大変だった北欧での現地就職 前編
日本から北欧へ移住しようと思い立ち、まずは転職活動を始めました。
今思うと無謀とも思える挑戦で、日本での転職活動と比べてみても比較できないほど大変でしたので、その辺を書いていこうと思います。
結果から先に書くと、転職活動は7か月間で、応募した総数は12、うち内定は2つでした。数だけ書くとそんなに悪くない気もしますが、長くなるので前編と後編にします。
具体的な内容のその前に、海外転職で必要なものについて説明します。
海外就職で揃えたもの
CV - Curriculum vitae
職務経歴書と履歴書を合わせたのようなものです。私は日本での職歴が長いため、職務経歴書のサマリーとなります。加えて自分の得意とすること、保有する資格を記載しました。写真もつけました。私はPDFで用意しました。
カバーレター
そのポジションに応募した動機などを記載します。こちらもPDF。
英語のインタビューの練習
インタビューはすべて英語でしたので、社会人的なプロフェッショナルな会話をする練習をしました。
Reference
私の身元を保証人し、私の仕事への姿勢を良い言葉で表現してくれる英語話者が必要です。一般的には自分の上司や元上司、同僚等です。私は3人(イギリス人元上司、日本人元上司、スウェーデン人元同僚)にお願いしましたが、全員がアプライ先の会社の担当者と私の身元確認のためのインタビューを受けたそうです。
くじけない心
不合格が山のように来るので、かなり強めの覚悟が必要です。
大変だったこと - カバーレター
CVは一度書いてしまえばそのまま再利用できますが、カバーレターはそうはいきません。当然ですが、毎回書きなおします。これが結構地味に大変でした。というのも、テンプレではばれます。どうしても自分の言葉で志望動機を書く必要がありますので、どうしたって時間がかかりました(日本語で書いたって時間かかります)。
また、応募した仕事はすべてオープンポジションで、リクルーターも通していなかったため、CVとカバーレターはそのまま直接ハイヤリングマネージャに送っていました。なので、名前を間違えないように、とか英語の言い回しのチェックとか(当たり前のことですが)毎回地味に結構めんどくさかったです。あと、毎回1つは面白いこと書く、という勝手なルールも作ったりして(最終的に自分の首を絞めましたが)、結構大変でした。
さあ、応募です
知り合いのEU人に添削をお願いし、修正して完了です。これでやっとCVとカバーレターを企業に送ることができます。
そしていよいよアプライ!
が.....
あら。CVが通りません。たまに通っても面接で落とされることが続きました。その後はまたCVが通りません。
なんで?
これは当然といえば当然なんです。
日本と比べてヨーロッパは全体的に失業率が高いです。日本は2.4%、デンマークでは5%、スウェーデンでは7.1%なので、日本の倍以上の失業率です。当然、国としては自国民から採用して失業率を何とか改善したい、あるいは国内にいる人、それが無理ならEU圏内、、、とEU外にいる私のような人間には圧倒的物理的ディスアドバンテージがありました。
なんで?
また、人気のポジションになると、その1つのポジションに応募が殺到します。失業率が高いEUでは何とか職を(できれば良い職を)得ようと、みんな必死です。特に北欧は他の欧州諸国と比べても賃金が高いため、熾烈な競争を強いられます。
以前同僚から聞いたことのある話では、とある会社の人気のエンジニアポジションは1名の空きに対し、65535(adobe readerで開けるMAXのファイル数)以上の応募があったと聞きました。これは極端に人気の例ですが、まさに争奪戦なのです。
なんで?
ビザがないからです。当時私は日本在住でデンマークやスウェーデンでの居住ビザも就労ビザもありません。求人のいくつかはこれが理由で断られました。ビザサポートするには企業側にもある程度の体力と財力が必要で、応募したいくつかは小さな会社だったので、返事もなく断られました。(ただしインターナショナルで大きな規模の会社であればビザサポートもしてくれます。)
基本的に会社の採用優先順位としては、同じ実力なら現地にいる人(居住していて職探し中の人)やEU圏にいる人が有利です(EU内なら移動が自由にできるため、EU外からくる人よりもかなり有利)。あと、日本ではあまり聞きませんが、北欧では社内で別のポジションに応募する、ということもよくあります。こういう社内の候補者、つまり社内に知人が多い人はどうしたって圧倒的に有利です。
と、いう結構当たり前の(でも不条理に思った)理由で、書類も面接もあまり通りませんでした。いくつか手堅いものは3次面接あたりまでは通りましたが、予想をはるかに超えて難しかったです。
たぶんよっぽど有名な論文を書いたとか、その分野で有名な著書がある、とか、Ph.Dとかであれば引く手あまたなんだろうとは思いますが私はそうではありません。
時差
めでたく書類が通りSkypeインタビューする場合、時差があるのはわかってはいましたが、これも地味に大変でした。時差8時間、だいたい夜9時以降にインタビューを受けていました。普通に働いて、帰ってきて、英語でインタビュー、、、って、まぁほんとに疲れました。
後編に続きます。
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