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6月1日は何の日?

こんにちは!電気興業公式noteです。

今日は何の日、ふっふー♪
(どれだけの方が、このフレーズでメロディーが脳内再生されたでしょう?)

そう、6月1日は電波の日なんです。


1.6月1日は電波の日

電波法が公布されました

「○○の日」ってよくありますが、電波の日もあるんですよ。

ではなぜ6月1日なのか?

電波三法と呼ばれる、電波法、放送法、電波監理委員会設置法が施行され、電波が広く利用できるようになった日が、1950年(昭和25年)6月1日なんだそうです。

これを記念して国民の電波に関する知識の普及・向上と、電波利用の発展に役立つように制定されたのが「電波の日」であり、今年で74回目を迎えます

電気興業もこの日が創立日

で、実は当社も1950年6月1日が創立日。電波の日と同じ74歳です。
電波の日とともに、アンテナの会社として歩んでまいりました。
(いろいろ調べてみたんですが、同日になったのは偶然のようです)

さらに、当社の前身である日本無線電信株式会社の設立が1925年(大正14年)なので、そこから数えるとなんと99年目! 来年は記念すべき100周年となります。

※当社の生い立ちに興味を持っていただけたなら、こちらの記事もぜひ読んでください!

2.ルールで決められている電波の使い方

どうしてルールが必要?

さてさて、少し横道にそれましたが、携帯やTV、ラジオを使うために必要な電波、これらの使い方は法律でルールが決められているのです。

ではなぜ、ルールを決める必要があるのでしょう?
電波の周波数帯は限られており、有限な資源なのです。
無秩序に利用すると、周波数の混雑や干渉、混信が発生します。
また、通信する内容の緊急性や重要性を加味して、優先度を決めてあげないといけないですよね。

そのルールを作るきっかけとなった出来事がありました。
タイタニック号の悲劇です。

タイタニック号の悲劇と無線

1912年当時、無線機は高価で一部の客船にしか積んでいませんでした。
また、無線機が積んであったとしても、それを扱う通信士は、船舶のクルーではなく、無線会社のスタッフで乗船客の電報サービスを行うのが主業務だったそうです。

タイタニック号

タイタニック号には通信士が乗船していたのですが、やはり主業務は乗船客からのメッセージの通信業務。
タイタニックの針路上には氷山が。周辺を航行する船からは警告の無線信号が発信されていましたが、通信士はメッセージ通信業務に忙殺され、警告を受け取ることができませんでした。

そして氷山と衝突。沈没が始まったのです。

タイタニック号の通信士は通信業務を捨て、勇敢にも沈没寸前まで救難を要請する無線通信を続けました。

しかし、近隣を航行する船には遭難信号が届いていませんでした。
真夜中の事故に対して、船に乗る通信士はその日の業務を終えていたり、そもそも通信機を搭載していなかったり。。。
100キロ以上離れた海から駆け付けた船舶が救助活動を開始したのは、氷山との衝突から4時間余り経っていました。
通信士の懸命な救難要請により710名が救助されましたが、結果として1514名の方が亡くなってしまいました。

ソーラス条約(海上における人命の安全のための国際条約)

このタイタニック号の沈没事故を契機として、米国で電波法が制定され、海上安全通信の面での国際協力も進みました。
1914年には船舶の安全確保のため救命艇や無線装置の装備等の規則を定める『ソーラス条約』が締結されました。
この条約の中で、『船舶には、モールス無線電信を設置し、500kHzの遭難周波数を24時間聴守する無線当直を行い、そのための通信士を乗船させなければならないこと』と、決められたのです。

20世紀初頭の無線機

ソーラス条約が国際的な基準を示しており、その運用は各国の法規制に従って定められます。日本では電波の日に施行された電波法によりソーラス条約の要件を満たすルールが定められて、ソーラス条約の実施を支援し、監督しています。
ソーラス条約も、電波法も技術の進歩や社会の変化に対して幾度かの法改正を経て今に至ります。

利便性を高める技術、それを有効にするための制度やルール、両方が揃ってこそ社会で役立つ技術として、広く利用できるのですね。

3.私たちの生活にある電波のルール

色々なものに付いています『技適マーク』

そうそう、身近にある電波のルールで大事なこと。
『技適マーク』って知っていますか?

技適マーク

技術基準適合証明マークの事なんです。
皆様のご自宅のWi-Fiルーターや携帯ゲーム機、PCや携帯電話、
無線電波を使う電子機器に必ず表示があるはずです。
いや、無いと日本国内では法律違反になってしまうんです!

総務省が検査をして、『この機械は電波を発するけど、強い電波じゃないから他の人の迷惑にならないものですよ』と基準をクリアしているお墨付きなのです。

技適マークがない、海外から持ち込んだ機器を使っていると。。。
『電波法違反』(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金の対象となります。また、公共性の高い無線局に妨害を与えた場合は、5年以下の懲役又は250万円以下の罰金の対象となります)なので使ってはダメですよ。


最後に


さて、今回は電波のルールが決められた背景を中心にお話しさせていただきました。
身近な電波ですが、適切にみんなが使えるように、
使っている電波で問題が発生しないように、
きっちりルールが決まっているんです。

ルールが守られているからこそ、様々な機器が、無線で繋がって、
便利な道具としてつかえるんですね。

次は「電波ってなに?」と、そもそもの電波を深堀りしたお話をしますね!


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