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アナログから、デジタルへの過渡期を乗り越えて。音楽、カメラマンを経てデザイン系パラレルワーカーへ【卒業生akiさん】

インタビュー by ふぁむ子

興味の幅が広いakiさん、ここ何年も香港にハマってるそうです。お気に入りのカフェの前で。
  • akiさんはデザイントースト2期生で今もラボ生ですよね。卒業制作発表が好きすぎて忘れられなくて…勝手に「伝説の卒業制作」って呼んでいます。

ありがとうございます(笑)私の場合は「もしも宝くじが当たったら」ということで、架空の映画館をまるごと作ったと仮定して、

  • マスコットキャラ

  • ロゴ

  • お披露目フライヤー

…などの夢を詰め込んで、楽しく色々制作しました!
本来、修了制作は、自分でクライアントを探してきて実際のクライアントワークをするのでクラスメイトは皆そのような感じの作品だったのですが、私の場合すでにフリーランスとして長年活動していたんで、完全に自分の好みで作らせてもらいました。

オープニングセレモニーのフライヤー(もしも宝くじが当たったら映画館の入ったビルを建てて…という想定で制作をされました。)
  • とても面白い経歴を歩まれていますよね。前はカメラマンだったんですよね?

そうです、高校卒業した後に音響の専門学校に行ったんですね。昔から楽器を習っていた関係で興味を持ったのがきっかけです。幼稚園の時からバイオリンを習ったり、小学校でブラスバンドに入ったり…高校時代はバンドを組んでベースを担当していました。

  • いきなり多才な出だし!そこからどう、カメラにつながるんでしょう?

音響の学校ということもあって、バンドをやっている友人が周りにたくさんいたんです。それで「写真撮って」と頼まれることが多くて、頻繁に撮ってたんですね。自分でも「もしかして写真上手かも?」という自覚もありました。
そしてカメラマンのアシスタントをしている友人が「スタジオ紹介してあげるから遊びにおいでよ」って誘ってくれたので、いきなり履歴書を持って行って…。

  • 行動力!!専門学校在学中ですか?

そうです、周りも就活している時期だったし、とんとん拍子にそこのスタジオで採用してもらえました。
通っていた専門学校の卒業アルバムに「進路」の欄があって皆「〜スタジオ」というのがたくさん書かれてたんですが、私だけ音響じゃなくて撮影スタジオになっちゃいましたけど(笑)

  • スタジオ違い(笑)異色の経歴です。撮影スタジオのお仕事はいかがでしたか?

就職するまで写真の何たるかを全然分かってなかったんですよね。「あ、このフィルムって35mmっていうんだ」「フィルムってもっと大きいサイズがあるんだ」って働き始めて知ったくらい。
すっごく忙しくて、スタジオに寮がついていて泊まりがけなんてこともしょっちゅうでした。雑誌の表紙の撮影で芸能人を撮る日は夜から始まったりすることもあって。

  • わ、大変なお仕事なんですね!女性は少なかったのでは?

当時はほとんど男性ばかりでしたね。女性というだけで珍しがられるような感じでしたよ。
撮影スタジオ勤務はみんな2〜3年で卒業するものだったので、私も2年半で辞めてフリーのアシスタントになりました。その後はまた順当に、個人で活躍しているカメラマンのアシスタントになりました。

  • これまた結構大変そうなお仕事を…

はい、大変でした(笑)実はそのH・Oさんという有名カメラマンの長年のファンだったんで、採用の募集が出たのを見逃さずに応募して助手の座をゲットしました。

  • 音楽系写真家で有名な、RCサクセションのお写真とかも撮っている方ですよね!すごい、夢を掴まれましたね!

めちゃくちゃ大変でしたけど、とっても勉強になってすごく成長したと思います。モノクロもカラーも事務所でプリントしていたのですごく楽しかったです。 アシスタントをしつつ、フリーアシスタント時代にお世話になったデザイン事務所でPhotoshopを触らせてもらって作品作りを始めました。 デジタルカメラは持っていなかったのでポジやネガフィルムをスキャンしていましたね。 そこの事務所にはレーザープリンターしかなかったので写真用インクジェットプリンターを買って置かせてもらい、あの現像方法の雰囲気を出すにはレベル補正をこうして…など研究していました。

その後独立しました。ラッキーなことに、私が独立したタイミングがちょうどアナログからデジタルに移行する時期だったんですね。

  • ああ!手作業でプリントしていた時代から、フォトショに移行した時期ですね!

そうです、ちょうど過渡期でした。
同じ頃に独立する人で事務所に暗室を作る人もいましたが、私はmac(Apple社)を買ってフォトショップで作業するスタイルにしたんですね。

  • それは働くスタイルが全然違いますね

暗室の現像作業ってすごく大変なんですよ…白黒写真だとまだセーフライトっていう赤い光の中で作業できるんですけど、カラー写真は真っ暗じゃないとダメなんです。少しでも光が入ったらアウト。真っ暗の中、手探りの作業なのでまぁ大変。露光して現像定着が終わっても印画紙が完全に乾くまで仕上がりがわからないので時間がものすごく掛かりました。
それに比べて私はPCで作業するので「明るい場所でコーヒー飲みつつ仕上がりを確認しながら作業ができる、やったー!」って思ってました(笑)

  • akiさんが以前「Photoshopの効果って実際の写真を現像する時の用語が使われてるから、文字見ただけでどうなるかわかる」と言っていて、かっこいいな!って思っていました

「焼き込み」とか「覆い焼き」のツールのあたりですよね。アイコンが何を指してるのかもアナログでプリントしてた人はわかると思います。
本当に便利な時代ですよね…アナログ時代は肌の修正なんかも筆で直接色塗ったりして(笑)今や拡大し放題、クリック一つで肌も綺麗にできるなんて夢のようです。

  • カメラマンのお仕事、順調だったのですね

そうですね、写真集を出したこともあるし、個展もやっていました。今も撮影の仕事は続けています。

作家さんのギャラリーの撮影。週末は今もカメラマンとして活動中だそう。

写真を納品する時によく「デザインできる?」って聞かれることが多かったんですね。その頃ちょうどWebサイトを自分で作る人がぽつぽつ出始めたくらいの頃です。

最初は普通に知り合いのデザイナーを紹介したりしてたんですけど、自分で作ってみたら「案外できるもんだなぁ」と思って、「写真撮影とデザイン、セットで提供できますよ」と営業するようになりました。
PHPの勉強も少しして、WordPressサイトも構築できるようになったり。

  • 常に積極的で素敵!色々吸収して自分のモノにしていく努力の姿勢も本当にすごいです!

でも結局ずーっと独学でやってきたのでイマイチ正解がわからなくてモヤモヤしてましたね。もうちょっとおしゃれなものが作りたいんだけど、どうしていいかわからないな〜って漠然と思ったりして。
Webデザインのスクールにも通ってみたんですけど、結局コーディングとアドビソフトをちょっと教えられるだけで「全部知ってる内容だった…」となってお金の無駄になったりして(笑)

それで色々検索してデザイントーストにたどり着いたんですよ。

デザイントーストの課題で制作されたコンサートフライヤー2案。
  • デザイントーストって「デザイン」に特化してるのが私も魅力だなって思っています。Webデザインだけじゃなくてグラフィックデザインも一から勉強できるのが良いですよね

Webサイトのデザインもイケてるし、雰囲気良いし、書いてあることもすごく良いなと思って選んだんですけど、実際入ってみてもすごくよかったです。
私の同期も皆デザインの経験者ばっかりですごくレベルが高くて圧倒されました。同じ課題でも皆全然違う作品になるし、メンターはレビューも丁寧にしてくれるし、とても勉強になりました。

デザイントーストの課題で制作された観光ポスター3案。
  • 入学前と後で、何が一番変わったなと思いますか?

入学前からWebディレクションの仕事もしているんですけど、自信を持って「こうしてください」「こうこう、こういう理由だから、こうしました」って言えるようになったのがすごく大きいです。
社内からもクライアントからも信頼されるディレクターになれたんじゃないかと思います。

  • 大活躍されていますね!撮影のお仕事もされていて、今は何足のわらじ生活なんですか…?

何足だろう…夕飯を食べるまでは、業務委託のディレクションのお仕事をして、その後は自分個人で請け負ったWeb制作、グラフィックデザインなどの仕事、土日は撮影の仕事で、毎週1日はゲームクリエイターの専門学校でWeb制作を教えたりしています。

お仕事も趣味も全力投球。インタビュー中も余談が尽きませんでした。
  • えぇ!!すごい!!ちゃんと休めてますか?

大丈夫です!ちょっと睡眠時間がやばいですが、ちゃんと趣味も楽しんでますよ!

  • ちなみに、宝くじはまだ当たってないんですよね?

残念ながらまだですねぇ…早く大ファンのチャウ・シンチー監督(香港映画)にオープニングゲストで来ていただきたいんですけど…

最近、ミニシアターがオープンするのをよく目にするので私も早く年末ジャンボを当てて映画館を建てたいです!(笑)

  • 是非叶えてほしい!実現したあかつきにはデザイントーストの皆で通います。今日は貴重なお話をどうもありがとうございました!!


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