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病理学まとめ 歯原性腫瘍ver

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良性と悪性の分類と良性上皮性歯原性腫瘍、良性上皮間葉混合性歯原性腫瘍、良性間葉性歯原性腫瘍のそれぞれの腫瘍
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嚢胞 腫瘍 膿瘍 腫瘤の違い

嚢胞 腫瘍 膿瘍 腫瘤の違い

口腔病理学を学ぶ上でよく聞く単語であるが、違いの定義は曖昧になりがちである。嚢胞性腫瘍などもはやなにを指すのかさっぱりだ。

まず、それぞれの読み方だが、のうほう(嚢胞)、しゅよう(腫瘍)、のうよう(膿瘍) 、しゅりゅう(腫瘤)である。

簡単に定義をまとめよう。嚢胞のみ最後に口腔病理において重要なので定義を詳しく載せる。

嚢胞・・・軟組織内に病的に形成された液状成分を持ち、液状成分周囲を固有の

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歯原性腫瘍の分類

歯原性腫瘍の分類

歯原性腫瘍は顎骨内に歯胚の構成成分が遺残し、その残留組織に由来して発生する。

①歯原性上皮のみからなる腫瘍、②歯原性上皮と歯原性間葉からなる腫瘍、③歯原性間葉組織からなる腫瘍に分類される。

猫がいる円を歯が生える前の歯胚に見立てる。このとき猫本体を象牙質と歯髄とセメント質、円と猫の間の空間をエナメル器とする。

①歯原性上皮のみからなる腫瘍は、円と猫の間の白い部分。②歯原性上皮と歯原性間葉から

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エナメル上皮腫,通常型(歯原性腫瘍)

良性上皮性歯原性腫瘍
 エナメル上皮腫
  1.エナメル上皮腫、通常型(80-85%)
最も代表的な歯原性腫瘍(アジアでは約半数、欧米では10-20%)
亜型が4タイプ存在する。

1.エナメル上皮腫、通常型(80-85%)

臨床所見においては、年齢 : 30-40 (平均 :37)、47% 女性 , 53% 男性。
早期の診断と治療が重要であり、
緩徐な発育を示すが局所浸潤性、骨中心性発育、骨

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エナメル上皮腫,単嚢胞型(歯原性腫瘍)

良性上皮性歯原性腫瘍
 エナメル上皮腫
  2.エナメル上皮腫、単嚢胞型
最も代表的な歯原性腫瘍(アジアでは約半数、欧米では10-20%)
亜型が4タイプ存在する。

2.エナメル上皮腫、単嚢胞型の臨床的および組織学的所見
臨床的、放射線学的、組織学的に嚢胞のように見える

患者は通常型より若い(平均 16 歳)
90% は下顎 ・80% は 埋伏下顎智歯を含む。
単房性で 含歯性嚢胞に類似(10

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エナメル上皮腫,骨外型/周辺型(歯原性腫瘍)

良性上皮性歯原性腫瘍
 エナメル上皮腫
  3.エナメル上皮腫、骨外型/周辺型
最も代表的な歯原性腫瘍(アジアでは約半数、欧米では10-20%)
亜型が4タイプ存在する。

3.エナメル上皮腫,骨外型/周辺型

まれなエナメル上皮腫(1%)
歯肉/歯槽粘膜に発生

病理組織所見・・・骨中心性の通常エナメル上皮腫と同じ組織像。濾胞型、叢状型、基底細胞型がある。(※叢の読み・・・そう/くさむら)
濾胞

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転移性エナメル上皮腫(歯原性腫瘍)

良性上皮性歯原性腫瘍
 エナメル上皮腫
  4.転移性エナメル上皮腫
最も代表的な歯原性腫瘍(アジアでは約半数、欧米では10-20%)
亜型が4タイプ存在する。

4.転移性エナメル上皮腫

組織学的には良性のエナメル上皮腫の像を示すが、リンパ節や遠隔上皮に転移する。

石灰化上皮性歯原性腫瘍(歯原性腫瘍)

良性上皮性歯原性腫瘍
 石灰化上皮性歯原性腫瘍
CEOT(石灰化上皮性歯原性腫瘍)は Pindborg 腫瘍 とも呼ばれる。
局所浸潤性の 上皮性歯原性腫瘍。
石灰化傾向を示すアミロイドタンパク の存在が特徴である。

石灰化上皮性歯原性腫瘍(CEOT)の臨床的および組織学的所見

臨床的所見・・・良性だが 局所浸潤性。緩徐な増殖を示す無痛性腫瘤。発生年齢は広範で 通常 40~70歳。2/3が下顎

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腺腫様歯原性腫瘍(歯原性腫瘍)

良性上皮性歯原性腫瘍
 腺腫様歯原性腫瘍
AOT(腺腫様歯原性腫瘍)はゆっくりと大きくなる良性歯原性腫瘍で、導管様構造を伴う。

臨床所見においては、良性で再発無し。年齢は、10~20 歳に70%発生し、男性 : 女性= 1 : 2、上顎:下顎 = 2 : 1 。症例の60% が前歯部特に犬歯部に発生。
AOTの75% は埋伏歯にあり、含歯性嚢胞 に類似(濾胞型)している(濾胞型AOT)。25%

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エナメル上皮線維腫

良性上皮間葉混合性歯原性腫瘍
 エナメル上皮線維腫

後ほど追加します

歯牙腫(歯原性腫瘍)

良性上皮間葉混合性歯原性腫瘍
 歯牙腫
  歯牙腫,集合型
  歯牙腫,複雑型

歯牙腫の臨床的組織学的な特徴

良性の歯の奇形(過誤腫)である。若年者(20歳まで)に見られる。歯牙様構造を含む骨透過像を示し、多数の小型の歯牙様組織からなるもの(集合型歯牙腫)あるいは不規則歯牙組織からなるもの(複雑性歯牙腫)がある。
集合型歯牙腫は、10歳代に見られ、男女差は無い。前歯部に好発する。また、上顎に好

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象牙質形成性幻影細胞腫(歯原性腫瘍)

良性上皮間葉混合性歯原性腫瘍
 象牙質形成性幻影細胞腫(DGCT)

後ほど追加します