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DAO化による社会実装の可能性

DAOと聞いてみなさんは具体的なプロジェクト思い浮かびますか?

DeFiを積極的に利用されている形であればなんとなくイメージはつくかもしれません。しかし、DeFiプロジェクトに実際に触れたことがない方々は、DAOというキーワードは見聞きしたことがあるかもしれませんが、実際の定義やどんなプロジェクトがあるのか分からないですよね。

そこで、今回はDAOについて簡単に紹介していきたいと思います。


そもそもDAOってなに?

DAOとは、Decentralized Autonomous Organization(分散型自立組織)の略称で、定義としては「特定の所有者や管理者が存在せずとも、事業やプロジェクトが回る仕組みや組織」を言います。

皆さんが日々何気なく使っている「Wikipedia」。

様々な定義はありますが、WikipediaもDAOと言って良いのではないかなと個人的には思っています。

「インターネット上に百科事典を作るぞ!!」

と意気込んで設立されたWikipedia、

  • 誰でも編集できて、誰でも管理できる

  • 参加不参加自由

  • ページの管理者も立候補または推薦で選ぶことが可能

  • 寄付を募って広告を頑なにはらない

世の中に浸透している分散型自立組織としては一番有名なのではないでしょうか。

DAOってなんだっけ?と思ったら、難しいことは気にせずWikipediaを思い浮かべていただければ良いです。

次に、DAOの特徴です。以下に3つだけ覚えておいてください。

  1. 特定の所有者や管理者が存在しない

  2. ブロックチェーン上に存在し、契約が「スマートコントラクト」によって実行されるため、透明性が高く公平な意思決定が可能

  3. ガバナンストークンが発行され、各個人が決定権を持ち、DAOが行う意思決定に投票可能

どんなプロジェクトがあるの?

DAOのプロジェクトですが、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。例を用いて紹介していきたいと思います。

【Nouns】

プロジェクト概要

【プロジェクトの目的】
Nouns NFTの価値を高め、個々個人が二次制作品でマネタイズを行うため

【DAOの内容】

  1. 24時間毎に1つのNounsが自動生成される

  2. Nounsの売上はトレジャリーに100%入る

  3. NounsNFTはフルオンチェーンで政策

  4. 議決や提案の採否はNounsホルダーが決める

  5. パブリックドメイン採用

32×32ピクセルのドット絵NFTのNounsを中心に形成されているDAOです。

特徴としてはNounsは著作権による利益放棄を宣言しているため、自由に二次創作やコラボ作品を作成できます。なのでNounsホルダーは自由に二次創作し、自身でマネタイズを行うことが可能となっております。

【山古志DAO】

URL: https://www.city.nagaoka.niigata.jp/shisei/cate08/file/inobetiku-06.pdf

プロジェクト概要

【プロジェクトの目的】
限界集落の地域づくりのため。バーチャル上にコミュニティを形成し、現実の山古志地域にある地域課題の解決や活性化を促すため。

【DAOの内容】
立場や地位、物理的制約を超えて「想い」に共感したメンバーがあつまり、自立的にアクションすることを目指す。
・デジタル村民に一部予算執行権限を付与
・山古志デジタル村民総選挙
・売上の30%を活動費として付与

自治体で初めて立ち上がったDAOです。
山古志村は、人口800人しかおらずいわゆる限界集落ですが、DAOを活用して移住ではなく、デジタル村民を集めてデジタル上にコミュニティを形成しました。

過疎化が進み若者の移住もなかなか増やせない地域ではデジタル上でコミュニティを形成する。そのための手段としてDAOを活用するというのは非常に有用だと思います。

DAOの社会実装 ーDAOは有効か?ー

特に、山古志村のDAOをピックアップし、自治体としてDAOは有用か否か?という点に言及していきたいと思います。

皆さんも日本在住であれば、どこかの市区町村にお住まいかと思います。
自治体は皆さんの生活基盤を支える重要なセクションを担っており、ヒト・モノ・カネ・情報を集め、市民や地場に根付いた企業、地域活性のために活用することを業としております。

自治体の施策の中でも今、あまり上手く出来ていないのが、

  • 関係人口を増やして市外の方が市内に足を運びお金を落としてもらうこと

  • 市役所に来ない住民のニーズを知ること

の2点です。

これらの点について、DAOを立ち上げ、NFT等を活用することで

  1. デジタルの力で関係人口を増やすことができる

  2. NFTホルダーはパブリックチェーンでウォレットを特定できる

  3. 市民に無償で配布することで自動的に市民ID付与

ができるようになり、自治体がDAOを立ち上げる良いきっかけづくりとなります。

関係人口は多くの自治体で統計や推測で出していますが、NFTを発行して持ってもらうことで、関係人口をピンポイントでかつ、アカウントを特定することができるようになります。

また、DAO参加時にウォレットだけでなくメールアドレス等を取得することができれば、ホルダーに対してふるさと納税等の案内を出すことが可能となります。

市民においては、住民記録を見て、無償でQRコードを自宅に配布してID付与することが可能となります。

その上で、当該DAOのNFTをIDとして様々な自治体サービスや地場民間企業のサービスを受けられるようにすることで、市民満足度の向上や関係人口の方々との接点を継続的に持つことが可能となり、地方創生に繋がる事が期待されています。

自治体がDAOコミュニティを構築することは、今後の自治体運営にとっても非常に有益になると考えられます。

(文:武田)

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