かずしげ

生命科学系の大学院出身で金融サラリーマンの33歳。時たま見かけた論文なんかを中心に、日…

かずしげ

生命科学系の大学院出身で金融サラリーマンの33歳。時たま見かけた論文なんかを中心に、日々考えを整理するためのノート。

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生命を科学するということ #1

筆者について簡単に自己紹介してみると、こんな感じの人間になります。 名前:かずしげ 年齢:1989年生まれ(2020年6月現在31歳) 出身:東京生まれ、マレーシア・クアラルンプール育ち 学歴:名古屋大学・東京大学大学院 専門:分子生物学・神経科学 職業:金融マン 興味があること:生命科学 大学院を卒業するまで、サイエンスの世界で生きていきたいとずっと思っていましたが、ひょんなことからアカデミアをドロップアウトし、新卒で金融機関に入社。以来、業務的にはずっとD

    • 一年の計は元旦ではなく晦日にあり

      昔から、何か計画を立てて物事を進めるということが苦手だ。 よくある学校の試験週間など燦々たるもので、中学生か高校生の頃なんて思い出すだけで穴があったら埋めたいレベルである。1週間だか2週間だか忘れたけれど、テスト週間に突入する前に、全員一斉に勉強計画を立てる時間のようなものが読者諸賢の経験にもあったかと思う。無駄に自身の能力を過信するあの瞬間は誰もが味わったことのある感覚ではあるまいか。これまで大して勉強してこなかった自分が、何故あの瞬間だけ勉強できると思っちゃうのか、マジ

      • 本を「最後の一文から読み始める」という困った癖を20年間続けて、何かに気が付いた話

        筆者には昔から、それ変だよ、と言われ続けている癖が1つある。 以前、上記の「大人の読書感想文を始めて、過去の自分と出会えた話」でも述べたように、筆者はこれまで、読書好きをただアピールしたいだけの"積ん読"主義者だった。(積ん読については、オモコロのこの記事をぜひ参照いただきたい。筆者も一言二言あるが、ここではその役目はオモコロに任せ割愛することとする。) とにかく、筆者にとって本はファッションアイコンであり、本を読んでいる自分はカッコいいハズ、そんな気がしてやまないのだけ

        • 旅を奪われた世界で、旅に出る理由に気づかせてくれた本に出会えた話

          人生で初めて旅に出たのは、いつのことだったろう。 きっと、岡田さんに言わせれば、それは小学校の日常的な普段の登下校から既に始まっているものなのかもしれない。そう言われればそんな気もしないでもないけれど、今日は僕なりに素朴に考えてみたい。そもそも旅って、何だろうか。 あまり胸を張って言うことでも無いのかもしれないが、筆者もご多分に漏れず旅が好きだ。というか、"旅が好きだ"という体で今まで生きてきた。 中高生の時には沢木耕太郎の深夜特急に憧れ、大学に合格していの一番に、バッ

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        生命を科学するということ #1

        • 一年の計は元旦ではなく晦日にあり

        • 本を「最後の一文から読み始める」という困った癖を20年間続けて、何かに気が付いた話

        • 旅を奪われた世界で、旅に出る理由に気づかせてくれた本に出会えた話

          「学生ブログランキング」の思い出 果たして彼らはどこからやって来て、どこに行ったのか

          ただひたすらに、何かを書きたい衝動にかられる時がある。 記憶によれば、筆者が高校生〜大学生の頃に「学生ブログランキング」が流行っていた。それこそ、筆者が大学受験を迎えた年の前後、2005年-2008年くらいが流行のピークではなかったかと記憶している。一世を風靡した「生協の白石さん」が2004年であったことを考えると、なるほど、その後に学生ブログブームが訪れるのが自然な流れだったとして、確かに、そのくらいの出来事だったと考えるのが妥当であるように思う。 その一角に、「学生ブ

          「学生ブログランキング」の思い出 果たして彼らはどこからやって来て、どこに行ったのか

          大人の読書感想文を始めて、過去の自分と出会えた話

          初めてその単語を聞いた時は、恥ずかしいかな、卑猥な何かかと思っていた。 子どもの頃には読めなかった本を読んでみないか、と彼は言った。僕はイマイチ趣旨がよくわからなかったので、面白いことなら何でも良いよ、と答えた。大人の読書感想文、彼は確かにそう言っていたと思う。 ご多聞に漏れず中高生の時にかぶれていた僕は、中二病全盛期の時にも、事あるごとに読書が趣味だと答えていた。サッカー部でバリバリならしながらも「読書もできちゃいます」アピールがカッコイイと信じて疑ってなかった。実際今

          大人の読書感想文を始めて、過去の自分と出会えた話

          朝活へのジレンマ

          昔から朝が苦手だ。 最近好んでyoutubeを見ているAKIOBLOGさんが、朝活で何やら喋るという。場所は全都民の憩いの場、新宿御苑である。"朝活"という言葉ほど近寄り難いものはないと思っている筆者は、これまで何度も朝活にチャレンジしてはその度に苦渋を舐めさせられてきた。全く続かないのである。ちなみにいつだったかもう忘れてしまったけれど、それこそ一時期、新宿御苑にはまり、日曜日の朝に燦々と溢れる木漏れ日のもと、ただひたすらドストエフスキーの罪と罰を読みふけるという奇行に走

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          ヴァナ・ディールの思い出 続く世界の旅の終わりに

          2003年、夏。 その年は記録的な冷夏で、やけに涼しかったことを今でもよく覚えている。中学3年生だった僕はその日、中学校の最後の部活の大会で負けた。3年生だったから、引退して高校受験の勉強に向かうことが決まった日だった。正直部活ばかりやっていたから、その日から学校が終わったら帰っていいと言われても何をして良いかわからず、手持ち無沙汰で母親に怒られながら毎日テレビばかり見ていた。そんなある日ふと目に映ったのが、ファイナルファンタジー11のCMである。 思い出した。 ゲーム

          ヴァナ・ディールの思い出 続く世界の旅の終わりに

          「科学」は誰のものか Open Accessと市民サイエンティスト

          大学を卒業して久しい筆者が、サラリーマンとして週末にサイエンスを嗜むにあたって、事あるごとにぶつかり悩む壁がある。それが、表題にある「オープンアクセス」の問題だ。 「科学」はタダではない。実験設備、試薬等から始まるラボの運営費、大学によっては居室の光熱費も実費。筆者が学生時代を過ごしたラボでは、真夏でも節約のために居室のエアコンは原則つけられず、ただ根性でひたすら耐えていた。地球のためではない、ラボの運営費がもったいないからだ。当然、快適な温度でエアコンを全開にして良いのは

          「科学」は誰のものか Open Accessと市民サイエンティスト

          新しい学問が生まれる瞬間を見ている感覚

          風の噂で、生命科学クラスタで最近「相分離生物学」という言葉が流行っていると聞いた。学部の時の同期で現在大学で研究者をやっている友人曰く、最近のホットワードらしい。生命科学を卒業して10年、聞いたことのない単語自体に久しぶりに接した僕は、少し興味を抱いた。 早速wikipediaを見てみる。「相分離生物学」そのもののページはない。代わりに「相分離」が目につく。しかし開いてみると、 "相分離(そうぶんり、英: Phase separation)は、単一の均一混合物からの2つの

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          流行に極めて疎い僕ですが、初めてノートを作成してみる。 これまで、ブログなるものを気ままに書いては消し、書いては消し…みたいなことをやってきたけれど、自慢ではありませんが長く続いたことは一度もありません。 昔から飽き性で、何かを続けることが苦手だった自分ですが、ここだったら書きたいものを自由気ままに書き続けることができるだろうか。そんな淡い期待を抱いて筆をとった次第。 30歳を過ぎて、自分の人生の程度というかなんていうかが、なんとなくわかってきたのか、最近は特にワクワク

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