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【ユーザーインタビュー】重症児者だからこそ、障害に左右されないツール活用を目指して -済生会 みどりの里-

デジリハって実際どんな施設で、どんな風に使われているんだろう?そんな疑問の声にお応えして、デジリハユーザーを紹介していきます!今回は済生会小樽病院 重症心身障がい児(者)施設 みどりの里(https://www.saiseikai.or.jp/facilities/0129-0003/)さんです!今回は、発達障害児支援に関する執筆なども盛んに行っている、同施設 通所事業支援室 室長 小玉先生にお話を伺いました。

みどりの里さんについて教えてください

120床を有する重症心身障害児者の入所施設で、動ける方から医療的ケア度が高い方まで様々な方が利用されています。利用者様は成人されている方が多いのですが、最近は医療的ケア児の方の新たな入所もあり、全体的な重症度は徐々に上がってきています。

また、小樽ウェルネスタウン構想の一環としてスタートした済生会ビレッジという建物内に「きっずてらす」という児童発達支援事業所も開設し、幅広く活動を行っています。

なぜデジリハの導入を?

やはりタブレットとかモニターはお子さんの注意を引くのが難しいんですよね、お子さんが必ずしも画面を見ているとは限らないですし、視野内に他にも気になるものがたくさん見えてしまっている。その中で選択的に注意を向ける難しさがあると思います。私たちの利用者様のような障害が重度な方の場合は特にです。デジリハは一般的なスイッチのように押す力もいらないのでその人自身の障害に左右されない形で活用できるなと感じています。

さらにフィードバックを調整できるのもデジタルの強みですね。いわゆるアナログのツールも良いのですが、フィードバックのパターンが決まっていると、支援に関わる大人側の方が先に飽きてしまって、反応を引き出すリアクションも乏しくなってきてしまうので。

よく若手のセラピストの方々に「この介入ってどれくらい続けたら良いですか?」と聞かれることが多いんです。反応としては良くても、それが固定化してしまって次に発展させられない。一方でフィードバックの刺激が多様になることで、支援のステップアップにつながる一歩を見つけるきっかけになると思います。

イベントでも幅広く活用

みどりの里以外にも前述の「きっずてらす」でもイベントとして活用をしているのですが、意外にも1~2歳の年頃のお子様たちがよちよち歩いてきて目をキラキラさせてデジリハで遊び、親御さんたちを嬉しそうに振り返る、という様子をたくさん見ることが出来ました。
幼児期のお子さんって大人の付き添いがないと遊べないことが多いと思うのですが、子ども達だけで形成されるその空間がとても素敵だなと思いました。

デジリハ活用に向けての大事なポイント

様々な発展が考えられるデジリハですが、どういう使い方ができるんだろう?というのを常々利用者様と向き合いながら、「この人ならこういう使い方が出来そう!」というアレンジをしていかないといけないと思っています。アナログツールはある意味使い方が決まっているのですが、デジリハ含めデジタルツールは用途が幅広いので、支援者側にツールを支援に適応させるためのスキルが求められますね。

読んでいる方へメッセージをお願いします!

デジリハは一つのツールであり、それを使う側がどう使うかが大事だと考えています。デジリハという選択肢を持つことで、支援の幅を広げることはとても重要だと感じています。セラピストは、自分ができることでしか子どもたちに貢献することができません。多くの選択肢を持ちながら、それを子どもに合わせて使いこなす適応を考えることが重要ですが、それ以前にその選択肢を与えられていない子があまりにも多い。まずは、今ある選択肢を一つでも二つでも増やしていきましょう!そのために、デジリハは一つの幅広いツールになりえる可能性が高いと感じております。

デジリハとは:
デジタルアートとセンサーを活用したリハビリツールです。全国40カ所以上の医療機関や放課後等デイサービスなどで導入されています


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