館で、地域の活動についてお話を伺いました。この地域では比較的コミュニティがしっかりしていて、週ごとの定期的な集いもあるなど、相互の気配りができているようです。

地域の活動についてお話を聞く

またもう一か所、近隣の家から1km程度離れて、この細い山道の奥に家があるの?と思わせる、いわゆる「ポツンと一軒家」にお一人で暮らしている高齢の方のお宅を訪問しました。日頃は配送サービス等を利用されており生活に支障はないものの、やはり災害時などは不安とのことでした。

日常の暮らしなどについて詳しく伺う

④お墓・空き家の管理

小野地区には空き家が100軒近くあります。利活用可能な空き家は限られ、老朽化や破損が進んだ空き家も数多く、草が伸び、隣に迷惑をかけてしまうケースもあります。
お墓も定期的な清掃等が必要で、放置すると同様の課題があります。
こうした空き家やお墓の状況を、いかに遠方におられる持ち主に伝えるかというのは大きな課題です。
現地では、小野市民センターが移住希望者に紹介する空き家や、定期的に遠方の持ち主に状況を伝えている空き家を視察しました。ずっと空き家のままにするよりは、何か次の判断をしてくれた方がありがたい、というセンターの方のお話も伺えました。

家の中も視察 状態のいい空き家は少ない

イベントはまだ始まったばかり

しっかり3時間も現地を見て、お疲れの参加者たち。
アクトビレッジに戻り次第、気持ち程度の休憩の後に考えをまとめてもらいます。怒涛のスケジュールを組んでしまったことに申し訳なさを感じつつ、もう止められません。この勢いのまま「アイデア出し」に突入します!

「アイデア出し編」へつづく

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