見出し画像

ジャカルタで働く若者「転職・独立についてインタビュー2」

こんにちは、デンソーデザイン部の宮地です。
「働くモチベーションと幸せ」をテーマにインドネシアのジャカルタに焦点を当て投稿しています。
ジャカルタで、鶏のから揚げを販売するクラウドキッチン「コケコッコー・チキン」で働く男女4人の若者に、職場環境や働くモチベーション、転職などについてインタビューしました。
前回の女性に引き続き、今回は2名の男性から聞いたことを報告します。

Nandaさん

インタビューシートNANDA


Nandaさんは料理することが好きで、現在のクラウドキッチンの店長職は、それを活かした仕事が出来ていることが嬉しいと思っています。
現在の職場は自宅から近く都心にあるので、仕事帰りに友達と会うことやレストランで食事に行きやすい点も気にいっているようです。
現在の500万RP月給(約3万5千円)は、インドネシアの専門学校卒の給料としてはMAXに近いので給与的にも満足しているとのことでした。
また、店長として全ての人と仲良くすることが大事で、そのためには就業時間中のおしゃべりは欠かせない。コミュニケーションをしっかり取っておかないと、問題があったときに報告に来なくなるとインドネシア特有のマネジメント術を持って働いています。

Fazranさん

インタビューシートFAZRAN


Fazranさんは、コロナにより前の勤め先であるレストランを辞めることになり、再雇用先を探すのに苦労していた状況で採用され、コロナ過にもかかわらず採用してくれたことに感謝しているそうです。
そのため、バイクで片道1時間と家からは少し遠く通勤は大変だけど、これぐらいは全然問題ないと言っていました。
給与に関しては、現在の自分のスキルから言うと十分だと思っていて、スキルアップしたときには、それに見合う給与を求めたいと考えています。


転職・独立の計画


両名とも転職または起業したいと考えていますが、現在のコロナの状況を見て、数年後を目標にしています。
Nandaさんは、次の転職先は10人以下の企業を考えています。それは次の職場でも店長などリーダ的な役割を担うことを希望しており、現職経験から10人以上の管理は難しいと考えているからです。コロナにより父のビジネスがCLOSEしてしまい家族を養っているのは自分の仕送りだけの状態のため現在はまだ転職に動く時期ではないと考えています。今はスキルを身に着けることに集中して5年後に食べ物関係で転職か起業したいと考えています。インドネシアの飲食関係は今後さらに大きく発展すると考えていて、今の職場でしっかり知識やスキル・ノウハウを学びたいと思っています。
Fazranさんは数年後の転職を考えて居ますが、起業・独立をするにはまだまだスキルが足りないと自覚しています。前職のレストランは給料や就業形態が不安定だったらしく正社員で安定した仕事に就きローンでバイクなど大型消費財を購入したいと考えて居ます。また日本で働いている友達が2人おり、その友人の情報から将来は日本など海外で働き経験を積んで、インドネシアに戻ってきて日本企業で働きたいとも思っています。


スキルアップに向けてしていること


Nandaさんは、絵を描いたりデザインをすること見ることが好きで写真加工や動画作成のテクニックを勉強しており、お店の中のPoPやメニューなどに自分のスキルを発揮できたらいいなと取組んでいるそうです。ただプロデザイナーを目指すのではなく、半分趣味的に楽しくかかわっていきたいのだそうです。
Fazranさんは、経理や帳簿の勉強をしていて店長の仕事に役立てようとしています。現在はOJTで勉強していますが、それだけでなく仕事帰りにセミナーなどに行ってスキルアップをしたいと思っています。仕事後にセミナーへ通うと趣味や遊びの時間が減るが、現在の生活のことや将来のために頑張りたいと考えていますが、現状はコロナのこともあるので見合わせていますが、この状況が収まったら実施したいと言っていました。


仕事の評価


両名とも自分の仕事の成果を正当に評価されることを、すごく大事に思っています。「評価されると自分が必要とされていることがわかりモチベーションが上がる」「自分が仕事に向いているかどうかを見直すために必要」と思っています。
仕事の頑張りに対する定量評価として、固定給ではなく成果給として店の売上に伴う変動制を希望するかどうか聞いてみました。Nandaさんは「店舗の立地エリアによりお客さんの数が変わり、売上が大きく変わる。それは店員の能力とは異なることで決定するので平等ではないし、自分は望まない」と回答しました。Fazranさんは、「過去に売った分だけ給料となる歩合制の営業をしていたが、自分のスタイルに向いてなかった」と回答し、こちらも成果給は望んでいませんでした。

男女4人のインタビューを通して感じたことは、みなさん若い割にはしっかりしていて、自分のスキルや知識のレベルを客観的に捉えながらそれに見合った職を選び給与をもらうという考え方を持っています。給与を上げるなら自ら勉強し努力してスキルアップしたり、転職して良い雇用条件や学ぶ場を求めていくべきだと思っています。
インドネシアの方々を雇用している日系企業の方からは、このようなインドネシア人の生真面目な印象は聞きません。むしろ就業中のおしゃべりやさぼり癖みたいな所を指摘する声のほうをよく聞きます。
次回は、このあたりを彼らの雇用者である方にインタビューして聞いてみたいと思います。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。