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映画『BLUE GIANT』の感想と、JAZZの未来


映画『ブルージャイアント』について


映画公開から2週間以上経ちましたが、
色んな映画のレビューサイトで、現在、大量の高評価が付いているBLUE GIANTを観てきました。

すでに映画を観た人や、これから観ようと考えている人も多いと思います。

なんか久々に映画の感想を書きたくなりました。
需要あるか分かりませんが、私なりの感想を少し…

この感想を書いているのは、
現在、映画を観終わって数時間後くらいです。


以下、感想です。


観てきた映画館は、地方かつ公開から少し日が経っている平日のせいか、DOLBY ATMOS対応の大きな劇場の観客席はガラガラで、20人くらいしか人はいませんでした。

映画を観終わって…
劇場内が明るくなると、ピンと静まりかえった、息を呑むような感じがしました。そして数秒おいて、少し周りを気にしながら小声で「ヤバくなかった…」「すごかったよね…」とかチラホラ聞こえ始め、皆の席を立つ音がガサゴソと聞こえ始めました。

まるで何か口に出したらまずい神秘体験を皆で共有した後のような、独特な空気感というか、不思議な静寂が、上映終了後の数秒間、漂っていました。



映画の内容については、上の予告編を観たまんまです。
予告編のイメージ通りの地味で熱い内容でした。レビューサイトの評価が高いので、予告編の印象を超える、密かにすごい内容を期待していたのですが…
その期待はいつものように裏切られ、
自分が予告編で感じた枠内に収まった、そんな展開でした。

確かにガツンと来る内容で、きちんと胸にも響くし、
ぐるっと回って、良い意味で予告編通りの面白さだったのかもしれません。

原作やレビューを読んでなかった事も有り、
先入観は予告編だけです。
あまり予備知識がなかったせいか、
シッカリと映画単体の面白さを、正面から味わえました。

映画の大部分で音楽が流れていて、全てinstrumentalというか、 jazzという普段ほとんど聴いたことのない音楽で溢れていて、それが退屈でなくて、すごく感情が揺さぶられる形で使われていて、久々にエンドロールの音楽を短いとか感じました。

なんか、途中から、不思議な感覚で映画を観ていて…

時間感覚がズレている状態がフラフラと何度も発生しているというか、集中してドラマとか映画とか観てる時に発生する、後で見返すと、実際の倍くらいの長さの感覚で映像を観ていた事を追体験するゾーン状態、あれが頭の中でグラングランと常時発生して、それを追体験ではなく、リアルタイムで実感しながら観ているような、そんなヘンな感覚が有りました。

なんていうのでしょうか?

ドラマとか漫画とかで数十時間かけないと味わえない娯楽性…エンタテインメントを、仮に未来の世界で2時間に圧縮して、直接脳に流し込むような体験型の装置があるとして、それを利用した後の状態を、実体験したような、そんな凝縮された面白さでした。

DOLBY ATMOSの効果も、機能していたと思いますし、
久々に、映画館で映画観て、素直に良かったな、とか実感できる体験でした。

映画館で映画を観る行為は、
その映画が面白かろうが、面白くなかろうが、
時として、その体験自体に価値がある。

そう、それを私的に実感させてくれた、
とても良い映画体験でした。



映画の制作秘話


下は、spotifyのポッドキャストで公開されている、BLUE GIANTの原作者、映画の脚本家、映画の音楽を担当したJAZZピアニスト、の3名による対談です。


番組の冒頭の方で、ポッドキャストの出演者3人が、観客として聴いていた、とあるJAZZイベントの話が出てきます。そして、進行役の脚本家の男性が、そのイベントでは、ジャズクラブの関係者を含め、観客の皆が泣いていた事を熱く語り、どうして皆が泣いていたのだろうか?との質問に、ピアニストの女性が答えている部分があって…

私は、その話をポッドキャストで聴きながら、映画のとあるシーンを思い出して、すごくフに落ちました。

そのシーンでは、JAZZを聴いている人たちが、皆、涙を流していたので、なんか演出が過剰すぎないか?とか少し疑問だったのです。

でも、リアルは、映画よりも、よりドラマっぽいというか…
なんか、JAZZにはこういう泣きやすくなったり、イェイとか声をあげたくなったり、何かこう熱くて激しい感情を誘発される、そういうものが有るのかもしれない、素直にそう思えました。




BLUE GIANT プレイリスト


えーと、ブルージャイアント繋がりで、JAZZのplaylistも紹介しておきます。

こういう時こそ、AWAの出番ですね。
私は、JAZZはぜんぜんなので、他人頼りです。

AWAで「blue giant」で検索します。

個人の作った大量のplaylistが出てきました。
パラパラと試聴して、相性良さそうな下のplaylistを選びます。

この辺りは、やはり他のサブスクでは駄目なんですよね。
やはり、AWAじゃないと…





なぜ、JAZZは流行らないのか?


別に、BLUE GIANTの予習のために観たわけではないのですが、偶然少し前にyoutubeでレコメンドされ、以下の動画を観ました。

JAZZの不人気について、熱く解説している動画です。



色々と誤解受けそうで、きちんと上の動画を観てほしいのですが、
ザックリと要約すると…

同じ音楽を何度も繰り返し演奏することへの飽きを、JAZZの演奏家はアドリブというJAZZ特有の自分の演奏への気持ち良さばかり追求する姿勢で躱してきた。そしてそれを、30年も同じヒット曲を歌い続けるJPOPと比べながら、JAZZ のプレイヤーのダメな部分だと解説しています。そして、その関係者たちのビジネスに対する意識の足りない部分や、他にも色々と指摘しています。

たぶん異論は、たくさん出そうです。
私自身は、上記の動画観た後、興味深く感じて、フムフムとか高評価をクリックしていました。そして、BLUE GIANTを観てからは、JAZZに熱くなる人の気持ちも、素直に理解できました。


JAZZの未来


話は少し飛びますが…

つい少し前までは、娯楽小説といえば、戦国時代とか江戸時代を背景にした時代小説が主流でした。今は、ネット小説から広がった異世界を背景にした「なろう系」と呼ばれるライトノベルが主流です。JAZZ同様に、時代小説も、そのジャンルに興味のない人が増えているだけで、昔から興味のある人には、当然、今も人気があります。

JAZZが不人気で流行らない原因は、単に時の流れやその移り変わり、つまり色んなジャンルで繰り返されてきた「世代交代」の問題で、最初からJAZZを知らない人が増えているだけです。

BLUE GIANTを観て、JAZZに少し興味を持ち、
試しに、あれこれAWAのplaylistをチェックしてみたり、自分でもとりあえず JAZZのplaylistを作ってみたりもしました。

その過程で、思った以上にJAZZの選択肢が幅広いことを実感し、また、そこから実際に8曲のみ抜き出すという選び方をしてみて、いくつかの新たな気づきも出てきました。

たぶんもう既に、JAZZというのは、演奏や鑑賞のスタイル、その音楽を通しての感じ方や楽しみ方が、ポピュラーソングよりも、クラッシック音楽の方に近くなってきているのではないでしょうか?

下は、後日、日本でも始まる予定のApple純正のクラッシック音楽専用アプリのニュースです。こんな感じで、JAZZの専用アプリをAppleが作る日も、そう遠くない気がしています。

アップルは、クラシック音楽のために特別に設計した新アプリ「Apple Music Classical」を発表した。日本、中国、韓国、台湾を除いた、Apple Musicが提供されている全世界で利用可能で、アプリは3月28日に公開予定。日本を含む4カ国では、追って利用可能になる予定という。

利用にはApple Musicのサブスクリプション登録(個人、学生、ファミリー、Apple One)が必要で、Apple Music Voiceプランでは利用できない。対応デバイスはiOS 15.4以降を搭載したすべてのiPhoneで、Android向けアプリも近日公開予定。



それと、JAZZの音楽的な要素は、すでに何かしら色んなジャンルの音楽に吸収されていると思うので、そういう部分はいつまでも残ると思うし、不人気だとしても、ファンが爆発的に増えないだけで、今後も先細りながら、長く続いて行く気がします。

たぶん、全ての細分化されたジャンルは、融合され、コアなファンだけが主流とする音楽は細々と一部の人で繋いでいく。一つのジャンルで囲い込もうとするような感覚はナンセンスで、GMailのタグ管理みたいに、一つの音楽に色々なジャンル的な味わいが紐ついた音楽が主流になっていくのだと思います。

百年とか二百年もしたら、洋楽とか邦楽とかの国の垣根さえなくなるかもしれないし、そうなるとinstrumentalみたいな広いジャンルの呼ばれ方で普通に呼ばれると思います。JPOPなんかも「歌う曲」全般を、songとか一々ジャンル分けしない大きなジャンル名でザックリと呼ばれるようになるかもしれません。そういうジャンルフリーが当たり前の世界に、音楽はなるような気がしてますが、はたしてどうなんでしょう…


最後に


下は、私がJAZZっぽいと感じた曲で作った playlistです。

片方は、疾走感というか酩酊感というか、そういう気持ち良さで選んだもので、もう片方は、ただ単純に心地よさを求めて選んだものです。

タイプの違う2種類のplaylistですが、
それぞれに魅力を感じます


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