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Fortune誌のDeath Techスタートアップ記事でインタビューに答えたスタートアップGoodTrust(オンライン遺言、デジタル遺産管理など)を紹介
Fortune誌が2021年7月に"Tech can’t solve death. But startups increasingly want to help with what comes after"という、Death Tech周りの記事を掲載しているので紹介します。
記事を執筆したのはSTAV DIMITROPOULOSというジャーナリストです。
Fortuneの記事概要
「Death Techの未来を1年前にForbesが紹介していて良記事なのでご紹介」と同じように、原文の概要訳を紹介します。
Rikard Steiberの何人もの同僚・友人たちがコロナで命を落とした。彼らの中には有名DJが含まれ、彼は多くのデジタル資産を残して亡くなった。それを受け、遺族がSteiberにどうやったらGoogle Photoの写真にアクセスできるのかを訪ねたものの、Googleでさえもアクセスすることは難しいと言うのみで解決できなかった。遺族たちは故人のアカウントのすべてを把握しているわけではなく、それらには写真などのデジタルデータだけでなく、暗号資産のような財産的価値を含むものの含まれている。とはいえ、これらのアカウントにアクセスすることは極めて難しい。
こういった体験を踏まえ、Steiberは故人のデジタルデータ・遺産にアクセスすることを可能とするサービス・GoodTrustを設立するに至った。
ユーザーは生前に、死んだときのアカウントの取り扱いについて設定しておく。情報の共有は仮死状態に陥ったり死亡したタイミングで直ちに共有されるわけだ。
コロナ感染拡大により、死ビジネスへの参入を強化する起業家の数は伸びた。オンライン葬儀やデジタル遺産の取扱いに関するサービスへのニーズをコロナは高めたことも関係しているだろう。
ベビーブーマー世代が多いことも、「死」は成長産業であると言える。
Death techそのものは決して新しいものではなく、Forever.comは2012年時点でオンライストレージサービスを既に提供している。
Eternevaは遺灰をダイヤモンド化するサービスを提供している。
Everdaysはオンラインでの葬儀サービスを提供し弔電もオンラインで送ることができる。
カーネギーメロン大学のSridhar Tayur教授は、テクノロジーの発達によってDeath Techに注目が集まるようになってきていると言う。
遺体を土に返すテクノロジーを持つスタートアップであるRecomposeはコロナをきっかけに大きな事業成長を達成した。
これらDeath Tech成功について、葬儀コンサルティングを営むDavid Nixonは懐疑的な見解を示している。というのも、そもそも業界に古くから働く人達は変化に順応的でなく、新しいテクノロジーを積極的に導入するに乏しいからと理由を挙げている。たしかにいくらかの需要はあるかもしれないが、さほど需要は喚起できないのではないかとの見方を示している。
上述のカーネギーメロン大学のTayur教授は、スタートアップが成功するためにはまずは富裕層をターゲットとして徐々にターゲットを拡大していくことが望ましいのではないかと言っている。
2023年までに北米で亡くなった人の60%弱が火葬されると見込まれている。
デジタル遺産の管理を行うGoodTrust
上記の記事概要の後半は一部カットしています。
というのも、後半はGoodTrustについての紹介だったわけで、それについては章を分けたかったために割愛しました。
ここからはFortuneのインタビューに答えたSteiber率いるGoodTrustについて紹介します。
ちなみに、以前の投稿(「Death Techの未来を1年前にForbesが紹介していて良記事なのでご紹介」)でもGoodTrustについて触れているので、同社はDeath Techを語る上では外せない存在と言えるでしょう。
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Fortuneの後半に記されたGoodTrustについての言及を紹介します。
GoodTrustはたったの15分でかつ無料で遺書を作成できるサービスを提供している。遺書作成にかかる多額の弁護士費用がGoodTrustにかかっているにも関わらず無料だ。
全米1.4億人にも上る遺書を作成していない見込み顧客に対し、「だったら今すぐ作ろう」という気持ちを持たせる魅力がこのサービスには備わっている。
また月間30億にも届こうとするFacebookのアクティブユーザーのうち、毎日3万人が亡くなるという事実。
創業者のSteiberによると、毎月何万人者新規ユーザーがGoodTrustに登録している。このユーザーが爆発的に増えている現象は、金融や保険、法律業界にも見られるのと同じだと彼は言っている。
そもそもの話になるのですが、GoodTrustはDeathTech系の記事ではそこそこ目にすることがあるものの、同社が設立されたのは2020年で、歴史としては非常に浅い会社です。
創業者のRikard Steiberは、GoogleでMarketing Directorとして勤務した経験があります。
Crunchbaseによると、これまでにUSD230万調達しており、出資者の中にはかつてのSoftbankCOO・Nikesh Arora氏もいます。
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GoodTrustのサービスプラン
GoodTrustが提供しているサービスは6つから構成されます。
Digital Legacy:デジタル遺産
FreeWill:無料遺書
Future Messages:死後メッセージ
Singing Portraits:口パク写真
AI Animated Photos:AI加工写真
For Loved Ones:死後のデジタルアカウント管理
これらサービスのパッケージとしてGoodTrustは3つのサービスプランを提供しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1639814374145-wetuAH55GH.png?width=1200)
無料のものから、月額USD8、一括でUSD499の3つです。
あくまで個人的な所感ではありますが、料金の割に内容が充実しているのではないでしょうか。
弁護士が介した遺書の作成など含めて、永年でUSD499というのは破格という印象です。
日本でのオンライン遺言サービス:タイムカプセル
日本では「LINEで作る新しい遺言書」というメッセージでタイムカプセルという名のサービスを提供している、スタートアップ・ユニクエスト社が挙げられます。
※遺言として法的に認められるためには手書き・捺印が必要なので、タイムカプセルのようにオンラインで完結するものは、法的効力は持てません。
![](https://assets.st-note.com/img/1639845737464-2N3A4FjZsb.png?width=1200)
同社はタイムカプセル以外にも葬儀情報サイトを運営するなど、先日「ForbesJAPAN 2022年1月号「日本の起業家BEST10」の「200 SUPERSTAR ENTREPRENEURS」にランクインした日本発Death Techスタートアップ・よりそう」で紹介した「よりそう」社が競合に当たります。
既に日本でも遺言のオンラインサービスが同社の提供されており、法改正が進めば同類のサービス普及は加速するのではないでしょうか?
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