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mySCRUMメソドロジー 001

自分にとってのSCRUMメソドロジーをわかりやすく文書化して、今後の開発プロジェクトで適用しやすくしておきたい。
思い立ったがそこそこ重たい中身になりそうなのと、実はすっきりと腹落ちしていない考えなどもありそうなので、ブレストしながらその内容を記事にしてみたらいいんじゃないかと思った。


今日は、何故SCRUMが気に入っているのかについて考えてみる。

何故SCRUMを気に入っているのか

簡単にいうと、とても合理的だと思うからだ。
自分とチームが有限な人生の時間を気持ちよく使い、その活動に対して誰かに喜んでお金を払って頂く価値を提供することを同時に可能にしてくれる確率が高いと思う。

  1. SCRUMは、世界中が経験したプロジェクトの失敗経験を元にして設計されている

  2. SCRUMは、人間の限界を素直に受け入れた上で、人間の強みをうまく利用して成功確度を高めようとしている

  3. SCRUMは、気合いを頼りにしない

世界中が経験した失敗とは?

残念ながら、失敗はあまり世の中で明らかにされていないので、数値で表すことはできないと思う。しかし、自分の経験上から言えば、世の中の大きめのITプロジェクトは70〜90%くらいは「大惨事」と呼んで良い状態になっているんじゃないかと感じている。

  • プロジェクトの目的(そのプロジェクトを成功させて、どんな効果・結果を偉えるつもりなのか)の達成率をまともに考えたら、一桁%成功していたらいい方なのではないか?

  • そもそもその様な目的をはっきりと決定してかつ明示しないプロジェクトや経営陣がたくさんある

  • プロジェクト目標の達成と目的の達成をダイレクトにつなげて評価をしているケースをあまり見ない

日本では圧倒的に上記の傾向が強い。海外でも失敗自体は同じ様に多いが、少なくとも目的と目標を両方明示することが多いので、失敗は失敗と結論づけられていることがほとんどだろう。会社の外に向けてそれを発信しているかは別だが。

ここでは「目的」という言葉を、「目標」の上位概念として使っている。ごっちゃにされがちだが、この二つは異なる。
人が何かをする行動を分解すると、普通は目的と手段に分かれる。人の行動の目的が何であるのかを見つけ出すには、「何故?」の質問を何度か繰り返すとよい。

例えば我が家では子供を9時までに寝かせようとする。
何故9時までに寝かせるか?
→早起きを習慣化させたいから
何故習慣化させたいのか?
→将来時間を守ることを当たり前の様にできる大人になってほしいから
と、この様な具合だ。

何故?を一度しか考えないと、早起きの習慣化をすることが目的の様に見えるが、実は本当の目的はもっと上にある。時間を守る大人になって欲しいという目的があることを知るには、「何故」の質問を2度繰り返す必要があるのだ。今は時間の節約のために2度までで止めておく。
SCRUMでは特にユーザーストーリを決める際に、この何故という質問を繰り返し、ユーザストーリの達成したい目的を明確に記載して伝える必要がある。これを無視すると、アウトプットの質は格段に下がる。
ましてやウォーターフォール型のプロジェクト実践ではこの行為がプロセス設計の中に組み込まれていないので、成功率を下げてきた大きな要因の一つだと思っている。

過去50年の間に世界中で数百万という数のIT系プロジェクトが実施されてきたが、投資規模で言えば基幹系ソフトウェアシステムの開発や導入規模が相当な割合を占めると想像する。投資規模が莫大なだけに失敗も公になりにくい(そもそも評価をちゃんとしないし、責任を取ることもできないから明示もしない)ので、コース修正を行わずに失敗の上に失敗を重ねたプロジェクトをいくつも見てきた。そんなわけで、投資規模を基準に失敗プロジェクト判定をしたとすれば、IT関係プロジェクトの全体の成功率って1%とかなんじゃなかろうか。

失敗を認識すればスタートラインに立てる

プロジェクトを始める際に、目的とそれに沿った目標を明らかにする。曖昧だったらとことん考えて明確にする。目標に沿って、やることとやらないことを決める。やることの中でも、何が一番大切で、次に大切なのが何で、その次に・・・と、明確な優先順位を決める。
これらは、一つでも欠けるとプロジェクトの成功確率を半分以下にしてしまう。

全部胸を張って「できている」と思えるプロジェクトは今でもほとんど生まれていないかも。世の中の皆さんの体験としてはどうなんだろう?
これらができていなければまず既に失敗であって、これらの失敗について認識することから始められると、成功確率が倍以上になるって考えて良いのだと思う。それって魅力的じゃない?

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