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吉濱ツトムさんの第一作目~『アスペルガーとして楽しく生きる』感想

発達障害カウンセラーである吉濱ツトムさんの第一作目の著書、『アスペルガーとして楽しく生きる』を紹介します。

吉濱さんは小学校4年生まで自閉症でした。バスの接触事故に遭ったことをきっかけに、自閉症から一転、アスペルガー症候群の特性が強烈に表れるように。身体の不調や悩みを抱えていましたが、19歳から自己改善に取り組むことにより、症状が劇的に改善。26歳で社会復帰を果たしました。

現在は発達障害カウンセラーとして、個人セッションを行うとともに、著書やYouTubeやTwitterなどで情報発信を積極的に行っています。

本書では吉濱さんの体験談が生き生きと書かれてあると共に、発達障害の具体的な改善方法が紹介されています。

発達障害を改善させる6つのポイント


発達障害は体系的かつ実践的なメソッドを使えば改善できることを、吉濱さんは本書において主張しています。

発達障害というと、とかく精神論や愛情の問題、根性論に結びつける人が多くて困ります。どうか皆さん、そんな言葉に惑わされないでくださいね。発達障害は心の病気なんかじゃありません。これは脳機能の問題です。発達障害であっても、体系的かつ実践的なメソッドを使えば、社会への適応力を向上させることができます。努力のベクトルさえ間違わなければ、確実に効果は出るのです。

アスペルガーとして楽しく生きる

では、どこに向かって努力のベクトルを向ければいいのか。ポイントとなるのは以下の6点です。

  1. 生理学に基づいた健康法

  2. 環境を変えることで行動を変える(環境圧力)

  3. 行動を変えれば心も変わる(行動療法)

  4. ものごとを正しく受け止める(認知療法)

  5. 体を鍛える(肉体強化)

  6. 具体的に生活の中に取り入れる(習慣化)

特に、1.の項目では毎日の食事を変えることを推奨しています。具体的に言えば、「一日一食」「ローカーボ食(糖質制限食)」「必須栄養素のサプリメントの大量摂取」です。

私自身、お米と小麦のアレルギーが数年前に発覚したため、ローカーボ寄りの食事を心がけるようになりましたが、食べ物を変えると体も変わると実感しています。

1~6の項目だけを見ると、「わ!難しそう!自分に実践できるかな?」と思う人もいるかもしれませんね。でも、道理にかなった改善方法なので、生活に取り入れやすいです。

アスペルガー症候群の5つの長所


本書ではアスペルガー症候群の長所も、1章分まるまる使って紹介されています。例えば以下のように。

  1. 社会通念に対する意識が高い

  2. 意志力、継続力、習慣化力が高い

  3. 知識欲が強い

  4. 純粋、素直な人が多い

  5. 他者に優しく、親切である

アスペルガー症候群というと、どうしても短所が目立ってしまいがち。本書で取り上げられている長所は、当事者にありがたく響きます。自己肯定感を高めるきっかけになるに違いありません。

発達障害の改善例も盛りだくさん


吉濱さんの個人セッションを受けて改善された人の例も、本書にたくさん掲載されています。子どもと大人の両者の例が充実しているため、発達障害のある人はもちろん、その親御さんや支援者の方にも参考になるのではないかと思います。

まとめ

吉濱ツトムさんの著書『アスペルガーとして楽しく生きる』を紹介しました。

発達障害を改善させる具体的な方法や、実際に改善した人たちの例が、本書には充実しています。アスペルガー症候群の長所も書かれているため、当事者にはうれしいです。

世の中には何100冊も、発達障害の改善方法が書かれた本が出版されていますが、本書以上に心強い本は、そうそう見つからないんじゃないかと思えるくらいおすすめです!


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