ヒトは賢いからこそ間違いを犯す
こんにちは、おおとろ(@digiangler)です。
今日は、ベストセラー『ブラック・スワン』の「ヒトは賢いからこそ間違いを犯す」という逆説的なお話です。
『みにくいアヒルの子』ではありません(苦笑)
著者はこちら。
例えば、「白鳥はすべて白い」という通念があります。
しかし、それは通念であって真実ではありません。
現にオーストラリアで黒い白鳥が発見されて以来、そのような通念は意味を持たなくなりました。
このように、状況の変化や突然変異かなにかの理由で、たった1匹の「黒い白鳥」の登場するだけで、理屈や統計などといったものは、あっさりと崩壊します。
普段生活していると、こういう人間の予測の範疇を超えた不確実なことは頻繁に起こります。
だから「知性」なんてものも当てにならないし「思い込み」に過ぎないと、そういう話でした。
数年前から「統計学は最強だ」的な本が流行ったのですが、統計や確率もそうした不確実性(異常現象や突然変異など)は、あらかじめ排除した上で計算されています。
つまり、ブラック・スワン(黒い白鳥)の登場など、考えてないんですね。
通念には最初から欠陥が組み込まれている
話をこのまま(インターネット)ビジネス関連に移すと、SEOの通念にもこうした欠陥はよく見られます。
「タグをこうすれば検索結果が上がる・・・」とか
「このツールを入れておけば相互リンクが増えて・・・」とか
「キーワードはいくつ入れて・・・」とか
すでに結果は出ていますが、そういうのはたいていウソっぱちでした。
問題は、そういうものに囚われすぎることの害が大きいことです。
理屈にとらわれすぎると、もしその通りにならなったときに、対処が遅れたり(それならマシですけど)、最終的に修正が効かなくなることがあります。
というより、人間は問題が発生していることにすら気づかないものだと
著者は言います。
たいていは後付けでさも分かったように答えるだけで、現在進行形で起きていることに対しては「ヒトは何もわかってない」というのが著者の見解です。
以下はこの本でも重要なメッセージですが、
『ものごとは予測や理屈の領域の“外側”で起こりえる』
ということですね。
他にこういうことを言っています。
「わかったという幻想。世界は実感するよりずっと複雑(あるいはランダム)なのに、みんな何が起こっているか自分にはわかっていると思い込んでいる」
「わかっていることより“わからないこと”の方がずっと大事だ。黒い白鳥は予期されていないからこそ起こるし、だからこそ大変なのだ」
「私たちは学ばないということを私たちは学ばない、ということを自然とは学ばない」
・・・
なかなかおもしろいでしょ❓
もしよかったらご一読ください。
P.S.
著者のタレブが、経済、金融から、テクノロジー、人生、健康、そして愛まで、この不確実な世界で不確実性を飼いならし、したたかに生き延びるための唯一の考え方「反脆弱性」について語り尽くしています。
タレブが提示する「反脆い」という概念は、脆いの反対で、頑健というのとも違い、ストレスを与えれば与えるほど強くなる、という程度の意味です。
「反脆弱性」という言葉を知るだけでも十分価値のある一冊です。
最後まで、読んで頂きありがとうございました❗
それでは、また。
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