石灰化上皮性歯原性腫瘍(歯原性腫瘍)

良性上皮性歯原性腫瘍
 石灰化上皮性歯原性腫瘍
CEOT(石灰化上皮性歯原性腫瘍)は Pindborg 腫瘍 とも呼ばれる。
局所浸潤性の 上皮性歯原性腫瘍。
石灰化傾向を示すアミロイドタンパク の存在が特徴である。

石灰化上皮性歯原性腫瘍(CEOT)の臨床的および組織学的所見

臨床的所見・・・良性だが 局所浸潤性。緩徐な増殖を示す無痛性腫瘤。発生年齢は広範で 通常 40~70歳。2/3が下顎に発生,大臼歯部に好発。半数は埋伏歯であり、 周辺型はまれ。再発はまれである。


画像所見・・・単房性/多房性で、様々な大きさの不透過像を含む透過性病変を示す。単房性は、少量の不透過物を含む境界明瞭な透過像を示す。多房性は、大量の不透過物を含む境界不正な透過像を示す。

組織学的所見・・・歯原性上皮のシート状 〜 島状増殖からなり、好酸性基質を含んでいる。明瞭な細胞間橋形成が見られる。細胞多形が明瞭だが分裂像はまれで、真の細胞異型もない。間質反応(細胞)も軽微。また、扁平上皮癌と誤診し過剰な治療をしないように注意が必要。
歯原上皮の近くにアミロイド様物質の沈着があり、アミロイド様物質に同心円状の異栄養性石灰化が見られる。(大きなかたまり)

※間質反応とは、腫瘍や癌の境界部に線維芽細胞が増殖し、コラーゲンが分泌され、その中に様々な炎症細胞や血管が複雑に絡み合った構造ができることを意味する。これは、生体の防御反応である。

※間質細胞・・・上皮細胞の支持組織を構成する細胞の総称で,線維芽細胞や炎症細胞(リンパ球や好中球,マクロファージなど),血管内皮細胞,平滑筋細胞などが含まれる.これらの細胞は正常組織の維持に必須であるとともに,炎症反応や創傷治癒反応に重要な役割を担っている.


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