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TXT「minisode 2: Thursday's Child」はロックとポップに振り切った勢いと意欲溢れる怪物作♪

先日リリースされたこの新アルバムばっかり聴いてます。

TOMORROW_X_TOGETHER「minisode 2: Thursday's Child」

K-POPの人気男性グループ、TOMORROW_X_TOGETHER(以降、TXT)の新アルバムです。

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私は一昨年にBTSからの流れで彼らの曲にハマって、今回の新アルバムも楽しみにしていました!がっつりとした新譜はおよそ1年ぶりですよね。十分なサイクルですけど、K-POPはリリース多いので、これでも「ちょっと間空いてたな」くらいに感じる自分が怖い(笑)

以前にも

こんな感じで彼らの曲のレビューを書かせてもらってきましたが、

この音楽プロデューサーについてのブログでも書いたとおり、私はTXTの5人はもちろん、

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彼らの曲の全面PDを務めているSlow rabbitのファンでもあります。彼一人で作曲やアレンジ全てをしているわけではありませんが、今作のトラックリストのクレジットを見る限りでは

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恐らく彼の意向やクリエイティブが最も反映されていると言っていいのではないでしょうか。特に今回のアルバムは前作よりもPDに名を挙げていますね。
TXTってどの曲にも共通するようなメロディというか感覚があって、たぶんそれはこのSlow rabbitが制作なのも大きいのではないかと。とにかく曲のセンスが好みで、このクレジットを観ただけでもほんと楽しみでした。

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というわけで、K-POPのティーザー文化に振り回されながら(笑)、早速リリースされた新譜を聴いてみましたが、もう

また振り切りましたね!!!

以前から顕著だったロック方面はもちろん、ここ最近の洋楽ポップやインディ系の流れまで抑えた曲の数々が見事です。
それに加えてTXT自体の表現力も成長と共に上がってる感じがして、「これはまた良きもの出してきたなー!」ということで、全曲良かったので1曲1曲のレビューを書いてみたいと思います。

というわけで、早速!

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(この衣装、大変にハードなことになったな笑)

「Opening Sequence」


1曲目は「Opening Sequence」。この曲が「今までのTXTの流れに一番沿った曲かな」と最初聴いた時は感じたんですけど。


私はこの「Cant You See Me」あたりが浮かんだんですけど、この時よりも編曲がもっとダークっていうか、ドラマチックに重くなってますね。
数回聴いて、Twitterでフォローさせてもらっている方からの感想でも「あ、そうか」と気づいたんですけど、恐らく

The Weekndの曲あたりが影響大きいんじゃないかと思いました。R&B要素がある曲だし、イントロやBメロとかに裏声のキレイなパートがあって、以前もあったけどもっと強調されるような。以前はもっとダークな曲も軽くポップな音を入れたりしたアレンジが強めだったところが、音がきれいにかつ重く聴こえるようにちょっと音数抑えられてるような。だいぶ最近洋楽チャートあたりで聴くようなR&Bアレンジにいってる印象。低めの音を使ってハードさを出したりしています。大人になったような印象もつけられてますね。

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意外だったんですけど、この曲結構テヒョンが高音含めリードしているような感じで、前作ではロック味のボーカルが気になった存在だったので面白かったです。けど彼が歌うとやっぱりちょっとロック感が入りますね。

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あとスビンも高音がきれいですね。丁寧に歌う持ち味が活かされてる感じがしました。

「Good Boy Gone Bad」

そして今回のシングルになったこの曲ですよね~。この曲カッコいいんですけど、本当に面白いんですよ!面白いっていうのは私的に最高の褒め言葉です!たぶんk-pop側から聴いても、ロック側から聴いても、昨今の音楽トレンドの側から聴いても面白いし、凄く考えられてるところと勢いに任せてるところのバランスがよくて。
まずもって、TXTって数年前から段階を置いてロックにどんどん寄ってきてたのが明らかだったんですけど、

ここまで振り切ったのか!

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と最初聴いてびっくりしました。前作はもっとインディロックやエモロックと言ってもk-pop の本流じゃないし軽めのような雰囲気でしたけど、この曲はなんなら軽くニューメタルというか、エモといっても思い浮かんだのは

この曲でした。まさかTXTを聴いてリンキンが頭に浮かぶとは思ってなかった(笑)もちろんそのままやってるわけじゃなくて、そこにちゃんと今までのTXTのポップネスがあるからさらに聴きやすくていい曲になってて、そこが凄い面白くて。

普通こういうことしようとすると、どっちにも中途半端になってダサい感じになっちゃったり、逆に理解できない曲になっちゃったりするリスクもあると思うんですけど、絶妙にそこが培われてきたTXTの対応力とslow rabbitのメロディの良さでいい曲になってるので凄いな、と。
テンションがとても高い曲だし勢いで作りかねさそうなところが、ちゃんとヨンジュンのラップパートとAメロがシンクロしたり。よく考えられた造りで、これも狙いすぎると面白くなりすぎちゃうところが行きすぎずで、ここでまた制作陣のセンスが問われるところですけど、そこはやっぱり信頼感がありますね。

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MVを観るとゴミに埋もれるボムギュから始まって面白かったですけど(笑)、ボムギュの囁きも堂に入ってきた感じですね。ダンスの振付もカッコよかったですね!ロック曲に振り付けるって大変だと思うんですけど、ちゃんとカッコよく仕上げてくるのは凄いですね。っていうかむしろ「振付無で自由に歌わせてみてもいいんじゃ?」って思うくらいの曲調なのですが。
でMV観て気づいたのが、この曲は

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ヒュニンカイが結構前に立っているというか、前作ではそこまでロック面には気づいてなかったんですけど、この曲ではかなり頑張って歌っている印象でした。もっとポップよりな感じが好みなのかな、と思ってたんですけどこういうハードな曲も意外と合ってると思います!ロックに目覚めたのか、この曲が自分の波長に合うところがあったのかな。これは私が最近TXTに限らず、特にk-pop は高音域より中音から低音域の声に気がいくようになったからかもしれません。あとヨンジュンはほんと万能ですね。彼については後の彼メインの曲で触れようと思います。

シングルでこれをきってきたのは、今までのTXTファンやk-pop そのもののファンの方からはちょっと違和感あったりするかもしれないですが、思い切ってきたところも私は良かったんじゃないかな、と思います。

「Trust Fund Boy」

2曲目とは打って変わって、この曲はバラードですね。これは聴いて

最近だとOlivia Rodrigoの「Traitor」とかあたりの曲が浮かびました。

これ編曲がほんとそれっぽく作ってあって凄く驚いた曲です!

曲自体はそこまで変わったことはないんですけど、めっちゃいい曲なんですよね!ちょっと感動してしまいました。オープニングの軽く入るコーラスとかまさにOliviaの曲やインディロック系に聴こえるような感覚の処理で。エコーの感じとか。こういうコーラスってK-popではあんまり聴いたことなかったので「そこまで取り入れる!?」と。歌い方も工夫していると思います。こういうバラードでもインディロック感を感じるとは。ファルセットのところとか凄く良くて。「こうしたいな」って思って実際できるかってまた別問題ですから、できるのほんと凄いですよ(笑)。ここらへんはk-pop、TXTの力量に改めて驚きました。このアルバムのベスト曲は私はこの曲です♪

「Lonley Boy」

今回初めて5人体制からユニットとして2名と3名に分かれて曲を出してきたみたいなのですが、この曲はヨンジュンとヒュニンカイの組み合わせの曲で、エモラップ感が強いアコースティックアレンジの曲。ラップ部分はヨンジュンが、サビの歌パートがヒュニンカイですね。エモラップ系の曲ってちょっと前までほんと洋楽チャートに溢れてて、K-POPも影響を受けて当然だと思うんですけど、その中でもこの曲はいい曲だと素直に感じました。ヒュニンカイのサビのメロディもいいメロディだし。

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あとはやっぱりヨンジュンの表現力が光りますね。思いっきりやりたかったんじゃないかな、と思います。この曲はBTSのSUGAとよく曲を作っている印象のEL CAPITXNの感じが出てるかなと思いました。

「Thursday‘s Child Has Far To Go」

ラストのこの曲はボムギュ、スビン、テヒョンの3人での曲。この曲が一番インディロックっぽいというか、前作や前々作で聴いたようなロック感の流れを汲んだ曲だと思います。この曲の曲調やアレンジは今洋楽チャートで連続1位だった


ハリー・スタイルズの「as it was」や


あと先にも出たthe Weekndの「Blinding lights」

昨年の大ヒット曲、thd kid laroiの「STAY」とかに感じられるような旬のアレンジ。A-Haの「Take on Me」系で80sシンセポップロック風な雰囲気が今旬な感じな曲だと思います。コーラスの感じも今までのTXTらしく、3人の歌のバランスも良いですよね。等身大の雰囲気だし、これまでのTXTが好きだったファンもすんなり聴ける1曲なのではないでしょうか。もうこういうロック曲は全く違和感ないどころか、最後までいい曲で締めてきましたね。

というわけで、トータル的に

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もはや私はTXTはあんまりk-popとして聴いてなくて。本当に日頃接する洋楽ポップやロックを聴いてるような感覚です。もともと洋楽チャートの流れでBTSからk-pop に入ったからそういう聴き方になりがちなんですけど、TXTは以前から凄く馴染みやすい印象がありましたが、今回の作品で「自分達の表現やメロディをどうk-popに落とし込むか」っていう考え方で制作してるんじゃないかな、っていう予測がより確信に変わってきました。これはslow rabbitやTXTが所属するHYBEがそういうカラーなのかな、と。もちろんただ流行りを真似するだけでは無く、オリジナルでいい物を作ろうとする気概が凄く感じられます。普通に洋楽チャートで耳にしても、本当にユニークな存在だと思います。メロディやアレンジにこだわりとか聴こえるんですよね。上手く言葉にはできないのですが。TXTとずっと一緒に作ってきてるslow rabbitをはじめとする制作側もどんどん意欲的にジャンルの幅を広げつつ、良い曲を作りたいという感じがして本当に面白いですね。「slow rabbitのセンスが爆発してんな!」って感じました。天才域に突入です♪

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しばらくはこの作品をもっと聴き込んでいこうと思います♪

おまけ

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「こんな聴き方で面白いのか?」とか「誰誰がカッコいいとか無いのか?」とかいうお声もあって当然かと。すみません(笑)

おまけ2

イギリスの老舗ロックメディアで最近はk-popの話題めちゃくちゃ多いNMEはこのアルバムに5つ星。大好きが止まらないな(笑)


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