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小林秀雄を読む日々

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『小林秀雄全作品』全32巻を、あきれるほど丁寧に読んでいきます。まず「『私の人生観』にたゆたう」を完結。新連載を準備中です。
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2023年3月の記事一覧

「人」が「生」きるうえでの「観」方

ちょうど5か月かけて読み、およそ100回にわたって論じてきた小林秀雄の『私の人生観』。あら…

既視の海
1年前
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全体を読み返してこそ熟読玩味できる

およそ5か月にわたって読んできた小林秀雄『私の人生観』を、いま一度全体を読み返してみて気…

既視の海
1年前
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描いたのは「俺流の肖像画」ではなく、小林秀雄の自画像

およそ5か月にわたって読んできた小林秀雄の講演文学である『私の人生観』を、あらためて通読…

既視の海
1年前
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みずから考え、工夫し、つくり出す思想を持て

小林秀雄を私淑する哲学者の池田晶子によれば、哲学は「在る」ものではなく、哲学を「する」も…

既視の海
1年前
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ジャーナリズムは「とってつけた」他人の思想を語っているだけだ

先の戦争では、江戸時代に武士の心得として書かれた『葉隠』における「武士道と云は死ぬ事と見…

既視の海
1年前
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『葉隠』、宮本武蔵、そしてスティーブ・ジョブズへたゆたう

戦争中に、従軍記者をしたり、兵士相手に講演をした小林秀雄は戦後、軍国主義プロパガンダに加…

既視の海
1年前
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生きた人生そのものがロジックであり、思想である

宮本武蔵は兵法を極める方法論をもって自らの思想をつくり、「器用」を極めたものが国の指導者たらんと語った。そんな指導者観をもって小林秀雄は先に「政治家は、社会の物質的性質の調整を専ら目的とする技術者である。精神生活の深い処などに干渉する技能も権限もない事を悟るべきだ」(『私の人生観』「小林秀雄全作品」第17集p172)と語り、後には「政治は、私達の衣食住の管理や合理化に関する実務と技術との道に立還るべきだ」(『政治と文学』「小林秀雄全作品」第19集p110)とも指摘している。

必要なのは、「器用」をきわめる名人であって、己を知らない指導者ではない。

宮本武蔵は、兵法を極める手法をもって諸芸をも極め、自分を鍛練することで、みずからの思想を…

既視の海
1年前
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指導者こそ、人生観を持つ事に勝たねばならない

小林秀雄は、宮本武蔵が兵法の方法論をもって様々な芸事をも極めたことについて、「器用」を追…

既視の海
1年前
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