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酵素はたんぱく質です

プロテイン商品やサプリメント(ビタミンやミネラル系)は反対派ではありません。

但し、「酵素を飲んで健康に」の類は首をかしげます。

タイトルにもあるように、酵素はたんぱく質の一種です。
生体内で働いている酵素は消化管から分泌されます。
アミラーゼは口腔内から唾液として、リパーゼは膵臓から膵液として。

また、酵素は「基質特異性」と言って、「反応する相手は決まっている」という特徴があります。
例えば、アミラーゼは澱粉の分解。リパーゼは脂質の分解です。
それ以外ではなにも働きません。

また、たんぱく質は熱や酸により変性する特徴があります。
肉を焼けば色や硬さが変わります。卵をゆでたら固まってゆでたまごになります。これが熱変性です。
牛乳に酢を入れるとカッテージチーズが出来ます。これは酢による牛乳のたんぱく質であるカゼインの変性です。

瓶詰の酵素液を商品化するときに、酵素が死活しない温度帯で商品を作るとどうなるでしょうか。
様々な細菌やウィルスは85℃~95℃まで加熱することで死滅します。
温度の上昇が中途半端だと菌が繁殖してしまいます。
これは大量調理でもマニュアル化されている温度なので、大量に食事を作る場合や、HACCPに基づいた衛生管理下で商品を製造しているなら絶対に守らないといけない内容です。
商品を衛生的に作る為85℃~95℃まで加熱すると、もちろん酵素も死活してしまうでしょう。

たんぱく質は口から摂取すると、ペプチドとなりアミノ酸まで分解されます。酵素もたんぱく質なので、最終的にはアミノ酸になって再合成されるのです。

これは、酵素だけでなく「飲むコラーゲン」的な商品にも言えるでしょう。
人間のDNAを持っているからアミノ酸から人のたんぱく質が再合成されるのです。「飲むコラーゲン」のコラーゲンはまさか人間のコラーゲンではないでしょうし、やはりたんぱく質なのでアミノ酸にまで分解されます。

しっかり食事からたんぱく質を摂取すれば済む話ってこと。

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