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歯原性腫瘍の分類

歯原性腫瘍は顎骨内に歯胚の構成成分が遺残し、その残留組織に由来して発生する。

①歯原性上皮のみからなる腫瘍、②歯原性上皮と歯原性間葉からなる腫瘍、③歯原性間葉組織からなる腫瘍に分類される。

猫がいる円を歯が生える前の歯胚に見立てる。このとき猫本体を象牙質と歯髄とセメント質、円と猫の間の空間をエナメル器とする。

①歯原性上皮のみからなる腫瘍は、円と猫の間の白い部分。②歯原性上皮と歯原性間葉からなる腫瘍は、猫の耳の部分。③歯原性間葉組織は、円の灰色の枠の下半分となる。


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関与する歯原性組織に基づき、歯原性腫瘍を分類する

Marignant(悪性)7
歯原性癌腫
 エナメル上皮癌
 原発性骨内癌,NOS
 硬化性歯原性癌
 明細胞性歯原性癌
 幻影細胞性歯原性癌

歯原性癌肉腫

歯原性肉腫

Benign(良性)12
良性上皮性歯原性腫瘍
 エナメル上皮腫
  エナメル上皮腫,単嚢胞型
  エナメル上皮腫,骨外型/周辺型
  転移性エナメル上皮腫
 扁平歯原性腫瘍
 石灰化上皮性歯原性腫瘍
 腺腫様歯原性腫瘍

良性上皮間葉混合性歯原性腫瘍
 エナメル上皮線維腫
 原始性歯原性腫瘍(new)
 歯牙腫
  歯牙腫,集合型
  歯牙腫,複雑型
 象牙質形成性幻影細胞腫(DGCT)

良性間葉性歯原性腫瘍
 歯原性線維腫
 歯原性粘液腫/歯原性粘液線維腫
 セメント芽細胞腫
 セメント質骨形成線維腫

今回の分類は、WHO分類の2017年改訂版に従った。 2005に対して分類が多少変化しているため、自分は、病理学の旧版の教科書を持っていたが、この分類の違いを主な理由として新版のものを加えることにした。

補足だが、エナメル上皮腫や歯牙腫の発生頻度が高い。しかし、先日livedoorNewsに取り上げられていたが、発症頻度の高いエナメル上皮腫でさえも500万人に一人の確率らしい。歯科医師人生の中で一人見ることになるかどうかということか、、、


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