【2/29, 2024】米国デジタルヘルススタートアップ"Salvo Health"のシード資金調達と包括サービスについて
近年、デジタルヘルス領域への投資は活発化しており、中でも注目を集めているのが「アプリ+サービス」を組み合わせた包括的なソリューションです。以前は、9am.healthについて触れました。
9am.health同様に、アプリに加え、専門家チームによるサポートも提供することで、より包括的なケアを実現しています。9am.healthは主に糖尿病や肥満などを対象にしていましたが、Salvoは消化器系を主にターゲットにしている点です。
About "Salvo Health"
・国:米国
・創立年:2021年
・資金調達ラウンド:シード
・主な投資家:City Light Capital, Human Ventures, Felics
・総調達金額:約$15M
・サービスタイプ:主に消化器疾患を対象としたバーチャルケアサービス
・事業モデル:B2B2C - 保険会社・病院
・website:
この投資事例も、デジタルヘルスにおける「包括的なアプリ+サービス」への需要の高まりを象徴しているように感じます。 従来のアプリ単体による疾患治療や疾患管理を行うサービスとは異なり、医療専門家のサポートを受けることで、より効果的なサービス提供かつ高い利用継続率の達成が可能になると期待されています。
まだシードステージということもあり情報も少ないのですが、患者さんが利用するアプリの提供に加えて、Salvo Healthが医療従事者(nurses
、licensed social workers、registered dieticians)を抱えており、デジタルプログラムとして 栄養療法、心理療法、認知行動療法などを病院向けに提供しているようです。これにより、病院としては専門医が新患の方や緊急度の高い患者さんに集中し、それ以外の患者さんはSalvo Healthの医療チームが代わりに対応することで、病院全体の治療の質を上げるだけではなく、以下の記載のように病院の売上も向上させることが期待できるようです。
また、個人的に他社と割と大きく異なるように感じたのは、地域の医師をしっかり治療の中心に据えて、その医師をSalvoがサポートするという哲学を明確に謳っているところです。米国ですと、スタートアップ含め企業が抱える医療従事者と患者さんが地域でかかる医療従事者との連携が重視されていないサービスもあります。Salvoはその点を意識しており、既存の医療従事者の参画の必要性が治療と事業の両方の成功に繋がると信じているようです。
最後に科学的なアプローチについては、消化器疾患の治療だからと言って消化器だけに焦点を当てるだけではなく、メンタルヘルス面なども含めて体全体の総合的アプローチ手法に従ってケアすることを謳っております。アプリ+サービスという意味での包括サービスだけではなく、治療効果を出すためのアプローチも包括的ですね。
以上が、Salvo Healthでした。シードステージとはいえ既に大きな病院との契約もまとまり事業が立ち上がっているようなので、今後の更なる医療への貢献に期待大です。
おしまい
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