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アセアンの人達の働き方 #3 「起業、副業、投資」

こんにちは、デンソーデザイン部の宮地です。
働くモチベーションと幸せをテーマにインドネシアのジャカルタに焦点を当て投稿しています。
先回はジャカルタの人達の「お金と仕事の捉え方」について掲載しました。今回は「起業志向、副業・投資」について述べていきたいと思います。

起業志向とユニコーン企業

インドネシアでは、若者の3分の1以上が自ら起業した会社で働きたいと思っているそうです。スタートアップ企業は1000~2000社あり、日本の500社に比べてみると2~4倍多いです。

ユニコーン企業(評価額が10億ドルに達した新興企業)は、ASEAN10社の半分に及ぶ5社(GojekTokopediaTravelokaBukalapakOVO)があります。2020年現在、日本が7社なので、スタートアップ企業数に対してユニコーン企業になれる確率は日本の方が高いですが、一人当たりGDPで10倍の差があるので、ジャカルタの人にとってスタートアップしてユニコーン企業を目指すことは日本以上に夢があるのではないでしょうか。

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GoJEK=バイクタクシー
Tokopedia/Bukalapak=インドネシア1・2位のeコマース
Traveloka=インターネット旅行会社
OVO=電子マネーの会社
緑のヘルメットかジャンバーを着たGoJEKドライバーを街中で当たり前のように見るようにユニコーン企業のサービスが日常生活に馴染んでいる


若い世代の人と話をしていると、周りの知人でスタートアップ企業に働いている人が多く身近なこと、また一攫千金を夢見て起業する人は多く、とても一般的な行動と捉えていると聞きます。


東南アジア特有の大らかさ・楽観的思考で失敗やネガティブ志向で物事を捉える人が少ないことも、起業を促進しているようです。
コロナにより、各国が経済成長率をマイナス方向か鈍化で予測している中、インドネシア政府は2021年の経済成長予測を4.5~5.5%と発表しています。消費者マインドも同様な感覚に近いみたいで、今は悪いけどすぐに良くなると考えているようです。

副業・投資

ジャカルタの人達は、副業することにも躊躇しません。
正規の仕事が終わった後は、個人の時間でそこで休もうが働こうが個人の自由と考えているようです。

2019年に、動く屋台モビリティのサービスアイデアを考え、ジャカルタの人達にアンケートを実施しました。このサービス案は、インドネシアの伝統的屋台ワルンに自動運転機能を搭載し、仕事帰りの任意の場所で屋台を開ける動く屋台モビリティでの起業、それを支援するファンディングシステムになります。このアンケートの結果は、90%の人が副業か投資をしたいとの回答を得ました。

・このサービスを使って副業したい人が70%

・忙しいから副業出来ないけど投資をしたいと言う人が20%

屋台

 Design : Clement le lay

インタビューで彼らは実にあっけらかんと、副業したいという願望を表し、「え、副業するの?じゃあ私、投資するわ」と、まるで買い物行く人にお金を渡して「じゃあついでに買っておいて」ぐらいな軽いノリで話をしていました。日本でも、近年副業を認める会社が増えてきているようですが、実際に行い始めるには、まだまだ躊躇するような感じだと思いますので、日本人との感覚の違いに驚きました。


「起業・副業・投資」に意欲的な側面を見ると、経済活動・お金を稼ぐことや上昇志向がものすごい、とてもギラギラしているように思えます。が、インタビューして伝わっている感覚は、サークルに参加するようなみんなで仲良く、楽しく、ワイワイと新しく刺激的なことに挑戦する楽しさみたいなものへの魅力が原動力のように思えます。


これまで書いてきた、貯蓄志向・寄付・食事をおごるなどお金の考え方や、起業・副業・投資など仕事の考え方の実態を調べるために、ジャカルタの人へ実際にアンケートをしてみて、その調査結果を次回はお伝えしたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。