見出し画像

エコバッグに求めるのはエコじゃない

エコバッグ、エコだから使ってますか?

2020年7月からビニール袋・レジ袋有料化が決定している。先駈けるタイミングで5月~6月から有料とする企業も増えてきた。

これが一斉導入のタイミングならば「販促品」としてエコバッグはアリか。

エコバッグのリアルな使い方は?

ノベルティとして配られたエコバッグもレポ。(JR東京駅配布のsnow peak×BRING エコバッグについて)

まずは調べてみた。noteらしからぬリアリティありすぎな写真も登場!!まずは周囲でどんなエコバッグが使われているかリサーチ。

【エコバッグ形状分析】

A.バッグタイプ支持派(トートバッグ,形状圧倒)

B.パッカブル派(たたんで仕舞える、使う時に広げる)

C.箱派(段ボール箱、Myレジカゴ、もはやバッグではない。)

【それぞれ選んだ理由】

A.⇒バッグとして持ちやすい。中に「保冷アルミ」がついているのが便利。温冷ともに役立つ機能。たくさん入るから良い。

B.⇒ふと必要になったときにもカバンの中にあると安心。たたむと薄いけど意外と大きなものも入る。

C.⇒買い物は毎回大量買いだから。(缶飲料ケース買い等)会計の後にざざっと移し替えるのがラクだからもうバッグには戻れない。時には会計のタイミングで持参したCに入れてもらえ詰め込みの手間ナシで便利。という意見も。

エコバッグの選択の理由に「買い物のシーン」や「こだわり」が見えてきた。

200611エコバッグ

【なにをきっかけに使い始めた?】

エコを意識して?有料化が一押しになってエコバッグを使い始めたのか?答えは「ノー」。ほとんどが買い物をもっと楽にしたいから。共通理由として「レジ袋」だと手提げにしたときに手に食い込むのが嫌だ。との答えがあった。そもそもエコバッグを持つというアクションの裏に「より運びやすく」「買い物の後、快適に運びたい」思いがあるのだ。

【使う時/使わない時 エコバッグはどうしてるの?】

A.C.は車移動だからこそ多数派といえる。使わないときはどうするか?「車の中に基本入れてある」スタイル。使う時=ある程度の量を「車で」買いに行くとき。ということ。

B.はカバンの中に基本ステイ。使う時も使わない時も常にカバンの中にある。もはやお守りのような存在といえる。

カバンに入れて持ち運ぶので「軽い」「かさばらない」のが良い。

A.Bについて。新型感染症の予防対策として「Myビニール袋」を持参して、購入商品をビニール袋にいれ、さらにそれをエコバッグに入れる使い方をしている者もいた。C.はプラのマイカゴ派と段ボール箱派が。

段ボール箱派においては持ち歩かないという猛者も。スーパーにて会計後のコーナーにある「ご自由にどうぞ」とされてる段ボール箱を利用しちゃうそうです。(「車に運ぶだけだし。」だそう)

※ちなみにデザインルームワンがあるのは静岡県三島市。自家用車通勤率100パーセントのメンバー構成です。

【リアルエコバッグ】

自分が利用しているエコバッグのリアルを最後に紹介。

自分はA.派である。

アフタヌーンティールームで購入。保冷アルミ付。たたむとハンドルのホックで留めて小さくまとめられるが、日常でたたんだことは皆無。

200611リアルに使ってるエコバ

肩掛けで使用。物が入っているとこんな感じ。中にフルで入れると……これだけのものが入る(ある日の買い物。トップバリュー製品が多いですね。三島市はマックスバリュ東海が多くあります。納豆はブーム関係なく2パック買いなのです。納豆大好き。

200611エコバフル容量

これを車に載せて運ぶのだが、実は店⇒駐車場⇒車と「運ぶ」距離は短いけれど、買い物後のバッグはすんんごく重い!!ハンドルがしっかりしたバッグじゃないと手も肩もとても耐えられない。それもあって自分は雑誌の付録のバッグだと「エコバッグ」として使えない。

C.派でないのは詰める作業も好きだから。詰めながら脳内で献立のおさらいをしてたりする。あと子どもがお手伝いをしたがるのもある。

画像4

他の同容量くらいのもの。柄や色のきれいなもの。別形状でレジカゴにかぶせる袋物タイプ(Cに近い)なども使ったが、このバッグに落ち着いている。自分は「持ち方」として「トートバッグ」が好きなのだとも思う。

【新しい仲間】

実は今回の「レジ袋有料化決定」を受けて、新たにB.タイプを購入していた。理由は「ふと必要なシーン」に対応したいから。

在宅勤務継続で自分の日常が「生活時間がメイン」に変わってきている。(2020.0611現在)これが積極的に外に出ないと日中は全くのひきこもり。そのため昼食は買いに出たり、散歩したりを意識している。そのときに便利なのがB.タイプ。無計画な買い物にも対応できるのが便利。また徒歩圏の買い物が増えたのがも大きい。散歩だけのつもりの出先で「あ。コレ買いたい。」となった際に重宝している。ふとキッチンカー(移動販売車)の出店に出会っても安心なのだ。

200611ちいさくたためるエコバッグ

新しい仲間は「パシオス」で購入。税抜きで700円くらいだったような。「DON'T BE  AFRAID OF CHANGE」!!!!! ナイキばりにカッコいいことが書いてある。=エコバッグを持ち歩く・生活の変化を恐れるなということか。そして三島市の「おいしい情報」の収集元、三島のお店情報でもキッチンカー出店が目立つようになった。

【プロダクトとしてのエコバッグ】

では「販促」としてのエコバッグは?
エコバッグは「買い物」をするシーンで登場するが、使い方が実は様々。求める機能の優先順位も違う。その点では「誰もがおおよそ同じ使い方をするプロダクトではない」ため「販促グッズ」にはしづらいところだ。(プロダクトを販促グッズにするなら頻度高く使ってもらうのが良い。)

「袋物」の好み。

モノとしては「トートバッグ」なら「肩掛け」で持つスタイル。これは限定され「同じ使い方をする」のだが、「使うシーン」でのバッグの使い方が十人十色なので難しいところなのだ。(ABCそれぞれ)バッグとしても…そもそも「肩掛けのトートバッグは持たない」派には持ってすらもらえない。左右どちらかが重いのはイヤ。という人もいる。

また袋物を「販促」にするのには量産するのがベターであり、量産する以上コストダウンはどこかで図りたい。販促にかける予算が決まっている場合、「袋物」にとらわれると「量産できるから袋物なのか」「袋物をやりたいから量産せざる負えないのか」に苦しめられる。

チェンジ。「販促の考え方」

しかし、販促のベクトルを愛されて使ってもらう。に変えたら?

半分「販促」半分「ファンへの感謝」だ。これは十分成り立つと思う。まず一定数お店のファンがいる状況とする。彼らにエコバッグが使われて、エコバッグを見た他人から「なんのブランドかな?」「なにを売ってるドコのお店だろう。」にまで興味を引けるなら大成功かもしれない。ブランディング化がされていて既存のファンへの感謝(ファンからするとより愛着が高まるアクションが起きている)がされると、新規顧客の開拓につながる。

「好きだから持つ」いわゆるショッパー・ショップ袋の戦略だ。

古くは「紀伊国屋 KINOKUNIYA」のバッグ。「DEAN & DELUCA」「STAR BUCKS COFFEE」のトートがそれだった。

もし「ブランド力」が弱いなら販促にエコバッグはお勧めしない。「ブランド力がある」ならおすすめ。というところか。

複合案として「ブランドをこれから育てたい」ならアリ。だ。その場合はリリースのタイミングだったり、エコバッグ含め「販促」自体をどう展開していくか。から戦略作りが必要になる。戦略次第でエコバッグでも小ロット・限定生産もありになる。

【snow peak ×BRING ×JR東日本 販促エコバッグ】

「販促の立ち位置の転換」の必要も記述したが、「販促」をするなら「社会の意識チェンジにトライしよう」も一手のひとつである。

JR東京駅で配布されていた「snow peak × BRING × JR 販促エコバッグ」(2020.0620に貰う)これには「Thank You! Your Smart Choice for the Earth」として今回の共同制作の三社の存在がしっかり記載されている。「JR東日本グループはプラスチック製品削減の取り組みを推進。レジ袋削減への一助としてエコバッグを共同制作した」とのことだ。

画像6

A4は入るサイズ。しっかりしたつくり。素材を見ると「再生プラスチック」の表記!(無料配布の「販促」でブランドのロゴやカラーは表現しているのに、「素材に無頓着」は実はよくあるパターン。素材もブランドルールにのっとっているのはすごく良い試み。)そもそも参加ブランドについて補足すると、snow peakの理念としては「すべての製品の永久保証。物を使い捨てにしない。自然環境に配慮した事業を行う。」がある。「BRING]については日本環境設計㈱が運営のサーキュラーエコノミー実現型ブランドだ。消費者参加型なので、「なんだ?知らないな。」と思った人もショッピングモールで行っている「ケミカルサイクル」の取り組みで見た事があるかもしれない。古着を回収してその一部をまた「服の原料」にする取り組みだ。

買うという行為が消費する」であるとしたら、特にバッグ・袋物・衣類については使い切るまで「消費」をしないで廃棄してしまっている背景がこれまでにある。しかし・ミレニアル世代を中心にその状況に疑問を呈し、「長く使えるか」さらには「環境に負荷をかけずに作られた製品か」といった判断基準がモノの購入の物差しになりつつある。「自分が”消費”したあとも価値があるか」もひとつの判断基準だ。(フリマアプリの盛況っぷりを見よ)

「消費は美徳」だった時代から「自分の価値観で長く使える物を消費する」へ

今回の「snow peak × BRING × JR 販促エコバッグ」の取り組みは意識チェンジを訴える「販促」というポジションだ。

実際、SDGs、サーキュラーエコノミーについて考えると「現代社会」が「大量消費」前提で作られていることに気付くだろう。「エコ」をうたうだけでは何も変わらない。そして調べれば調べるほど個人で「よりエコな社会に近付けるために」できる動きは小さくて無力感にも襲われるだろう。「社会全体の意識チェンジ」が必要な問題なのだ。

エコバッグを持つ理由は「エコ」じゃない。

けれど、「持ってもらうこと」で「エコを訴える」「エコについて考えてみる」きっかけにはなる。持ってもらうためには「持ちやすさ」「使いやすさ」が大事。そんなことをつづって終わるnote。

「販促としてのエコバッグ」「エコバッグどんなの使ってるの?」両方向へのイチ情報&意見として今回の記事が役立つと幸いである。

買ってよかったものでもあるのでnote。

最後に「snow peak × BRING × JR 販促エコバッグ」は広げるとこんな感じ。生地にはハリがあり、やや厚手。裏地無し。snow peakで販売のテントと同色。テープも綾織なのが「らしい」感じ。

snowpeakエコバッグたたむ

と・ここまで分析&ちょっとSDGsについてもをつづりました。

厳しい事も書きましたがデザインルームワンではこの機会にエコバッグの作成を。販促グッズの作成を。というご相談も喜んで承っております。で・可能ならば依頼主様の希望をあらためて伺って、そこは本当にエコバッグを作るとこか?別の販促グッズの作成の方がいいのでは?(シールでいいかもしれない。オリジナルドリップバッグ印刷かもしれない。オリジナルMy箸かもしれない。等など…)と必要なデザインとプロダクトを一緒に考えていきたいと思うのです。デザインルームワンはそういう意味で依頼主に寄り添ってデザインを考えていきたいです。

最後にテイクアウト(勝手に)応援プロジェクトの報告。ありがたいことに第四弾まで進み、無事プロジェクトが終わりました。

飲食店様ご協力ありがとうございました!

「緊急事態宣言」も終わり、プロジェクトをきっかけに三島市,函南町,清水町のおいしい店を利用につながるといいですね。

ちなみに第三弾・四弾はより「おうち時間を楽しく」なのか甘味やコーヒーといったブレイクタイムを「応援」するお店も掲載しております。

デザインルームワンは今日も営業中です。ではまた。


この記事が参加している募集

買ってよかったもの

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?