『シリアからきたバレリーナ』読書日記
去年復帰した子どもの本の会では、毎年「おすすめ絵本のリスト」を作ります。選書もしている図書室係の会員が、新しく入った絵本を中心に、まずはたくさん選んでくれます。
会員は、まずはそれを読んで、〇△×とコメントを書いていくのです。そしてみんなでリストに入れるかどうかを決めていきます。
少し大きい子向けのなかに、この本がありました。読み物です。
あらすじ
シリア人の少女アーヤはバレエが大好き。しかし、内戦でシリアにいられなくなり、家族でシリアを脱出する。途中、父親と離ればなれになる。ようやくイギリスのマンチェスターに辿り着くが、母親は体調が悪く、赤ちゃんの弟をつれて、難民支援センターに通っている。
そこにあったバレエ教室で、友達や先生に会い、バレエを踊ることで、自分らしさと元気を取り戻していく。
私の感想
何気なく読み始めましたが、引き込まれました。最後は泣けました。
まず思ったのは、困難の中でも家族を思い、一生懸命な少女アーヤの健気さです。心の動きがとてもよく書かれています。
そして、難民という現代社会の問題、翻弄される理不尽さ。
バレエ教室で出会う人たちも、生き生きと描かれています。特に友だちになるドッティなど、個性豊か。好きなもの、拠り所となるものがあることの強さも感じました。
パパも素敵。離ればなれになって、悲しい。
この本はどのくらいの子が読むのでしょうか。読んでみて、と言いたい。
内戦とか難民とかは、物語の背景です。それでも少し重たく感じるでしょうか。
希望とあたたかさと人間性に満ちた、2020年〈カーネギー賞〉ノミネート作品。(Amazonの紹介文から)
*ヘッダー、お借りしました。子どもの頃、本が大好きだったそうです。
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