まだ牛若丸

僕のこと、奥の底

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最近の記事

今日の思考 2024/10/1 「SNS時代の価値」

しばらく時間が経ったから書ける、ということがある。 今年の夏の甲子園、全国高校野球選手権の決勝は東東京の「関東第一」と京都の「京都国際」の対決だった。 この対戦カードが決まった時のネットニュースに、「新旧首都対決」という言葉が見出しに付いているものがあった。このワードはSNSのトレンドにも入っていたらしい。 頑張っている選手たちと、素直に盛り上がって応援している人たちに水を差したいわけではなかったので、当時このことを記事にはしなかったが、今日ふと思い出したので書き留めてお

    • 今日の思考 2024/9/30 「気まぐれ」

      前書き note を書こうとすると毎回どんどん内容が膨らんで5000文字くらいのボリュームになってしまう。 もちろん自分が書きたいことを書きたいように書いているのだから、楽しいことには違いない。 しかし、以前の記事にも書いたように、そんなふうに増えていく内容を何度も推敲しながら思考をまとめる過程は、自分の精神エネルギー(パワーというよりスタミナ的なもの)を費やす。続けていると、勝手に燃え尽き症候群みたいなことになる。 短い文章を定期的に書いていく方が自分の健康には良いのだ

      • ちがう ふたり の いつも の カフェ

        風の谷のラピュタ、と向かいの席の彼女が僕にだけ聞こえるくらいの声で言った。 「えっ?」 彼女の言葉に何か違和感を覚えた僕は、コーヒーのカップを持とうとした手を止めて聞き返した。 彼女はゆっくりとミルクティーを一口飲んでから答えた。 「ほら、あるでしょ。昔のアニメで、ジブリの。」 そんなことも知らないの、と僕がまるで無知な子供かのような口ぶりだ。 僕がそのアニメを知らないならこの話はおしまいということなのか、彼女はまた黙ってフルーツタルトを食べ始めた。 違うんだ。

        • 当たり前を当たり前にできないからこそ

          数年前、僕が大学生になった頃から身近で増えた一つの話題がある。 「免許取るの? いつ?」 「取らないの?」 「持ってた方が、色々と便利だよ」 免許というのは運転免許、すなわち普通自動車第一種免許のことだ。 この国では車を運転するのに、何時間も講習を受けていくつもの試験を突破する必要がある。無免ライダーは自転車までしか許されない。 車も免許ももちろん僕が生まれるより前から存在していたが、僕が大学に入って周りの人たちが次々に免許を取り始めてから、それは僕の人生の中で急速に膨

          Netflixシリーズ『地面師たち』で僕が笑った場面ベスト5

          先日、話題のドラマ『地面師たち』を一気見した。 爆裂に面白い。 物語の展開が丁寧なのにテンポが良く、音楽の良さや演出の面白さと相まってとても見やすかった。 登場人物はキャラが立ちつつ極端に不自然ではないリアルさもあり、演技の素晴らしさのおかげでさらに深みも増している。 面白い作品の要素てんこ盛りで、僕が今さらこんなところで宣伝するまでもなく大ヒットも納得のドラマだ。 しかし『地面師たち』を大好きになった僕もこの作品について何か書き残したい。この興奮をどんな形でもいいか

          Netflixシリーズ『地面師たち』で僕が笑った場面ベスト5

          メラメラ燃えろ、心。または文章を書くことについて。

          先日、約2年半ぶりにnoteを更新した。 「あの日」という題の短いエッセイだが、唐突に投稿するには不思議な内容だったかもしれない。もしかすると、怖かったかも。 文章自体はだいぶ前に書いていた下書きを少し直しただけだ。 どうして急に新しい文章を投稿したのかというと、勢いで書いたものを時間が経って修正したら、今度はあの文章を世界の隅に残すことが自分の役目のように思えたからだ。 では逆にどうして2年半前、noteに投稿するのを止めたのかというと、短期間であまりにも自分を削りすぎ

          メラメラ燃えろ、心。または文章を書くことについて。

          あの日

          たとえば廃墟で白骨化死体を見ても何も思わないだろう。でも、つい昨日まで生きて動いていた人間が棺の中で横たわる姿は、どう見ても生きているようで、むしろ生きていた時の記憶よりも美しくて、それが恐ろしかった。棺の上の扉が開いていたけれど、顔をすぐには見られなかった。 魂がそこに無いだけ、ただそれだけの違いがこんなにも大きい。 献花して故人の顔を見る列に私が並んでいた時、久しぶりに会ったけど大きくなったねと先生の娘に声をかけられた。ピアノを習いに先生の家へ通っていた頃も良くしてくれ

          ポケットいっぱいの夢

          これを書き始めたのは12月27日だが、年末は塾のバイトが詰まっており忙しく、ちまちまと続きを書き足してようやく今日に至る。いつの間にか年を越してしまっていた。そんな調子で、自分の心の深い所に潜る時間的余裕がなかったので、今回は自分の好きなものの一つについて書いた。 ところで、エッセイを書き始めて早くも、自分について深く掘り下げることの面白さと重さが分かった。忙しい時は重たい文章を書くのが負担になりそうで、実際にしんどいのかはさておき、じっくりと自分に向き合う時間があるときに

          ポケットいっぱいの夢

          アンコール・イコール・アンコンフォータブル

          英語本来の発音と違うような表記で使われる日本のカタカナ語が、なんだか気持ち悪く感じることはあるだろうか。例えば、アンコンフォータブルとか。 おしまい。 ・ ・ ・ 終わらない。こんな雑なタイトル回収で終われるはずもない。カタカナ語の奇妙さと面白さに目を留めるのも楽しそうだが、アルファベットよりもカタカナの方が3つの単語の字面が似ていて面白かったからそうしただけで、今回は全く別の話だ。 ・ ・ ・ 一昨日、昨日と、日向坂46のオンライン配信ライブを見た。 日向坂46

          アンコール・イコール・アンコンフォータブル

          先輩と後輩、とあるバイト

          フラットな関係のコミュニケーションを新たに始めることが苦手で、相手から話しかけてくれるのを待ったり、既に仲の良いグループの中だけで過ごしたりして、狭い殻に籠っていたこれまでの自分と、今の自分が、何か少し違うんじゃないかと気づいた。 ・ ・ ・ 本題に入る前に、背景について説明しておこう。 現在大学3回生で、塾講師のアルバイトをしている。 いきなり余談だが、関西では大学の『○年生』を『○回生』と言う。理由は知らないけれど、ただ長く生きて年数を重ねる呼び方よりも、なんだか

          先輩と後輩、とあるバイト

          事故商会

          ※この話は半分フィクションです。実在する人物、団体、出来事とは一切関係ないとも言い切れず、その辺は読者の方の情報リテラシーに委ねられますが、何にせよ全てのお問い合わせに対し返答を拒否させていただくことを予めご了承ください。(感想コメントは歓迎しますが) ・ ・ ・ 「いらっしゃいませ。事故商会でございます。本日はお越しいただき誠にありがとうございます。」 「友人からこちらの話を聞いて、気になったもので。」 「そうでしたか。では、何かご希望の事故がおありで。」 「

          似非エッセイ永世名人

          これはまだ人間として未熟で、自分に与えられた名前すら不釣り合いな、一つの影が記す随想録である・・・ 記念すべきエッセイ最初の文として、これほど痛いものはなかなか見られるものでもないだろう。題名も、『中二病でもエッセイが書きたい!』とすべきであるように思われる。 しかし残念ながら、中二病の名残りだけで人格が形成されているわけではなかったので、それは不採用となった。(そして『中二病でも恋がしたい!』は未履修でもあった) さて、初めから読み辛いとは思うが、少しだけ我慢してほしい

          似非エッセイ永世名人