腺腫様歯原性腫瘍(歯原性腫瘍)

良性上皮性歯原性腫瘍
 腺腫様歯原性腫瘍

AOT(腺腫様歯原性腫瘍)はゆっくりと大きくなる良性歯原性腫瘍で、導管様構造を伴う。

臨床所見においては、良性で再発無し。年齢は、10~20 歳に70%発生し、男性 : 女性= 1 : 2、上顎:下顎 = 2 : 1 。症例の60% が前歯部特に犬歯部に発生。
AOTの75% は埋伏歯にあり、含歯性嚢胞 に類似(濾胞型)している(濾胞型AOT)。25% は歯と無関係(非濾胞型AOT)。
50%に内部の不透過像あり。

病理組織学的所見において、線維性被膜を有する充実性〜 嚢胞性腫瘍(※)であり、紡錘形細胞〜 立方形細胞からなる大小の充実性結節がある。腫瘍の中に腺腔様構造(赤い染色された膜が、その中の空胞を伴う)や、ロゼット様構造(花冠状構造)が見られる。
また、内部に好酸性物質や石灰化が観察される

※腫瘍の形態
 嚢胞性・・・その内容物が液体成分と考えられるもの
 充実性・・・何らかの細胞成分で満たされているもの(通常は腫瘍細胞)
 混合性・・・上記両者を含むもの。
混合性や充実性の場合、その細胞成分が良性の腫瘍細胞か悪性の腫瘍細胞のどちらかを考えなくてはならない。(臨床の現場において)

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