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ゲーム屋人生へのレクイエム 最終話

会社をクビになってゲームクリエーターを辞めて最終話になったころのおはなし

「ほぼ半年もはなしに付き合ったんですよ。その答えが入社試験を受けるってあり得ないじゃないですか!?」

「ほお。じゃあ逆に聞くけど、それ以外にどうすればゲームクリエーターになれるんだい?フリーのゲームクリエーターもいるけど、どうすれば一人でも食っていけるクリエーターになれるの?」

「そ、それは・・・えっと・・・」

「ゲームクリエーターになりたいって思うだけじゃなれないよね。まずはどこかのゲーム会社に入社することだよ。入社したからといってゲームクリエーターになれるものではないぞ。入社はスタート地点に立ったところだ。そこから先は自分次第だよ」

「どうすれば入社できるんですか?」

「それはたくさんの入社希望者の中から自分を選んでもらえるようにすればいい。目立つことだよ。ほかの入社希望者とは違うということを認めてもらえばいいんだ。

ところでゲームクリエーターとひとことで言っても様々な職種があるけどタローは何がやりたいの?」

「え、えっと・・・」

「まだわからないみたいだね。まずはそこからだよ。自分が好きなことは得意だ。得意なものはいい結果が出せる。自分が何が好きなのかをよく考えてみる事だよ」

「そうだぞタロー。ゲームを遊ぶのは好きだろうけど、それを仕事にはできないぞ」

「おお!お父さんじゃないですか。お久しぶりです。今回は最終話だから登場したんですね」

「ええ。登場しないとこのまま終わっちゃいそうなので自分から出てきました」

「3人での会話は書くのが面倒だけど最終話だから大目に見ましょう。

それでだ。タローはまだ自分が何が好きかわからない。だったらなんでもやってみることだよ。ゲームには関係なさそうなことでもいい、なんでもやってみるんだ。無駄な経験なんて無いんだからね」

「すみません。タローのお父さんです。発言してもいいですか?」

「名乗らないとわかりづらい進行ですが、どうぞ」

「無駄な経験は無いって本当です?」

「本当ですよ。無駄だったとわかっただけでも得るものはあるでしょ。そしてその無駄なことをもう一度やろうとは思わないでしょ」

「ああ、なるほど。そうですねえ。何でも考えようですねえ。へえ。いい勉強になった」

「それでだ。タローはこれから自分を探すんだよ。自分が本当にやりたいことが何なのか探すんだ。

今はゲームクリエーターになりたいって思っているけど、ひょっとしたらもっと興味のある仕事が見つかるかもしれない。それならそれでいいじゃないか。

まわりから何と思われようと気にしなくていい。自分がやっていることは自分にしかわからないんだって信じるんだよ」

「わかりました!じゃあ何が好きかを見つけるためにゲームを遊びます!」

「お、おう。ま、いっか。じゃあ俺も一緒に遊ぶとするか。どうですかお父さんも一緒に」

「いいんですか。タローとゲームするなんて久しぶりだよ。嬉しくて涙が出てきたよ。ウルウル」

「じゃあゲームスタート!」

おしまい


読者の皆様

つまらない長話にお付き合いいただきありがとうございました。
ここまで続けられたのも読者の皆様の応援の賜物です。ありがとうございました。

白黒ええよんさん

白黒ええよんさんには言葉にできないほどの感謝で胸が一杯です。毎回見出し画像を使わせていただき、そして50話、100話の際にはわざわざイラストを書き下ろしていただき本当にありがとうございました。日々応援いただき大変励みになりました!

心から皆様のご支援とご愛顧に感謝です!

錦明竹

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