「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック
発達障害のある人は、得意なことと苦手なことの差が激しいという特徴があります。しかも困りごとは人それぞれ。ケアレスミスが多い人もいれば、人間関係で悩んでいる人もいます。それでも「苦手なことを工夫して何とか乗り越えたい!」という思いは、当事者の誰もが抱いているのではないのでしょうか。
そんな当事者に向けて、数多くのライフハック本が出版されていますよね。これから紹介する、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(姫野桂:著)も、そのうちの一冊です。ひとりの当事者や専門家によるハック集と比べると、本書はたくさんの当事者の生の声が詰まった、「みんなでつくったハック集」です。
みんなでつくったハック集
本書のライフハックは、著者である姫野さんの前著のイベントで採用されたものをはじめ、126名の方からのアンケートの回答内容が生かされています。50種類以上のライフハックが紹介されているので、まさに痒いところに手が届く感じですね。
たとえば、以下のようなライフハックです。
これらのライフハックを、「仕事」「日常生活」「人間関係」「体調管理」の4つのジャンルに分類。発達障害の当事者でもある姫野さんが、それぞれのライフハックに寄り添うようなワンポイント解説を加えています。
巻末には、竹熊健太郎さん(編集家)と鈴木大介さん(ルポライター)による対談を収録。竹熊さんは50代で軽度発達障害が発覚したことを公表し、鈴木さんは脳梗塞の後遺症から高次脳機能障害があります。お二人ともいい意味で、したたかです。当事者ならではの苦労や工夫について話されていて、参考になります。
苦手なことがあってもいい…悩んでいるのは自分ひとりではない
私自身もまさに発達障害がある当事者ですが、本書を読んで元気づけられました。
「苦手なことがあってもいいんだ」
「悩んでいるのは自分ひとりではないんだ」
素直にそう思えたからです。
「発達障害のある人は、得意なことと苦手なことの差が激しい」……と先ほど書きましたが、苦手なことはとことん不得手なんですよね。ふつうの人が難なくこなせることが、何で自分だけできないんだろうと思って、落ち込む当事者もいるでしょう。
私の場合はコールセンターで働いていたにも関わらず、電話応対がスムーズにできません。現在は事務職をしていますが、同僚たちが流暢に電話でやり取りしているのを側で聞いていると、陰ながらへこむことも多いです。電話に限らず、コミュニケーションで戸惑うことも少なくありません。それでも本書を開いていると、誰もが悩みながらも工夫して生き抜いているんだと、勇気づけられるんですよね。
まとめ
『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』は、当事者のみんながつくったライフハック集。発達障害の有無に関わらず、ちょっとした工夫で快適に暮したい人に、おすすめしたい本です。
「苦手なことがあってもいいんだ」
「悩んでいるのは自分ひとりではないんだ」
本書を手にすると、大勢の味方を得たように励まされるでしょう。
※多岐にわたるライフハックを紹介しているゆえに、内容が広く浅いと感じる人もいるかもしれません。購入を考えている人は、Amazonなどの試し読みだけでなく、実物を読んでみてからの方がいいと思います。
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