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サイコーの戦闘機映画でした「トップガン マーヴェリック」感想

始めに(講読上の注意)

映画を観るのを楽しみにしている人に対して、厳に慎まなければならないのは「ネタバレ」である。

しかし、ネタバレしなければ書けないこともある…

てなわけで、ネタバレを書いた部分は、見出しに「ネタバレ」と書いています。ネタバレが嫌な方は、「ネタバレ」の付いていない見出しの部分だけをお読み下さい。

1986年の「トップガン」

1986年の「トップガン」は劇場で観た。アバンの航空母艦からF-14が飛び立つシーン。それまでの艦上戦闘機といえば青い空と海をバックに撮影された映像がほとんどの中で、トーンを落とした粒子の粗い画像で支援する艦上スタッフの働きを中心に描いていて、バックに流れる「デンジャー・ゾーン」に合わせたプロモーション映像みたいなオープニングにまずやられた。

ストーリー的には、反骨精神のある主人公の挫折(友人の死)と再生、クライマックスの戦いと帰還の王道パターンだったが、単純に面白く、またF-14が格好良かった。

この映画と「ファイナルカウントダウン」を観てトムキャット(F-14)ファンになった人も多かろう。

F-14の出ない「トップガン」なんて…

その続編なので、製作発表から期待していたが、残念ながら、この映画の主演とも言えるF-14が2006年にアメリカ海軍では全機退役している。そのため、登場する戦闘機はF-18になってしまった。(最新鋭のF-35Cにしなかったのは、米軍の許可が下りなかったのか?)

トム・クルーズは相変わらず若いが、「トップガン」にF-14が出ないのは、「仏作って魂入れず」である。もっと早く続編ができていれば、F-14の最後の花道になったろうに。

観る前の嘘感想

そのため、観る前にやけくそで書いた嘘の感想がこちらである。↓

「トップガン マーヴェリック」、トム・クルーズは若いし戦闘シーンも迫力があった。あと、ビーチバレーのシーンとか、カワサキのバイクと並行して飛び立つF-18とか、前作のオマージュもあって良かった。
なんと言っても盛り上がったのは、最後の戦いで、味方の機体が全て損傷して「飛べる戦闘機が無い」となった場面。デモ用に整備されていたF-14に主人公が乗って離陸し、「フェニックスミサイル全段発射!」で決着を付けたシーンは、「重戦機エルガイム」の最終回で、ダバ・マイロードがエルガイムマークIに乗り換えてバスターランチャーをぶちかましたシーンを思い出した。ここで、始めて流れる「デンジャー・ゾーン」に鳥肌が立った。
最後に、シリーズ前半の主人公機に乗り換える戦いは、熱い。
前半の「コレジャナイ」感は、ラストのクライマックスのためにあったのかと思わせる構成だった。やられました。

鑑賞前の2022/05/26(木)に書いた感想

いろいろ文句を言ってスマン(ネタバレ)

書いておきながら、「こんな胸熱展開は実際無理だろうが、曲がりなりにも『トップガン』の続編なら、それなりに面白い映画になっているだろう」と思っていた。

そんな中、公開2日目に観に行った「トップガン マーヴェリック」。観終わった後の感想だが、

本当にすみませんでした!

上に書いていることは、ほぼ実現されていた。(「デンジャー・ゾーン」はF-18が空母から発艦するアバンで普通に流れる)

ストーリーおさらい(ネタバレ)

アバンの後にSR-71みたいな極超音速機の試験飛行を行うマーベリック(トム・クルーズ)。命令を破ってマッハ10を超える速度を記録するものの、機体に無理が掛かり墜落してしまう。(通常、ここで死んでいる)

懲罰を覚悟していたマーベリックに下された命令は「トップガンへの教官としての復帰」。実は、某国(絶対にイラン。理由は後述)で核開発が進められており、3週間以内に山岳地帯に隠された基地を爆撃しないと「ならず者国家」が核兵器を手に入れてしまう。

爆撃を成功させるには、最新鋭のステルス戦闘機のF-35Cではなく、超低空飛行を行える戦闘爆撃機のF-18でなければならない。ここで、F-18をメイン機とした理由を回収。(垂直離着陸できるF-35Bなら可能かもしれないが)

でも、トップガンって「空中戦のプロ」が集まっているんじゃないの?爆撃が主任務なのは違くないか?と思ったが、その疑問はラストで回収される。

海軍のエースパイロットを集めて、対地攻撃訓練を行うマーベリック。マーベリックを侮る隊員を実力でねじ伏せて訓練は進む。隊員の中には、かつて事故で死なせてしまったグースの息子ルースターもおり、ある事からマーベリックを恨んでいる。

この辺の、訓練飛行のシーンは、さすが実機を使って撮影されているだけの迫力はある。IMAXで観ればよかった。

我の強い隊員達の結束を高めるために、ビーチバレー…ではなく、ビーチアメフトで親睦を図るマーベリック。当然ここで、アメリカンな音楽が流れてスローモーションになる。

結局、またも安全規則を守らない訓練を行ったことで教官をクビになるマーベリックだが、いろいろあって隊員として復帰し、核施設爆撃任務の飛行隊長に復帰する。絶対に脇に引かないトム・クルーズ。

出撃前に、かつての同僚でいまは海軍大将のキングマンを訪れるマーベリック。キングマンを演じるのは前作と同じヴァル・キルマーで、彼とその妻のメグ・ライアンだけが、トム・クルーズと並んで前作からの続投となる。つまり、俳優陣はあまり引き継がれていない。マーベリックの恋人も、前作のケリー・マクギリスではなく、ジャニファ・コネリーが演じる別人になっている。

遂に開始される作戦。マーベリックは、自分の僚機にグースの息子ルースターを指名する。出撃前に、半分和解する二人。

作戦は、いくつかの手違いがありながら、見事に成功する。この辺り30分ほど「スターウォーズ」(最初のやつ。「エピソード4」)のデススター爆撃シーンと同じような展開だが、観ていて身体に力が入ってこわばるほどの迫力があった。

イラン空軍のSu-57(実際には配備されているわけない)の迎撃を受ける味方機をかばって撃墜される(が生きている)マーベリックとルースター。

敵地で墜落したパイロットなど、捕虜になるぐらいしか生き残る道は無いと思わせたが、さすがトム・クルーズの映画。なんと、待避壕で攻撃を生き延びたイラン空軍のF-14を強奪して脱出しようとする。

(F-14はアメリカ以外で唯一イランが購入しており、現在でも実戦配備されている)

何の障害もなく強奪に成功し、燃えさかる滑走路から離陸するF-14。ここで、「デンジャー・ゾーン」が流れたら超胸熱だったが、残念ながらそういう展開はなし。

その後、追撃してきたSu-57と空中戦になり、ここで「トップガン」が空中戦(ドッグファイト)の技術を磨く部隊である設定を回収。

後は、いよいよ危なくなったときに「スターウォーズ」のハン・ソロ的パターンの助けが入り、無事に帰還して大団円。

サイコーでした

振り返ればハリウッドの王道パターンに沿った映画だったが、極力CGを使わない(らしい)戦闘機の飛行シーン等々、リアルで迫力があった。(でも、Su-57は完全にCGだよね?)

ストーリーにも適度に笑えるシーンもありながら、中だるみなく、2時間以上の上映時間があっという間だった。

これまで観てきた戦闘機が出てくる映画の中では、ダントツで面白かった。

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