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「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」 もー助けて(笑)あの二人組に前作よりもボロ泣かされた!!またしても傑作!!

先日、この映画を観てきました。

「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」

あらすじ等はこちら


この作品、前作の1作目「スパイダーマン スパイダーバース」


が大好きだったのですが、「2作目が出来る」と知った時は結構意外でした。「制作がめっちゃ大変」とインタビューかなんかで見かけたし。でも「大ヒットだったのでやることになったのかな~」と。

ただ1作目が凄かったんで、2作目の公開発表から「2作目も絶対に見逃せない!」と思っていて、タイミング良く、公開してわりとすぐに映画館に観に行くことができたのですが、これがもう

映画館でぼろ泣いてきた(笑)

そして翌日も思い出して

また泣いた(笑)

それくらい個人的に心に刺さってしまいまして、前作よりもさらにこのシリーズが大好きになりました!!

で、この作品について話そうとすると私はどうしてもラストに触れなければならない!ので、いつもの事ではありますが(笑)、ネタバレありでこの作品についてどこが良かったかを語ってみたいと思います!

※ここから先は思いっきりネタバレしてますので、結末を知りたくない方はご注意下さい。

(実写も出てきてほんとびっくりしたね)


このシリーズについて語るとなると、まず絵の話をしないわけにはいかないと思うのですが、絵関連で言うと

この1作目「スパイダーバース」って絵については、前作の時にはその表現の斬新さと情報量の多さに本当に衝撃を受けまくって。

この「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のレビューで書いたのですが、第1作を観て「これはアニメ作品も観ておかないと、もうついていけなくなっちゃう!」と危機感を感じて、アニメ作品もちょこちょこ観始めたくらい(最近全然観れてないけど)、クオリティの高さと表現としての面白さをまざまざと思い知らされた感じでした。

私はアニメは全然詳しくないので、「スパイダーバース」についてはなんか「今まで観たアニメと次元が違う情報量」と感じたぐらいです。とはいえ、それゆえに物語になるとちょっと物足りなくなるというか、絵が刺激が強くてカッコよい分、物語とのバランスはどうしてもアンバランスなところも否めなかったと思います。

ところが、今作はさらに凄いことになっていて、個人的に本当に驚いたのが前作よりも

絵や情報がこなれて見える

と同時に

絵で物語を語る力があがっている!

特にグウェンパート、モラレスパート、ザ・スポットなど、パート毎と絵の質感が全部違うんです。あ、マルチバースだから世界かな?
前作はここまでじゃなかったと思う。自分じゃ気づかなかっただけかもですが、前回はキャラクターの描き分けぐらいは気が付いたけど、今回は世界ごとに絵の質感が違うことがとても強調されているように見えました。(グウェン世界の超絶きれいなことよ!最高。)

そのことで「完全に表現の段階が上がってる」と思いました。世界観の描き分けと共に、心理描写まで絵が完全に入り込んできていて「凄すぎる」と思いました。

しかも、1作目で受けた刺激と教育のおかげか(笑)、2作目の方が情報量も手間も断然に増えていると思うのですが、受け手も結構すんなり受け入れちゃうような感じになってると思うんです。

もちろん、この表現に引っかかる人は引っかかると思うのですが、それは前作も同じだし、もうそういう人は

ついてこなくて結構!観てくれなくて結構です!

って言われているみたいな気分になりました(笑)。凄いですね、これ全世界でのめっちゃ大ヒット作なのに、全然観客に迎合していない。こう書くと

今年に観た映画「スラムダンク」とちょっと被るところもあると思うのですが、こちらもよかったけど、個人的には表現は断然「アクロス〜」の方が好みでした。後にも書きますが、絵以外のところもすごく良く作ってあるのも理由だと思います。

あと個人的に面白かったのが

インドパートがある!インドってことはお分かりですね!

「RRR」ですよね!

私はめっちゃ「RRR」を思い出しました(笑)。なんていうか、破天荒なところとか面白さとかテンションの高さとか確かに近い(笑)。このスパイダーマン・インディアが超陽気なところも好きでした。ムンバッタン。笑っちゃった(笑)。インド系の方たちも喜んでいるかと。

てな感じで、絵がこれだけ超パワーアップしてきてくると、重要になってくるのが、

ストーリーと演出面

特に私が気になったのが「声の演技がめちゃめちゃ大事になるな~」ってところだったのですが、今作を観て改めて思ったのが、

メインキャラ3人の声が最高すぎる!!

前作から思ってたんですけど、この三人の声が個人的にすっごく良いんですよね~。特に

このモラレスの声が最高なんです!!このシャメイク・ムーアの声と演技がね、個人的にすっごくいい!!絵柄ともピッタリだし、「彼を主役にした時点でこの作品は成功が約束されていたのか」って感じるくらいでした。
モラレスは今回15歳の設定ですが、ちょっとだけ高めの声なんだけど、根底に明るさがあって、その歳らしいまっすぐな感じも凄く出ていて。声だけど「演技上手いな〜」と。今作は前作よりトーンが落ち着いているし、今回モラレスの成長がちゃんと声でも感じられて、

彼の「im home」ってセリフが凄く胸にきちゃって。ストーリーもおかげもあるのですが。

マイルスって黒人(とプエルトリコ系のミックス)の少年なので、以前「ピーター・パーカーに彼を!」と運動まであった(笑)ドナルド・グローヴァーじゃなくて意外だったけど(カメオで出てたけど笑)、ほんとシャメイクで大正解だったと思います。彼の演技最高です!

(シャメイクってこの「DOPE」の主演の子でした!作品選びがめちゃいいと思う!)

グウェンの声も、ヘイリー・スタインフィールドはもう何をやらせても完璧で、マーベルも、トランスフォーマーも、そして今作もこなすというハイパー活躍ぶりなんですけど、今作はグウェンは結構悲しいシーンが多くて。ちょっとかすれたような声でのグウェンの繊細な面もちゃんと声でも表現できていて「お見事すぎる」と思います。

で、ピーター・パーカーも、今作では登場が少なかったけど「意図的なのかな~」と。でも、自分でも驚いたんですけど、今シリーズだとピーターって主役交代されたみたいな印象だけど、彼の声を聴くとなんかホッとするというか。ジェイク・ジョンソンといえば、海外ドラマ「New Girl」しかうかばないんですけど(笑)、「声がこんなにいい役者さんだったんだ」と改めて今作で思いました。

もちろんこれだけ世界的大ヒットの作品なので、声優チョイスも人気俳優を入れて超気合い入ってる!のですが、書ききれないので(笑)。特に大好きです、この三人の声。なので、公開自体は吹替版の方が規模が大きめな気がするのですが、できれば洋画を観慣れている人は「字幕版でも観てもらえたらな~」と思います。日本の吹替もすごく良いみたいなので、観れたら観比べてみたいです!

というわけで、私が一番に刺さりました脚本の話に入りますと、

私にとってはクリス・ミラー&フィル・ロードはもはや稀代の巨匠なんです!!!(以下、クリスとフィルと称します)


彼らが制作したアニメ映画「ミッチェル家とマシンの反乱」のレビューを昨年にスーパー熱く書いてしまったのですが(笑)、彼ら二人が作る作品がもう個人的に最高の連続なんです!

「21ジャンプストリート」「くもりときどきミートボール」「LEGO(R) ムービー」「ミッチェル家〜」そして「スパイダーバース」シリーズ。分かる~、クセありますよね(笑)。でも私、毎回すっごい笑わせてもらって、大泣きさせられてて(笑)。私の中では毎回外れがなく、もう全部大好きです!!今、一番好きな映像制作者かも。

最近はこの二人、制作だけのクレジットのこともありますが、どの作品もテイストが一緒なので、作品にかなりフィルとクリスのクリエイティブが入っていると思います。そして、それを一番感じるのはやっぱり脚本です。

で、今作は「またかよ!」って思われちゃうかもしれないけど、また親目線が多分に入っちゃって、めっちゃ泣いちゃってさ~(笑)。ほんとシアターでガン泣きしました。

マイルスはブルックリンの子だけど、たぶん世界共通だと思うけど、

マイルスって優秀な男の子で、親もわりと教育に熱心。もちろん子を思っての事ではあるけれど、どうしても優秀な子に課せられるタスクというか日々のやらなきゃいけない事が多い。
その上スパイダーマンまでやらなきゃいけないんだから、日々の重圧を結構感じるんですよ。この年頃ってただでさえ、生きてるだけで重圧なのに。

で、マイルスが両親と一緒に学校の面談をするシーンとかあるんだけど、悪党にサクサク対応しながら、面談に遅れたり、成績悪いところがあると親に怒られるとかね。すっげー忙しくて大変なのに。

で、優秀でちゃんと自分なりに将来の事を真剣に考えてて、行きたい大学もあるんだけど、「は?近くの大学行けばいーじゃん」とか母に言われてしまって。私も絶対言っちゃいそう~。子供の言う事には絶対一回は反対しちゃう母。もー分かる。心配だし、愛からなんだけど。もちろん親も大変ですよ!父は警察官、母は看護師。育てるのは必死だったと思います。

マイルスがスパイダーマンとして警察官の父と会話する場面の気の使い方や、自身がスパイダーマンとしての重圧に悩んで母親に話したいのに話せない葛藤。

大好きなグウェンと再会できたのに訪れるすれ違い。15歳のマイルスにかかる背景や話の流れが、「現代の世界中にいる少年の苦労や気持ちを代弁しているのではないかな」と思って。

スパイダーマンとしての孤独と今の男の子の孤独のシンクロ感が個人的に凄く感じられてしまいました。うちの息子もたぶんあっという間にそういう歳になっちゃうと思うので(笑)、親としてね~、マイルスの苦悩がハッとするようで。そこに

あらゆるマルチバースから終結したスパイダーマンに異分子とみなされて攻撃されるけど、そこでさっきも書いたけど「im goin’ home」というマイルスのセリフに号泣してしまいまして。サントラでも出てきますよ!

あーもう語ることありすぎて、すでに長すぎだから詳しくは書けないけど(笑)、サントラもほんと良いの!!メトロブーミン頑張った!!全曲洒落てて、マイルスとの背景や心情ともピッタリ!ここも前作より良かったです。凄く聴きやすい曲ばかりで、毎日聴いてます♪(メトロー!って言い過ぎだけど笑)

クリスとフィルの作品って、どれもすごくくだらなかったりして笑えるけど、根底に人としての忘れちゃいけない温かさとかがあって、やっぱり私はそこが凄く刺さってしまうんですよね。私はいつも大笑いするとともにめっちゃ泣いてまして。「レゴムービー」でも泣いたもん(笑)。これは好みですけど。「このコンビの作品はもう絶対にどの作品も見逃したくないな!」と。

と、今作に話を戻しますと、だから次作で最重要なのはやっぱり「脚本じゃない??」と。今作のラスト、

闇落ちじゃん!!

「闇落ちした自分と対峙する」っていう変則的な形ではありますが。最近、私は闇落ちの話が苦手で(笑)。ダークサイドに落ちる話っていっぱいありますけど、どれもラストに決着をつけるのが難しい気がして、特に現代は。死ぬか、また本来の自分を取り戻すか、落ちたままか。結構パターンも限界もありますし、今って描き方にすごく気を遣わなければならないような世の中だし。

でも、クリス&フィルのことだからこの限界を、ハートで限界突破してくれると信じて!次作を本当に楽しみにしたいと思います!これは

個人的に「ST5」並みに楽しみにしているよ!どちらも2024年、来年公開ですね!激アツすぎる!ダファー兄弟も私の中ではクリス&フィルに近いかな。ミラクル連発してる2大コンビなので、頂上決戦じゃないけど(笑)。クリス&フィルもダファー兄弟も、年頃が私と近いこともあり、世界にどういうメッセージをうち出してくるか。来年が今からめーーーーちゃ楽しみです!!

気になった方はぜひ観てみてください♪

おまけ

私と「RRR」との出会いはクリストファー・ミラーのおすすめTwitterだったんですよ。マジで感謝してる(笑)。

個人的にはマイルスには同世代の友達が必要だと思うな。グウェンは恋愛対象になってしまうとなかなか難しい。ピーターは師匠だし。インディア、明るくていいんじゃないだろうか?

おまけ2

サントラで一番好きな曲これ!!めっちゃいい曲!!やっぱりシングルリリースされてました!

おまけ3

クリスとフィルが制作した「コカインベア」は9月に公開が決まった!観に行くー!!(笑)

おまけ4

スパイダーパンク、嫌いな人いないでしょ!(笑)

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