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コラム「あなたは目玉焼きに何をかけますか?」

日本の昔話には桃太郎という有名な話があります。
これを自分なりに変えてみたらどうなるかと思い書いてみることにしました。

むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯にいきました。
お婆さんが川で洗濯をしていると大きな桃が流れてきました。
その桃を家に持って帰り切ってみると中から赤ん坊が出てきました。
赤ん坊は桃太郎と名付けられました。
おじいさんとおばあさんに育てられた桃太郎はすくすくと育っていきました。
桃太郎はおじいさんの手伝いをするために一緒に芝刈りをしたり畑を耕すことで大きくて逞しくなりました。
それにお爺さんは昔はお侍をしていて剣術の達人でしたから剣の修行もしてもらったので戦うのがとても強くなりました、今では熊でも一撃で倒せます。
桃太郎はおばあさんの手伝いもしました、そのおかげで炊事洗濯掃除もできるようになりました。
それにおばあさんは昔先生もしていたので勉強も教えて貰うことができました、今では文字を書いたり読んだりもできるようになりました。
そんな風に桃太郎がおじいさんとおばあさんと一緒に平和に暮らしているとある噂が聞こえてきました。
なんでも鬼ヶ島に住んでいる鬼が悪さをして人々を苦しめているらしいのです。
それを聞いた桃太郎は思いました。
「私はおじいさんとおばあさんに助けて貰ったから幸せになれた、だから今度は私が困っている人達を助けてあげたい」
けれども桃太郎が旅に出るとおじいさんとおばあさんが寂しくなるかもしれません。
桃太郎は悩みました。
そんなある日の夜、おじいさんは言いました。
「桃太郎、お前も立派に成長した。もうそろそろ家を出てもいいんじゃないか?」
おばあさんも言いました。
「桃太郎がみんなを助けに行きたいのは私達はとっくに分かっていますよ、私達に遠慮しないで行きなさい」
おじいさんとおばあさんがそう言ってくれたので桃太郎は旅立つことにしました。
そして旅立ちの日が来ました、おじいさんとおばあさんが見送ってくれます。
おじいさんは昔自分が使っていた名刀を桃太郎にくれました、この刀で鬼を切りまくるがいいと言っています。
おばあさんは怪我をした時の薬やお金、それにきびだんごをくれました、くれぐれも無理だけはしないようにと言っています。
「おじいさん、おばあさん、では行ってきます」
こうして桃太郎は旅に出ていきました。
旅をしていると色々なことがありました、山賊が襲ってきたり狼が襲ってきたこともありました。
けれども桃太郎はおじいさんに教えて貰った剣術で次々に倒してしまい問題なく進んでいきました。
ある日桃太郎は倒れている侍を見つけました。
「大丈夫ですか、しっかりしてください」
侍はお腹が空きすぎて動けなくなっていたようでした、仕方ないのできび団子をあげることにしました。
侍は言いました。
「ありがとうございました、私は犬飼という者です、あのままなら死んでしまうところでした、あなたに恩返ししたいので家来にしてください」
こうして犬飼は家来になりました。
二人で旅をしていると山道を歩いている時に忍者が襲ってきました。
「お前が桃太郎だな、有り金全部奪わせて貰う」
忍者はとても動きが速かったですがおじいさんほどではありませんでした、なので桃太郎はあっさり勝ってしまいました。
「どうしてこんなことをしたんだ」
桃太郎が訳を聞くと忍者は言いました。
「私は一流の忍者でした、でもあまりにもなんでもできたから殿様が私のことが怖くなって追い出されてしまったのです、それで仕方なくこんなことをしました」
それを聞いた桃太郎は仕方ないのでお金ときび団子をあげることにしました。
忍者は言いました。
「ありがとうございました、私は猿飛という者です、お礼にあなたに仕えさせていただきます」
こうして家来が二人になりました。
それから三人は旅を続けました。
ある日、三人は町に到着しました、桃太郎は大きな町は初めてなのでワクワクしました。
あちこちを三人で見ていると大きな道の真ん中で大きな体のお坊さんが鞭で叩かれているのを見つけました、血が出ていてとても痛そうです。
「どうしてこのお坊さんは叩かれているんだ?」
桃太郎が聞くと町の人が言いました。
「このお坊さんは店で沢山ご飯を食べたんだ、そして食べ終わったらお金を払わずに逃げようとしてな、捕まって罰を受けているんだ」
桃太郎は、私もおじいさんとおばあさんに助けて貰わなかったら自分もこうなっていたかもしれないなと思えてしまい助けることにしました。
まず桃太郎はお坊さんが食べた分のお金を払いました、これでもうお坊さんは叩かれないで済みます。
そうしたら今度はおばあさんにもらった薬で怪我の手当をしました。
お坊さんは泣きながら言いました。
「ありがとうございました、私は雉野という者です、最近はまったく食べ物がもらえてなかったのでついつい悪いとは思いつつこんなことをしてしまいました、本当に助かりました」
泣いている雉野に桃太郎は言いました。
「このきび団子でも食べると良い、お腹が膨れれば大抵のことはなんとかなるものだ」
「ここまでしてもらったらなんとしても恩返ししないと気が済みません、家来にしてください」
こうして家来は三人になりました。
四人は旅を続けてようやく鬼ヶ島の近くまで来ました。
鬼ヶ島に行くには海を越えないといけません、なので四人は近くの港で船を借りました。
「それではみんないくぞ」
鬼ヶ島に到着するとすぐに鬼が出てきました、体が見たことも無い色をしていて着ている服も見覚えがありません、これが鬼なのかと桃太郎達は思いました。
桃太郎と犬飼は剣術を使い、猿飛は忍術を使い、雉野は棍棒を使って鬼と戦いました。
やがて桃太郎達は鬼を懲らしめることができました。
「どうしてお前達はこんな悪いことをするんだ」
桃太郎が聞くと鬼達は話し始めました。
すると大変なことが分かりました、桃太郎達が懲らしめたのは鬼ではなかったのです。
彼らは日本とは違う国の人間で少し前までは船で世界中を旅していました。
しかしある日大きな嵐に遭って日本の鬼ヶ島まで流されてきてしまいました。
しかもその時に船が壊れてしまいました、これでは出航したくてもすることができません。
それで鬼ヶ島で生活することになりました。
鬼ヶ島には食べる物が無いのでそのあたりに住んでいる村人と話し合いをして食べ物を分けて貰おうとしましたが村人は外国人など見たことがありません。
近づいても鬼が来たと言って逃げてしまうので仕方なく勝手に食べ物を持って行くのでした。
「そうだったのか、鬼では無いのなら殺すわけにはいかないし助けてあげないと、この桃太郎にまかせるといい」
桃太郎は殿様に鬼を退治したことを伝えると褒美に沢山のお金をもらいました。
それから鬼ヶ島の近くの港に行くと港の人達に説明しました。
あの人達は鬼では無いこと、船でまた旅に出たいと思っていること、船さえ治れば鬼ヶ島からいなくなること、そうするために船を治すのを手伝って欲しいこと、手伝ってくれるならお礼にお金も払うこと。
全部話して家来達と一緒にお願いしました。
港の人達は桃太郎さんがそこまで言うなら、と言って手伝ってくれることになりました。
それから桃太郎達と鬼ヶ島に住んでいる外国人の人達、そして港の人達は力を合わせて頑張りました。
それから何年もたった頃にようやく船が治りました、これでまた外国人達は出航することができます。
桃太郎達は船が治ったのでお祝いをすることにしました、みんな仲良く食べたり飲んだりしています。
何年も一緒に頑張ったせいで今では外国人達と港の人達は凄く仲良くなりました、今では別れるのが寂しいと言って泣いている人もいます。
桃太郎もこれで外国人の人達とお別れだと思っていると意外なことを言われました。
「桃太郎さん、私達の船のキャプテンをしてくれませんか?桃太郎に私達の指揮をしてもらいたいのです」
今まで船の修理の指揮は桃太郎がしていました、その時の頼もしさせいで外国人の人達は桃太郎と一緒に旅がしたくなっていたのです。
それを聞いた桃太郎は思いました。
「この海をどこまでも旅していけるならどんなにいいだろう」
家来達も桃太郎と一緒に行きたいと言ってくれました、こう言ってくれているんだからみんなで行きましょうと乗り気でした。
ですが桃太郎には一つ気がかりがありました。
「もしこのまま海に出ればもうおじいさんとおばあさんには会えないかもしれない、どうしよう」
悩んだ桃太郎はおじいさんとおばあさんの住む家に一度帰ることにしました。
桃太郎が二人に相談すると二人は言いました。
「お前の人生はお前のためにあるんじゃ、儂らのために使ってはいかんよ、それに儂らの子供なら日本一の桃太郎で満足しないで世界一の桃太郎になるとええ」
「そうですよ、それに子供はいつか旅立っていくものなんだからそれでいいのよ、あなたの好きなように思うままに精一杯生きればそれが私達の幸せなのよ」
二人にそう言われた桃太郎は旅立つことにしました。
空が晴れ渡り雲一つ無い日に桃太郎達は船出することになりました、桃太郎達が今まで知り合った人達が桃太郎達の船に向けて手を振っているのが見えます。
「それではこれより世界一の桃太郎は行って参ります、皆さんお元気で、いざ出航せよ」
こうして桃太郎達の乗る船は大海原に旅立ちました。
この先色々と大変なことが起きるかもしれません、ですが桃太郎はみんなと一緒ならなにも怖くないと思うのでした。



大分変わったような気がしますがこうなりました。
ではまた






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