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「虚」の世界のほうがうまくいく人々

「虚実ないまぜ」といいますね。
この世界は「実」があれば「虚」もあるようです。
「実」の世界を生きる代表は、かなり昔のはなしになりますが
たとえば、江戸時代だと徳川家康とか二宮尊徳みたいな人といえるでしょうか。
分かりやすくいえば、政治・経済・法律などの実力者です。

世の中(人間界)はどちらかといえば「実」の世界の原理で動いているので、これらの実力者は影響力があるのです。

しかし、「実」の世界しかなければあまりに世は息苦しく
「実」の世界はしばし「現実」だったり「必要悪」みたいに考えられているようです。

反対は「虚」の世界で、これも古い例になりますが
たとえば紫式部の『源氏物語』とかは思いっきり「虚」の世界でしょう。
歌舞伎なども洗練されすぎて一見「実」の様相を呈していますが
本来は、ああいった演技性の世界は「虚」の世界です。
葛飾北斎だとか渡辺崋山の絵画なども「虚」の範疇だと考えます。

大半の人は自分の分を悟ると「実」的に生きようとすると思います。
誠「実」・堅「実」・「実」直……
こうであったほうが、足元は掬われにくいとは思います。

ただ、いわゆる「実」の世界の典型を「実業(界)」だとすれば
そういった「実」の世界だと正直分が悪い人もそこそこの数いると考えます。

たとえばテレビ俳優とかは、演技ですから「虚」なのです。
でも、下手に「実」の世界で実直に生きようとするより
「虚」の世界で自分を打ち出した方がうまくいく人もいるんです(市場の状況とかにもよりますが)

「虚」の世界とは「虚」である故に、あるうやうやしさが出てしまう場合もあります。
気持ちにぽっかり穴が開きやすい世界だともいえます。
仕事もきたりこなかったり、売れたり売れなかったり浮き沈みがあります。
しかし、ある程度の年数が経てば板につく場合もあります。
たとえば、明石家さんまが、一般の実業界で実直な生き方を志したら、そのほうがうやうやしいですよね。
こんな感じで「実」の世界より、「虚」の世界のほうが向いてる人もいるんです。

もちろん「虚」の世界は大御所にでもならない限り安定もしませんし、孤独をかこつことも多いですし、いろんな意味で不安定なので、やたらにおすすめもできないのですが
「実」の世界で自分を打ち出すのはハッキリ向いてない人もいます。
ペコペコあたまを下げるほうが大成する人がいるのも確かでしょう。
しかし、ある種のことをやってる限りどうにもなんない人がいるのも確かです。

演技は「虚」の世界ですし、作家(漫画家・映画監督なども含む)も「虚」構の世界ですし、その他絵画やイラスト音楽なども「虚」の範疇でしょう。
その他売文・思想・思考・哲学やマスコミなども一部「虚」の世界でしょう。
たとえばですけど
生まれに傷があったりすると、これはもう「実」の世界で大成するのは、ひょっとするとかなり厳しいとも言えます。
何をやっても「妾の子でしょう?」とか言ってくる人に常時足を引っ張られる形になりますと、それを上回るパワーが必要になります。
それは大変なことで、まさに二宮尊徳ばりの器が必要になるかもしれません(二宮尊徳が妾の子だといってるわけじゃありません)

「虚」の世界は、SNSとかネットの発達で、メジャーなメディア(誰もが見るメディア)が崩れてしまって、以前よりは大当たりとかをするのには難しい状況にあると思います。
まったく収入にならない場合もあるでしょう。

でも「実」の世界がその分容易になってるわけでも全然ないんで同じことだと思います。

大半の人が30をすぎたあたりで自分の分を悟ると、「実」の世界で「実」直に生きた方が無難だと考えるかもしれません。
でも、世の中は「実」の世界だけでできてるわけでもないですし
資質や生まれ的には「虚」の世界のほうが向いてる人もそこそこの数いるわけです。
「虚」に賭けて大失敗することも当然あると思うので、そんなに積極的にすすめることもできないんですが
「実」の世界は「実」は向かないのに(洒落ではありません)「実」の世界で踏んばってる人も結構いますよね。

今日は「虚」の世界のほうがうまくいく人々でした。

───END───

(あとがき)
向こうしばらく、ストック(下書き)がムダに溜まらない方向を目指そうと考えています。

(書き終わり)
2022年9月23日午後19時47分
(書き始め)
2022年9月23日午後18時15分

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