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BACK TO THE NATURE 「プロローグ」


はじめまして

記事を初投稿します、UXデザイナーの吉岡です。
これから宜しくお願いします!

こちらのマガジンでは、
『新たな自然観を獲得することで人は幸せになれる』という考えのもとに、都市環境における自然の在り方や日々の暮らしの中での自然との新しい関わり方を、UXデザイン観点のリサーチを通して考察 / 妄想したことをベースに記事として掲載していきます。今回はこの考えに至った経緯をお話ししていきたいと思います。


私たちの身の回りは人工物で溢れている

突然ですが、あなたが今居る場所には窓はありますか?
そこから見える景色の中に『自然物』はどれほどあるでしょうか?

きっと人によっては、「マンションの高層階過ぎて空しか見えないわ~、周りに遮蔽物がないから一日中太陽が隠れなくて、日光からエネルギーをもらって毎日元気一杯よ!」という方や、「緑豊かな公園が目の前にあって、自然に囲まれた暮らしをしているんですよ。今年中にウッドデッキを拡張してバーベキュースペースも作ろうかと思っています!」と言う方もいらっしゃるでしょう、、、、羨まし過ぎます。

ちなみに私の自宅の窓から見える自然物は、マンション内の駐車場に設置されている植木数本と、隣接する住宅のお庭の木が数本見える、というくらいで、、、自然少ないなー!!という印象です。景色の大半を占めるのは、周辺住宅のコンクリート外壁などの人工物が90%を占めていると言っていい状態です。都市部に暮らすほとんどの人は、私と同じような景色を見ているのではないでしょうか。

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景色を見てみて、”自分の身の回りは人工物で溢れている”という事を再認識しました。またこの認識を裏付ける以下のようなNature誌の記事についても最近知りました。


簡単に言うと『2020年に人工物の総量が地球上の生物の総量を上回った』という記事です。1900年以降20年毎に人工物の生産量が2倍になっていて、その結果、1900年には生物の総量のわずか3%だった人工物の量が、120年経った今では生物の総量に追いついてしまったというのです。生産される人工物の大半はコンクリートで、そのほとんどが建物や都市インフラに使われているといいます。


新たな自然観とは?

日々テレワークで自宅にいることが多くなった今日この頃。
窓から見える人工的な要素で構成された風景と、上記のような記事を読んで、もっと日常生活の中に自然を取り戻すことができないか? と、ふと思いました。人工物で構築された都市環境において、これからの自然の在り方や、テクノロジーと自然との新しい関わり方を、物ベースではなく体験をベースとしたUXデザインの視点を通して再発見してゆくことで、都市空間のなかでも自然を豊かに感じられる暮らしができるのではないかと考えました。

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このマガジンではあらゆる実験を通して『新しい自然観』について考察してゆきたいと思います。あの映画のように時間を巻き戻して120年前に戻ることは出来ないけれど、きっと私たちの自然に対する価値観や感覚をアップデートし、新たな自然との向き合い方を発見することで、当時の自然豊かな生活というものを取り戻せるのではないでしょうか。

次回は、今後考察していく為のリサーチアイデアについて書いてゆきたいと思います。今後も、是非ご覧頂ければと思いますので宜しくお願いします!


※本投稿は株式会社デンソーデザイン部の自主研究活動であり、
弊社の開発案件や事業をご紹介するものではありません