いわなくっても、　わかると　おもって　いたんだね。

お天気のいい日曜日の朝。ぽかぽか陽気であったかいリビングで娘がハキハキと音読をしている。私は台所仕事をしつつ耳をかたむける。

娘が音読しているのは、「ずうっと、ずっと、大すきだよ」という飼い犬エルフが年老いて死んでしまうお話。

娘の音読を聞いていてドキッとした。

みんなは、エルフのこと、大すきだった。
すきなら　すきと、いって　やれば　よかったのに、
だれも、いって　やらなかった。
いわなくっても、わかると　おもって　いたんだね。

父のことを思った。

お父さんのこと大好きだった。でもこれってお父さんに伝わってたのかな。

わたしの大好きな気持ちやたくさんのありがとうをお父さんは知っていたかな。

もっともっと言葉にして伝えておけばよかった。

生きているうちにちゃんと伝えておきたかった。

みんな思っているんじゃないかな。身近にいる大切な人ほどいわなくてもわかるでしょ。って。

でもこれからわたしは、大切な人にわたしの言葉でちゃんと伝えたいと思う。

大すきとありがとう。

恥ずかしがらずに伝えたい。
だって大すきだし。感謝の気持ちでいっぱいだから。知ってほしい。

あなたのおかげでわたしはとっても幸せだってこと。