見出し画像

「教育DX」の最前線。アメリカ出身・英語教育コンサルタントがつくる理想の授業とは。

2022年8月現在、デジタルハリウッド大学(DHU)の一部の科目では、オフライン(対面)とオンラインを組み合わせた「ハイブリッド型」授業や、どちらで出席するかを選べる「ハイフレックス型」授業を行っています。

コロナ禍から始まったハイブリッド・ハイフレックス授業ですが、DHUのテクノロジーに関する知見を活かして従来以上のクオリティを目指し、授業環境の改善(=教育DX)を続けています。

▼過去記事より(「キャリアデザイン」のハイブリッド授業)

YouTuberの配信を見て、授業のやり方を研究している」と話すのは、英語科目を担当するマイケル・リンゲン先生です。マイケル先生のハイフレックス型授業は、オンラインとオフラインでの違いが感じられないのが魅力。家で受講していても、先生やほかの学生がまるで隣にいるかのような授業です。

▲教室内にカメラ・モニター・マイクが複数設置されていることで、オンラインで参加しても教室にいるかのような臨場感がある

自身の会社ではハーバード大学の入学者を輩出する学習塾の運営も行っているマイケル先生。今回のnoteでは、そんなマイケル先生によるハイフレックス型授業とその工夫、先生がDHUで教えている理由について伺います。

マイケル・リンゲン
デジタルハリウッド大学教授。株式会社ALPHA Frontiers代表取締役。日本で10年以上におよび、企業、大学、リサーチ機関、テレビ番組、中学高校等、幅広い環境で英語指導や英語教育コンサルタントを行う。シアトル出身。

https://www.dhw.ac.jp/feature/teacher/michael/

会社の売上を授業環境へ投資

——マイケル先生がハイブリッド型もしくはハイフレックス型の授業を行ううえで、意識していることを教えてください。

家にいる学生も教室にいる学生も、みんなが同じ場にいる、一体感が得られような環境作りを目指しています。

カメラを複数台設置してオンラインの学生ともちゃんと目が合うようにしたり、画面共有や切り替えがスムーズに行えるよう特殊なツールを入れたり。正直、工夫した点をあげればキリがありません。

▲マイケル先生が見つめる画面には学生の顔。オンラインでも先生と学生の目が合うように、視線上にカメラが設置されている

——たしかに、機材が充実している印象を受けます。

自分の会社の売上を、授業で使う機材に投資しているからかもしれませんね。私は教育環境や教育システムを改善していくことに興味があるので、さまざまな試みを行っているんです。ツールの活用もその一環。私が得た知見や作った環境を、DHU全体で活かせるようにしたいと考えています。

▲学生のすぐ近くにカメラとモニターが設置されており、教室にいる学生と家にいる学生が自然にコミュニケーションをとれる環境を実現

YouTuberから考える「理想の授業」


ただ本当は、ツールや機材の存在を意識せずに済むような授業を作りたいと思っているんです。

——どういうことでしょうか?

最近、私は授業の作り方をYouTubeのゲーム実況者など配信者から学んでいて、彼らの配信が理想だと考えています。

注意深く見ていると分かるのですが、彼らはいい機材を複数使っていることも多い。たくさんのカメラ、高性能のマイクや専門的なツール。ただ、配信を見ているとそんな機材にまったく注意が向きません。なぜなら、彼らの配信そのものがおもしろいから。

彼らの興奮や集中が画面越しに伝わってきて目が離せなくなり、機材なんか気にならないんです。興奮や集中を伝えているのは紛れもなくツールですが、それが目立たないように配信環境が整理されているんだと、YouTuberを研究するなかで気づきました。

多くの視聴者を長時間惹きつけるYouTuberから学ぶことは本当に多いです。彼らから得た知見を授業のなかでもたくさん活用していますが、現状はまだ理想ではありません。これからも研究を続け、授業環境の整備を続けていきます。

DHUは「おもしろそうだった」

——マイケル先生はDHUに入られる前から、経営者および教授として、大学での指導やテレビ出演を行っていたと聞きます。そんなマイケル先生がなぜDHUで教員に?

シンプルに、おもしろそうだったからです。

DHUに誘ってもらったのは十数年前。DHUが英語科目の指導に力を入れようと取り組み始めた頃でした。

当時のDHUは、英語指導のシステム等が整っていない状態で、私は以前からより良い教育システムを作ることに興味があった事もあり、希望が一致していました。

DHU自体、おもしろい学校じゃないですか。在籍する学生もそうだし、大学の姿勢も柔軟。私は座学で教えるだけの授業ではなく、学生が主体的に学んでいけるアクティブな授業をやりたいと思っていたので、DHUにはそれを実現できる環境があると感じました。

クリエイターを目指す学生が集まるのもDHUに参加を決めた理由のひとつですね。私自身、音楽やアニメを作ることもあるので、そんな学生と交流できるのは単純に楽しそうだと思ったんです。

——実際に授業を受け持ってみて、DHUの学生の印象はいかがですか?

クリエイティブな学生が多いと思います。私は東大やハーバード大に行くような高校生にも授業をしていますが、その子たちに教える楽しさとはまた異なる楽しさを感じます。

東大に行く人に多いのは「テストで正確に答えられる人」ですが、DHUには「自分だけのテストを作れる人」が多いなと。0から1を作る能力、疑問を見つけ深める能力、自分の好きを追求して新しいものを世に生み出す能力が高い。内に秘めるエネルギーが多くて、座学だけの授業だと楽しめない学生がDHUには多いように感じます。

その一方で、自分の好きなことをプレゼンしたり表現したりする授業には積極的に参加してくれるし、結果的に英語力も伸びていく。好きなことに向かうエネルギーが凄くて、個性的で魅力的な学生が多い。そういう学生と一緒に授業できることがとても楽しいです。

▲授業は「英語自体を教える」より「英語を使って表現する」ことに重きが置かれる。クイズに回答したり、プレゼンしたり、海外のツールを使用したりするなかで英語力を身につけていく

「私」という「主語」を深めよう

——学生、そして英語教育にかける思いが伝わります。

クリエイターが好きですから。クリエイティブ業界で名を上げていけば、いつか必ず英語圏につながって英語が必要になるので、教えがいもあります。

ただ、本当に正直にいえば、英語なんてどうでもいいとも思っています。

——なぜですか?

英語は特定の場所で使われるひとつの言語でしかないから。自分の考えや表現を伝えて広げるためのツールでしかないからです。

英語は二の次でいいから、「私」という「主語」が何をしたいのかを深めてほしい。私が何を伝えたいか、何を手に入れたいのか、何が好きで何が嫌いか、何を成し遂げたいのか、何を作りたいのか。その目的のために英語が必要だと思ったなら真剣に取り組んでくれたらいい。だから、授業では英語を教えつつ「私=主語」を見つめていく作業を一緒に行っています。

ちなみに「私=マイケル」は、教育システムをより良いものにしていきたいと考えている。だから機材に投資してハイブリッド型授業の環境を整え、アクティブ・ラーニングを実践して、DHUで教え続けています。

——ありがとうございました!

DHUの英語授業の特徴は「アクティブ」。どのクラスでもグループワークが実施され、英語でのプレゼン発表などを行っています。また、映像やSNSなどを使うDHUならではの授業も魅力的。アクティブに動きながら英語を学ぶので、楽しみながら語学力を身につけられます。

DHUの英語科目や海外で活躍するクリエイターを目指す方は、オープンキャンパスや説明会にぜひご参加ください!

▼マイケル・リンゲン教授プロフィール

▼OPEN CAMPUS GUIDE

▼Twitter

▼YouTube

▼Voicy


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?