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社会人

この年になり常々思う。
もっと若い時期にはっきりと物事を話せるような話し方を身につけたかった。
しっかりした自覚を持ち、将来どうなりたいのかなど考えられるように本をたくさん読んで知識や見分を広げていればよかったと強く感じることがある。

もちろん今からでも遅くは無いので、悪あがき程度に片っ端から仕事がらみの本を興味のある順に読んでいるが、でももう少しいろいろ気づくのが早かったらなと感じる。

歯科衛生士は私の経験上、基本的に歯科医院で勤務をすることが多く、勤務以前に社会のモラルやマナーを学ぶ機会は少ないと感じている。
もちろん、バイトをしていたり、社会について本を読んだりして個々に身についている方もいるが、私の経験上そんなに多くないように感じる。
それは歯科衛生士に限らず、歯科助手、歯科医師も例外ではないと思っている。

日々、歯科医師や衛生士、助手と色々な歯科関係者と接する機会が多いため特に個人的に感じるし、現に本人たちからの要望としても意見を頂いているから余計感じるのかもしれない。
まだ衛生士学校を卒業したての頃はまだまだ気持ちも学生で、下っ足らずな言葉遣いと行動で周りの「大人」たちを困らせていたに違いない。
けれど実はそんな風にしかふるまうことを知らない自分を恥じていた。
単純に「大人」じゃない。
見せている言動だけでその人となりが決まってしまう現実にもどかしく感じる時も少なくなかった。

自分を「大人として演じる」ことをなんとも思わないくらい心が成長していたならまた違った世界が見えていたんだろうなと思う。

タラレバの世界なので、先を見ていかないといけないのだけど、ふと振り返ると少し悔しい。
だから私なりに若い子たちの言動が気になり、一丁前にお局みたいな気持ちになったりする。

だらっとした話し方、自分さえよければ良いがにじみ出る身なり、たらたら動く所作とか。
私から言わせれば歯科医院ごっこだ。
医療従事者だからって型にはめるつもりはないけど、清潔感と誠実感とてきぱき感は古い時代の慣習になってしまったのかな・・。

これはごく一握りなんだと感じるし、大抵は自分の業務に誇りを持ち、ビジネスライクに働くスタッフが多い。
でもそのごく一握りとたまに接すると同じ職種に従事しているものとしてとても情けなくなってしまう。

人それぞれ価値観や考え方が違うことは知っているし、別に矯正する気はないから、ただの価値観の違いなんだろうし、こんな風に感じてしまう私はだいぶ固定観念に縛られている気もするけど、でも医療従事者であるならば少し自覚を持っても良いのかなと思う。

早い段階で社会人たるもののマナーやモラルを知っていれば、また違ってくるのかはわからないけれど、少しは「社会」を考えた言動になるようにも感じる。

ただ多様性を尊重する昨今ではこのような話は受け入れられないとも思う。
その多様性に助けられている部分もあるし、なんだか難しい話なんだな。

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