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発達障害を和らげる方法

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ASD/ADHD当事者の実体験をもとに、発達障害の生きづらさを軽くするコツを紹介中。
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#読書感想文

『発達障害の私がほっと楽になる…』読書感想文・大公開!(1)

『発達障害の私がほっと楽になるコミュニケーション』という本を、6月にKindleで自己出版しました。著書名の通り、発達障害のある当事者として、会話が楽になる方法を提案している本です。 出版以来、多くの方から感想文をいただきました。メールを送ってくださった方、noteやブログなどで紹介文を書いてくださった方……私が強くお願いしていないにもかかわらず、温かく思いのこもった感想を伝えていただき、こちらが驚いたほどです。 最初のうちは、感想をこっそり独り占めしようと考えていたので

発達障害で悩む心が励まされた…読書感想文のまとめ

私に発達障害があると知ったころ、私は発達障害にまつわる本を読みあさりました。1年間で30冊以上は目を通したと記憶しています。 読書により得られたメリットは、計り知れません。 発達障害についてよく知らないまま、診断書という医師からのお墨付きをいただいた私は、たったひとりで沙漠に放り出されたようなものです。そのような私にとって、活字はオアシスから湧き出る水のようでした。 本は地図というより水のようだと感じることがあります。本には私が求めている目的地や行き方は、ダイレクトには

「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック

発達障害のある人は、得意なことと苦手なことの差が激しいという特徴があります。しかも困りごとは人それぞれ。ケアレスミスが多い人もいれば、人間関係で悩んでいる人もいます。それでも「苦手なことを工夫して何とか乗り越えたい!」という思いは、当事者の誰もが抱いているのではないのでしょうか。 そんな当事者に向けて、数多くのライフハック本が出版されていますよね。これから紹介する、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(姫野桂:著)も、そのうちの一冊です。ひと

『発達障害サバイバルガイド』感想…イチ押ししたい3つの理由

「片づけが苦手」「お金の管理が難しい」「眠れないし休めない」……誰もが当たり前にやっていることが、なぜか自分だけできないと悩んでいるあなたへ。 『発達障害サバイバルガイド』(借金玉:著)を、ぜひ手にとってみて欲しいです。著者名だけ見たら、思わず身を引いてしまうかもしれませんが、内容はすごくマジメです。発達障害のある方やグレーゾーンにいる方にはもちろん、仕事や生活がうまくいっていない方にも参考になると思います。 「この困りごとは、こんな風に切り抜けることができるのだな……」

『アルジャーノンに花束を』に凸凹な私が魅かれた理由

『アルジャーノンに花束を』は、アメリカの作家ダニエル・キイスによるSF小説です。1959年に中編小説として発表されて、1966年に長編小説として改作されました。日本では2回(2002年と2015年)ドラマ化されているので、ご覧になっている人もいるかもしれませんね。 私は高校生の時に、この小説に出会いました。ページをめくるたびに、心が揺さぶられて止まらなかったのを覚えています。今も大事な一冊です。 2014年に発達障害(ASD)の診断を受けた直後、本棚からこの小説を引っ張り

大人になりきれず悩むあなたへ…茨木のり子「汲む-Y・Yに-」

茨木のり子さんの詩が、大好きです。 国語の教科書にも、よく作品が掲載されているから、ご存知の方も多いんじゃないでしょうか? 「わたしが一番きれいだったとき」など、その強くもしなやかな言葉の数々に、どれだけ奮い立たされたか計り知れません。 なかでも特に好きなのが、「汲む―Y・Yに―」。 Y・Yというのは、新劇女優の山本安英さんのイニシャルです(「夕鶴」の舞台のヒロインを、1000回以上も演じた大女優です!)。 山本安英さんが、若き日の茨木のり子さんに仰った言葉が、元とな

吉濱ツトムさんの講演会に参加…勇気が湧きました

吉濱ツトムさんの著書『隠れアスペルガーという才能』が出版された当時、私はその出版記念講演会に参加したことがあります。時は2016年2月5日、会場は東京の八重洲ブックセンター。この文章では、その講演の内容を中心にお伝えします。 ちなみに本書は、アスペルガー症候群の診断からもれてしまうようなグレーゾーンの人を対象に、その特徴や改善方法について書かれたもの。 私は本書をアマゾンで予約注文して、発売早々に読みふけりました。ところが購読直後に、講演会開催のビックニュースが飛び込んで

吉濱ツトムさんの第一作目~『アスペルガーとして楽しく生きる』感想

発達障害カウンセラーである吉濱ツトムさんの第一作目の著書、『アスペルガーとして楽しく生きる』を紹介します。 吉濱さんは小学校4年生まで自閉症でした。バスの接触事故に遭ったことをきっかけに、自閉症から一転、アスペルガー症候群の特性が強烈に表れるように。身体の不調や悩みを抱えていましたが、19歳から自己改善に取り組むことにより、症状が劇的に改善。26歳で社会復帰を果たしました。 現在は発達障害カウンセラーとして、個人セッションを行うとともに、著書やYouTubeやTwitte

『LDは僕のID ―字が読めないことで見えてくる風景』感想

『LDは僕のID ―字が読めないことで見えてくる風景』(南雲明彦:著)は、LDがある人に限らず、多くの人におすすめしたい良書です。 南雲さんは「読み書き」がとても苦手な子どもでした。その原因が分からないまま悩み苦しみ、不登校となって引きこもります。 手を差し伸べる方がいたことにより、暗闇の底から立ち上がることができ、通信制高校を卒業。そして21歳の夏、LD(学習障害)の一種であるディスレクシア(読字障害)という言葉を初めて知ります。 ディスレクシアがあることが判明してか

黒柳徹子さんが発達障害を告白…『私ってLDだったの?』感想

黒柳徹子さんの国民的ベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』では、徹子さんが多動な小学生だったことが明かされています。多動ゆえに小学校を退学させられた徹子さんは、ユニークな教育方針を貫くトモエ学園に転校して、その個性を伸ばせるようになりました。 徹子さんは大人になってから、女優・マルチタレント・ユニセフ親善大使として活躍するようになりましたが、実は自分が発達障害(LD、ADHD)だったと気づきます。 『私ってLDだったの?』(新潮文庫『小さいときから考えていたこと』に収録)と