衛生士人生
歯科衛生士という職業は結構過酷だ。
基本的には保険診療に乗っ取って診療をしていくため、
どの医院で勤務しても診療内容としては大きく変わることはない職業だ。
しかし個々の医院で使用している器材が異なったり、仕事の手順が異なるため「慣れる」ことにとても苦労する職業だ。
初めて勤務した先が自分のやり方や考え方に合って、なおかつ一緒に働くスタッフとも気が合えば長く勤められる医院となるだろう。
だが現実にはそんな「都合の良い」医院は私の経験上ほぼない。
私が出会ってきた歯科医院は当たり前だが一つとして同じような医院はなかった。
やり方も違えば考え方も違う。
私にしてみれば、保険診療を行う以上、最終的にたどり着くゴールは皆一緒のはずなのだが、それぞれの医院がそれぞれの医院長の考えの元、色々なルートを通りゴールを目指す。
これがなかなか「慣れ」ないのである。
歯科医院で働くスタッフの一番の辞める原因の一つは診療手順への「慣れ」なのではないかと私は考えている。
それぞれの医院の手順に上手く「慣れる」ことができなかったスタッフはもれなく他のスタッフやドクターとの折り合いが悪くなり辞める道を選択することが多い。
歯科医院は多職種と違い、仕事をこなすためにはある程度の歯科の基礎知識が必要だ。
それはどの立場のスタッフであっても一緒で、例えば歯科衛生士なら新卒であれば即戦力として動けるように「話せる」という技術が必要だし、歯科助手であれば予め歯科用語などは予習しておかないと話についていけない。
歯科医院に入ってから覚えれば大丈夫とか学校で勉強した教科書を見直して・・なんて考えていても現実はそんなに優しくない。
歯科医院の現場は時間との闘いのため、悠長に手取り足取り教えている暇はほぼない。
よほど人員に余裕があり、スタッフ教育にも力を入れているところでないと時間をかけて話をする余裕などないのが私が今まで経験してきた現実だ。
そのため「慣れる」ことに上手く対応できなかったスタッフは他のスタッフとのコミュニケーションを取れず苦しい日々を過ごす日々が待っている。
自分で打破できる気力を持っていたり、忙しい中でも気にかけてくれるスタッフが居たりするとその状況は改善するチャンスもあるが、そう上手くはいかない。大体新参者には厳しい目が向くものだから。
では「慣れる」ためにどうした良いのか。
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