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5年目だけど案件を任せてもらえない、就活も上手くいかなくて焦る気持ち〈#デザイナーのお悩み相談〉No.004

こんにちは、スズキアユミです。寒暖差もありますがだいぶ暖かくなってきましたね!
さて、今回お手紙をくださったのは、新卒で入った会社でこの春5年目になったというWebデザイナーさんです。5年目だけど業務のほとんどがアシスタント作業ばかりで案件を任せてもらえず、自分が全く成長していないように感じてとても焦っており、転職活動も思うようにいかず、今後どうしていくべきか悩んでいるのだそうです。

いきなりこんなこと言うのも変かもしれませんが、まずその焦る気持ちを持てることが私は素晴らしいと思いました!ぜひ大事にしてくださいね。
何言ってるの、こっちは焦ってるのに!と怒られてしまいそうですが、私は『焦る』ということは『成長したい・現状をより良くしていきたい意欲がある』ということだと思うのです。現状に満足していたり、こんなものでいいかと思っていたら、焦る気持ちは生まれないと思うのです。

まずは焦る自分を落ち着かせよう

相談者さんと同時期に新卒で入った別職種の同期の子たちは、案件を任されたり、後輩を指導していたりしているそうで、そんな姿と自分を比べて・・。私も想像しただけでもとても焦る気持ちで胸がいっぱいになります。まずは一緒に深呼吸しましょう。すーーーーはーーーー。できましたか?

何を隠そう、私自身、焦りのプロと言っても過言ではないぐらい、焦る人なのです。顔に出ないタイプなのが良いのか悪いのか、人に気づかれないところで脳内パニックになるのは日常茶飯事で、「とりあえず、自分落ち着け・・!」と言い聞かせてるぐらいです。さて、私のこんな話をしても仕方ないので、相談者さんと一緒に『焦り』を一旦仮想BOXにしまい込もうと思います。BOXをイメージして大事に大事にしまっておくのです。忘れるわけではありませんので、罪悪感を抱かなくて全然大丈夫です!『焦り』くん、一旦そこで休んでてねぇと。

なぜこんなことをしているのかというと、ふざけている訳ではありませんよ?焦っていると、視野が狭くなってしまう → ミスしたり、普段は気づけるところに気づけない → なんだか上手くいかない!ということが起こりやすくなります(体験談)。なので、焦りやすい方にはこういうプロセスが意外と大事なのです。ああ、焦ってるなと感じたら、自分なりの落ち着く方法を決めておくのもオススメですよ。

さて、落ち着いたところで、相談者さん、相談者さんと同じような悩みを抱えている方へ、もしかしたら何か気づきが得られるかもしれないことをこれからお話しできればと思います。少しでもヒントになれば幸いです。

新卒と中途の就職活動は全然違う

相談者さんは新卒から今の会社なので、相談者さんにとっては今回が初めての転職活動ということになります。50社以上も応募されたということなのですが、その話を聞いて「あれ?」と感じてしまいました。これは詳しく相談者さんにヒアリングした訳ではないので、私の憶測でしかないのですが、もしかすると新卒の時と同じやり方で就職活動をしているのかもしれません。

ほんとザクッとなのですが、こんな図を書いてみました。↓

アートボード 1

新卒の時のあなたは、まだ企業に必要なスキルをあまり持っていない原石のような状態です。企業側も見つけづらいので、求職者側であるあなたは多方面にアピールする必要性が出てくるので、自ずと応募数も増えてくるでしょう。
一方で、中途の場合は企業側も様子が変わってきます。中途採用なのですから、すぐにでも企業の力になってくれる人を求めている訳です。なので、その求めている内容もより具体的になります。そうなってくると、求職者側であるあなたも、ちゃんとスキルなど具体的なものを示さないと、マッチしているのかどうか企業側も判断が付きません。

このように、中途の就職活動は、新卒の時のような企業側から自分を見つけてもらうのではなく、【企業の方向性やニーズ】と【自分のやりたいことやスキル】をお互いに認識合わせしてマッチするか否か?になってくるのです。

相談者さんの場合、逆にそこまで広いとは言えないこの業界で中途の求人に50社以上も応募できるということは、
・企業の方向性やニーズのリサーチが足りていない
・自分のやりたいことやスキルの洗い出し・言語化が足りていない
・その両方
ということになるのかもしれません。そこが出来てくると、応募する前にこの企業とは合わなさそうだと自分でも判断できるので、そんなにたくさん応募もできないと思うのです。

そして、相談者さんの場合はその50社以上のほとんどが書類選考で、その9割が『スキル不足』でお断りされたそうですが、ここ、受け取り間違えると危ないので気をつけて欲しいのです。とくに中途採用の場合は「自分のスキルが不足している」というより「あなたのスキルがその会社にマッチしなかった」ということです。どうして企業が『スキル不足』と言うのかは、上の図のような企業の背景から来ることがほとんどだろうと思います。ここほんと気をつけてください。変に自信を失って、違う方向に行ってしまうのはとても勿体ないです。

もちろん、行きたい会社に対して、
・自分のどんなスキルが不足して不採用になったかがわかっている
・自分でもそこを伸ばしていきたいと思う
なら、勉強したりしてスキル不足を解消していきたいところです。ですが、なかなか就職活動の中で具体的な不採用の内容を聞ける機会は少ないものです。
相談者さんの送ってくださったお手紙にも、ご自身が不足していると思っているスキルの具体的な記載がなかったので、もしかしたらそこも曖昧なのかもしれないと感じました。間違っていたらごめんなさいね。

マッチングが大変だからこそ人やサービスの手を借りる

とはいえ、企業のリサーチや自分のやりたいこと・スキルの洗い出し、しかもそれがマッチするかどうか判断するなんてなかなか大変です。時間もかかります。

なので、中途の就職活動の場合は、転職エージェントサービスを利用するのも手です。転職エージェントは、企業と求職者との仲介人的な存在なので、あなたのスキルなどをヒアリングして、マッチしそうなおすすめの企業を紹介してくれます。利用はどこも基本的に無料のはずです。

もちろん、エージェントから「これから何がしたいのか?」「どんなことをしたいのか?」など、いろいろ質問される訳なので、ある意味あなたが整理するべき問いも貰えます。エージェントからの質問に悩んだり、上手くエージェントに方向性を伝えられなくて企業との話しが進まないということなら、直接企業に応募しても今の状態での転職は難しいということになります。(エージェントととの相性もあったりするので、ここはほんと転職エージェントサービスを使ってみないとわからない部分ではありますが・・。)

また、最近では、スカウト型(Wantedlyや各求人サービスの一部など)やドラフト型(転職ドラフトなど)のサービスも存在します。こちらはしっかり自分のやりたいことやスキルを言語化できないと、企業から声をかけてもらえない、もしくは曖昧なマッチングになってしまうので、これもまた自分のことを整理するキッカケになります。

ちなみに私が初めて転職活動したときは、会社にいた先輩が求人応募でなく、転職エージェント経由だったことを知って、初めて転職エージェントの存在を知りました。周りのデザイナーがどうやって就活してるのか聞いてみたり、求人・採用サービスで結構イベントをやってたりするのでそこで話しを聞いてみたりするのも良いと思います。ようは情報収集ですね。

デザイナーのスキルはビジュアルを作るだけじゃない

デザイナーのスキルと言えども、ビジュアルを作るだけではありません。
例えば、相談者さんは、案件を任せてもらえず悩んでいるとのことでした。案件を受け持つということは、ただ単にクオリティの高いビジュアルを制作できるだけでは務まりません。
社内外の人とやりとりするコミュニケーションスキル、ディレクターやエンジニアなど他職種とスムーズにやりとりするためのデザイン以外の知識、スケジュールの調整能力、交渉力、などなど。会社によっても異なると思いますが、これらはなかなか実践でないと見えてこない、身につかないことが多いものです。
相談者さんが頭を悩ませている案件をふってくれない先輩デザイナーさんは単に自分で全部抱えたい系かもしれませんが、その場合でも相談者さんのように環境を変えるのを考え、実践できるところに身を投じてみるのも手だと思います。

デザイナーのスキルについては、少し古いものになりますが、サイバーエージェントさんのブログ記事で紹介している内容がとても参考になります。こちらの内容を読むと、ツールが使えたりビジュアルが作れることは、あくまでもデザイナーのスキルの一部だというのがみえてくると思います。→

また、このようなシートでキャリアパスを整理してみるのもいいと思います。→

その会社でどんな活躍をしたいかまで想像しよう

これは個人的な所感ですが、デザイナーさんって結構自信のない方が多いように思います。こんな私を雇ってもらえるだけありがいたい、デザインできるだけでありがたい・・と。いえいえ、もっと欲張りましょう!その会社に入ったら、こんなことしたいな、あんなことしたいなと。
むしろ、受け身でいればいるほど、あなたの成長も止まるし、会社や周りにいいように使われてしまいます。

自分の人生の舵は自分でしっかりと握っておく。そのためには、自分のことをよく知ることが大切です。そして、自分が心地よいと思える場所に、ちゃんと自分を導いてあげる。

そう、こんな偉そうなこと言っておきながら、私もまだその真っ只中です。でも続けたいです。焦るのは、もっと自分がハッピーになりたいから、ですよね?

Special thanks:
今回お手紙を下さった ままま様

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