【フレームワーク】メンバーの個性を活かしたチームビルディングのメソッド
どうも、浮雲です。
突然ですが、先日かえるDさんがこんなtweetをされていました。
そして、一連のスレッドを読んでの私のRTがこちら。
と、いうわけで。
呟いたからには有言実行、今回のnoteでは私が人材開発やチームビルディングなどを行う際に意識していることをフレームワーク化した『マインドタイプのマトリクス』についてお話したいと思います。
■この記事のターゲット
・チームビルディングがうまくいかずに悩んでいる方
・部下や後輩を指導するのに、どう伸ばしていけばいいか悩んでいる方
・自分自身のキャリアパスやスキルパスの設計に悩んでいる方
マインドタイプのマトリクス
実際に見てもらえば一目了然だと思いますので、まずはこちらを。
縦軸にプロダクトやサービスの【クオリティに対するマインドの親和性】、横軸にプロジェクトの成功に関わる【ビジネスに対するマインドの親和性】という2軸で構成しています。
ちなみに、以前考えていたときは横軸は【ビジネス】ではなく【マネジメント】としていたのですが、今回新しく見直した際にそれだと不十分だなと考え直したのでアップデートしました。
この縦横に関しては、【マインドの親和性】という定義にしているように「興味のあるなし」や「意識しているかどうか」という【思考】ではなく、どちらかというと「向いてる向いてない」という【性質】を切り口にしています。
これはこれまでいろんなプロジェクトに参加してきた経験から、プロジェクトの中での振る舞いに関しては、ポジションや考え方よりも「そのひと自身の個性(性質)」がより強く影響していると考えているためです。
そしてその2軸によって、4つのマインドタイプに分類しています。
マインドタイプの4分類
以下が、4つに分類したマインドタイプの概要です。
◆4つのマインドタイプ
1.リーダー
・プロダクトのクオリティ、ビジネス(プロジェクト)の成功、どちらにも高い関心、責任意識がある
2.ディレクター
・ビジネスやマネジメントよりも、プロダクトのデザインやクオリティにより強い関心、責任意識がある
3.マネージャー
・プロダクトのクオリティよりも、ビジネスとしての成功やマネジメントにより強い関心、責任意識がある
4.フォロワー
・関心や責任意識が全くないわけではないが、リーダー/ディレクター/マネージャーの考えや方針に従って動く
一例として、私自身をこのマトリクスにポジショニングしてみました。
・マインドタイプとしては【マネージャー寄りのリーダータイプ】
・プロジェクトの成功を第一に考えて動けるところは良い
・ビジネス面での成功体験が少なめであることは懸念点
・クオリティに対しても意識はあるものの、突き抜けたデザインや突き詰めていく部分は少し弱い
このように、まずは自分自身を観察して、強みや弱みを分析・把握することによって、今現在の自分の立ち位置や、そこからどこを目指して何を伸ばしていくべきかが見えてくるので、自己分析としてもおススメです。
さらに、この『マインドタイプのマトリクス』を使ってチームビルディングを行うときには、次に説明する『ポジションのマトリクス』を重ね合わせて分析を行っていきます。
ポジションのマトリクス
こちらも、まずは実際に見てもらうのが早いと思います。
ベースは『マインドのマトリクス』とほぼ同じですが、分析するものがマインドではなくポジション(プロジェクト内での役割)に変わるため、それに応じて縦横の定義を変えています。
『マインドのマトリクス』では【性質】としていましたが、『ポジションのマトリクス』の切り口は【責任範囲】です。
実際のプロジェクトでは、その規模や状況に則してプロジェクトごとに「ディレクター」や「プロジェクトマネージャー」など、様々な役割が設定されます。そして私は、各役割において重要なのは「そのプロジェクト内で、何に対しての責任を担うのか」という【責任範囲】だと考えています。
これは、プロジェクトにおける指示系統や、各タスクの意思決定を誰が行うのかという現場レベルの判断から、ゲームデザイン/ビジネスモデルの決定や、マネジメントの意思決定といったマネジメントレイヤーの判断まで、「だれが責任をもって判断するか」という部分に関わってくるのが【責任範囲】であり、これが明確であるか否かがプロジェクトの成功失敗に大きく影響を与えると考えているからです。
では最後に、これら『マインドタイプのマトリクス』と『ポジションのマトリクス』とを掛け合わせて、どのように分析を行い、それをどうチームビルディングに活かすのかについて説明してこのnoteを締めたいと思います。
マインドタイプ×ポジションのマトリクス分析
ゲーム開発というプロジェクトにおいて、比較的多いパターンとしては「ディレクター×プロデューサー」あるいは「ディレクター×プロジェクトマネージャー」という二枚看板でチームを引っ張るスタイルがあります。
そこで、「プロジェクトリーダーとして『浮雲』というスタッフをプロジェクトにアサインする場合に、どのように考えてその他のメンバーのアサインやチームビルディングを考えるのか」をケーススタディ的に解説します。
◆アサイン対象:浮雲
・マインドタイプは【マネージャー寄りのリーダータイプ】
・一通りのポジションは経験済み
1.「プロジェクトマネージャー」としてアサイン
・マインドタイプとポジションはマッチしているため、ある程度任せておいてもマネジメント面は安定しそう
・反面、クオリティに対しての冒険はしなさそうなので、「ディレクター」や「企画セクションリーダー」には 【ディレクタータイプ】のメンバーをアサインすることでバランスを取れるようにする
2.「ディレクター」としてアサイン
・マインドタイプ的には、バランスを見て開発はできるがクオリティをあげきれない可能性がある
・その部分を補完するため、「企画セクションリーダー」や「ゲームデザイナー」には【ディレクタータイプ】のメンバーをアサインする
3.「チームメンバー」としてアサイン
・マインドや経験値的には、目的や意図を伝えればそのあとはある程度任せてしまっても仕事が回るので管理コストは低く済む
・ただし、やれてしまうが故に「ディレクター」や「マネージャー」の指示系統を乱したりする場合があるので、その点は注意が必要
■アサイン先プロジェクトの向き不向き(一例)
・尖ったゲームデザインの案件
→あまり向いてない
→アサインするなら、バランサーとして「プロジェクトマネージャー」に
・炎上案件
→火消役としては最適
→クオリティをあげたいなら【ディレクタータイプ】の相棒とセットで
・新規の立ち上げ案件
→事業推進役としてはパフォーマンスを発揮
→コアメンバーに【ディレクタータイプ】がいるとよりうまく回る
こんなところでしょうか。
プロジェクトによっては、ひとりが複数のポジションを兼務する場合もあれば、わかっていても不向きなポジションにアサインしないといけない場合も少なからず出てきます。
そういう場合は、『マインドのマトリクス』を参考に補完関係になれそうなメンバーをアサインすることで、リスクヘッジすることが可能になると思います。
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以上、『マインドタイプのマトリクス』というフレームワークを用いて、人材分析やチームビルディングに役立てるやり方について紹介しました。
必ずしも「型にはめる」ことが良いとは限りませんが、自分なりのフレームワークやスタイルをもっておくことで、悩む時間を減らすことができるのは大きなアドバンテージになります。
まずはこういったツールをとっかかりにして、自分自身やプロジェクトメンバーを観察・分析してみることで、プロジェクトがうまくいくヒントが見つかるかもしれません。
それでは、また。
※何か質問や聞いてみたいテーマがあれば、以下の質問箱からどうぞ!
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