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ピクトグラムの分類と成り立ちを知る|非美大卒が0から造形を学ぶ#9

こんにちは!2年目UI/UXディレクターのyunです。

一度は学んでみたかったけど、なかなか手を出せなかった美術やデザイン。
文系大卒社会人が初めて学び、生じた疑問、感想を毎週投稿。なんでもありの備忘録。

今回は「非美大卒が0から造形を学ぶ」シリーズ第9回。それではスタート!


身近にあるピクトグラム

道路標識、駅の案内版など私たちの身の回りにはピクトグラムが溢れています。特にトイレのピクトグラムは場所によって個性があり、ファンがいるほどです。

何気に見ていたピクトグラムですが、じっくり見てみると哀愁や造形美を感じて惹きつけられてきませんか。起源は紀元前3万年前の洞窟壁画やエジプトのヒエログリフまで遡ることができるでしょう。

19世紀になると、交通の発達や技術革新によって国や文化を超えて情報を伝える必要性が高まりました。1936年にはオットー・ノイラートが情報を図解して、一般や教育で利用するためのISOTYPE(アイソタイプ)を考案したことが有名です。

さらに1964年の東京オリンピックで初めて体系化されたピクトグラムが案内・誘導・競技種目に用いられたことも、その後の普及に大きく影響を及ぼしました。

言葉を知らなくても、文化が違っても世界中の誰もが理解できる記号。そう考えると普段の生活で見かけるピクトグラムの見え方が変わってきませんか。

将来的には複合的な伝達手段、すなわち視覚言語としてピクトグラムが使われる日が来るかもしれない。そんなことを考えるとワクワクします。

ピクトグラムとは何か?

そもそも「ピクトグラム」とは何でしょうか。ベルリン芸術大学のヘルベルト・W・カピツキは他の図形記号との違いを示すことによってこれを明らかにしようとしました。

イコノグラム(類似記号)・・模写表現。模写表現と分かるように、記号と、記号が示すものが一致することを示す特徴が強調されているアイコン的記号。

ピクトグラム(画像記号)・・画像表現。アイソタイプ(絵文字)。事柄を。書かれたことあや音声によってでなく、事柄の意味を視覚化することによって表現したアイコン的記号。

イディオグラム(表意記号)・・概念を表現。シンボルとしての記号とはいえるが、記号と対象の姿形が合致することと無意味に指示対象に関わるもの。

ロゴグラム(表語記号)・・文字表現に近い概念表現。言語が持つ音声という次元を考慮せず指示対象を視覚言語的に表す記号。

SIGN,ICON and PICTOGRAM―記号のデザイン

イコノグラムは模写表現のため、例えばリンゴの写真やデッサンも含まれると考えています。それらは単に記号と同じ特徴をしているだけで事柄を表しているわけではないからです。本書の中では以下の問いを与えることでピクトグラムかどうかを確かめられるとしています。

  1. 画像は記号として取り決められているか?受けては明らかにそれが記号であると認識しうるか?

  2. 画像がその形式上、記号であると明らかならは、抽象化作用によって意味が発生しているか?画像自体が情報より全面に出ていないか?

  3. 国を問わず理解できるか?文化を問わず理解できるか?

エジプトのヒエログリフは3を満たさないため、ピクトグラムと呼ぶには1歩足りないようです。身近な記号に対して上記をあてはめて考えると、また違った発見があるのではないでしょうか。

ピクトグラムを読み解く

ピクトグラムがどんな状況でどんな場所に掲出されているか、それによって示す意味が変わってきます。すなわち単なる記号(=アイコン)のみが存在してもピクトグラムとしての役割を果たすことはできず、周りの環境が重要な要素となってきます。

例えばこちらのピクトグラムはどうでしょうか。こちらは上野駅構内の通路で撮影した写真です。

まず状況として、上野駅の「この柱(通路)に沿って」進んでほしいようです。さらに、人のアイコンは両方向で通行できる「階段」、矢印のシンボルは「この方向へ」を示しています。最後に銀座線という文字、アイコンは「銀座線に乗る場合」という意味になるでしょう。すなわち、このピクトグラムは「銀座線に乗る場合は、この柱に沿って左に進み階段を降りてください」ということを示しているのです。

まとめ

以上、ピクトグラムについてまとめてきました。ただ魅力は成り立ちや意味だけではありません。なによりも「形の美しさ」、「かわいさ」がたまらないんです!

世界中のファンがピクトグラムの写真をネット上に挙げています。私自身も先月からピクトグラム投稿用のインスタグラムを開設してしまいました(笑)。関東近郊のピクトグラムを投稿するのでぜひフォローお願いします!

https://www.instagram.com/pictograms_japan

世界のピクトグラムを一気見するならこちらの本もおすすめです!

ピクトさんだけを集めた本もあります。ぜひおすすめのピクトがあれば教えてください!

次回のテーマは「近代デザインの原点、バウハウスとは何か」です。お楽しみに!

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